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事実と解釈で判断軸を強くする

今回のお話

何かしらの事象に対して必ず好きか嫌いかなど判断することはできますよね?
仕事をしていてもこれは好きだなとか嫌いだと思うことはあります。
しかし、その判断を上司やお客さんに伝えることは難しいですよね。

あくまで個人的な感情では趣味ならともかく仕事をしていく上では中々変えられないこともあります。

今回は、事実と解釈を通じて判断軸をつよくしていくことについて考えていきましょう。

事実と解釈

事実とは、実際に起きたことです。
解釈とは、受取手側の理解した内容のことです。

例として営業の商談を考えてみましょう。
商談を終えて、クロージングの際にお客さんにこう言われました。
「機能自体はいいんだけど、この値段だと全社決裁がいるから難しいな」

この手の話はよくありますよね。さてこの場合の事実と、解釈をみてみましょう。

事実:機能はいいんだけど〜とお客さんが言ったこと
解釈:値下げで事業部単位で受注可能そう。全社決裁に対する壁がありそう

新人の報告が、事実と解釈が混在していてわからないという記事がバズったりもしましたね。事実と解釈をわける必要が仕事をする上で重要になってきます。

判断軸を強くする事実と解釈のトレーニング

前項では、事実と解釈の定義について、実例も踏まえてみてきました。
では、実際に事実と解釈を分けることはできてもどう業務上活かすべきなのか疑問に残っているかと思います。

ある程度一人前の社員となり、企画や設計、会議など自分の意見を提案したり、通す必要がある場面が存在します。
その中で上手く提案していくために、判断軸を強くする必要があります。
つまり、なぜそれが大事なのか、重要なのかを論理的にも感情的にも説明することが必要であるということです。

そのために、事実と解釈を行き来するトレーニング方法が必要です。
ここでは、3つほど紹介していきます。

1.ふせんトレーニング

デザインの判断力ということで文脈が違いそうに受け取られそうですが、同じです。このトレーニングでは、デザインに対して好きや嫌い、わからないで判別し、他人にその意図を共有するということです。それは、まさしく事実と解釈を行き来することになります。

例えば、このデザインは好きです。なぜなら、赤色が多用されているからです。この例では、好きが解釈で、赤色が多いが事実です。このように事実と解釈を上手く説明する能力を上げられるのがこのトレーニングのいいところです。

複数人が必要ですが、いなかったとしても一人で頭の中でやってみることも己の判断軸を強められるので気軽にやってみるのも良いでしょう。

2.美術館でアートを見る

美術館にいくと、絵画や彫刻など様々な形式で時代背景も異なる作品が多数収録されています。
そこで、ひとつひとつ見るのではなく、なんとなく惹かれるなと思った作品に足を止めてじっくりみてみましょう。

なぜそれに惹かれたのかについて作品の隅々までみて事実と解釈で分けて考えてみましょう。
また詳しくは、以下の本を読んでご参照ください。

3.解釈と事実の収集

トレーニングというか意識の方法です。
事実と解釈は一対一のセットとなっています。もちろん多対多もありますが、厳密性は省いて一対一としましょう。

そうすると、仕事や電車の中、飲み会でのしょうもない話の中に必ず事実と解釈が出てきていることに気がつきます。
それをどんどん頭の中に収集していきましょう。

そうすることで、ある事実からはこのような解釈がされやすいという平均値の様なものが見える様になってきます。

それが何に役立つかというと、UXです。ユーザーの体験を向上させるとなると、ユーザーが何をみてどんな感情をもつかということを想定してサービスを作っていく必要があります。

その中で事実と解釈のセットをたくさん持っていると、どの様な機能でどのような反応が得られそうかという効果的な仮説が立てやすくなります。
そして実践してみることでそのセットの再現性や効果の検証ができ、さらに事実と解釈のセットを作り出すことも可能です。

最後に

感情でものごとを語るのも、理性で話すのもどちらがいいとも悪いともありません。ましてや好きなことで生きていくというような生き方が推奨されているこの時代において、自分の直感に頼らないというのは一つ刀が少ない様な印象を受けます。

ただ、そうはいっても問題解決能力=左脳的思考を鍛えられてきた人たちにとっては、どうしても理性を優先して判断基準の多くの割合を占めているかと思います。

その人にとってもこの方法は役に立つものかなと思っています。
なぜなら、感情的なモノ=解釈を事実=不変なモノとセットにすることで導くことが可能となるからです。つまり、ある程度の再現性を担保できるためです。

事実と解釈を行き来することでより柔軟な発想ができる大人になりたいですね。
それでは、また。



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