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鳥取大学医学部医学科への合格〜生活習慣と勉強法の改善を通じて自己変革を達成〜

お世話になります。ドリームラーナーズの石原です。鳥取県倉吉市で進路指導と学習法指導の塾を運営しています。学習指導は中学生・高校生・大人、英語の指導は小学生から対応しています。LINE, google meetなどを活用して、遠隔地でも進路指導・学習指導・添削指導に対応しています。

本日は、2023年度の入試で鳥取大学医学部医学科の合格を勝ち取った生徒が綴ってくれた、3年間の浪人生活体験記を掲載します。

挫折した高校時代から始まり、浪人生活も宅浪に近い状態から始め、不器用ながらも少しずつ自己改善を進めていきました。最終的には、普通に予備校に通いながら、私の指導を受けることを決めて1年間続けました。本人が思い悩んだ様子が伝わってきます。

自己認識の成長、努力の方向性の改善など、受験生であれば誰しも必要になることがてんこ盛りだと思います。読んでもらえば、案外と、当たり前の話が多いです。ただ、当たり前のことが当たり前にできないからこそ、不合格になる人が跡を立たないのです。そんなの当たり前だろ、と思ったら、そこにあなたの改善の余地があるのかもしれません。多くの人がはまりがちな落とし穴に、彼も見事にハマっていました。

本人が書いてくれたものに、誤字脱字等の修正を加えながら、引用で補足していきたいと思います

引用というのはこういう背景灰色でやや中央によってるやつです!

引用部分の記述は基本的に、ドリームラーナーズ代表石原のコメントです。

では、どうぞ〜

高校時代

高校時代は3年間空回りし続けて気づけば浪人せざるを得ない成績で卒業してしまっていました。

まずは、3浪する決定的な理由であった、高校3年間の勉強の失敗について、その原因を自分なりに考えてみました。

①高校受験時の成功体験に囚われたこと

私は公立中学校出身で、高校受験時は地元の進学校の公立高校に4位で入学。併願で受けた私立では1位でした。なぜ6年も前のことを詳しく覚えているのかというと、それくらいしかパッとした成績をとっていないからです。

中学レベルの勉強であれば十分な点数をとれるくらいは勉強していたので、頑張って報われた経験は、高校の勉強にも必ず役に立つ、このままやり続ければ大学受験でも成功するだろう、と考えてしまったのです。

高して、一般的な中学生が自力で考えるような、試行錯誤が足りない、曖昧で再現性のない成功体験を頼りにしてしまったため、以下のような勉強の失敗を繰り返していました。

この気持ち自体はあまり問題ないですが、高校入試の結果はあくまで当地の問題における、ローカル成績でしかないので、全国区だとどれぐらいの位置にいるだろうか? ということは考えておくべきでしたね。

石原

②自分の成績が下がり続けていても何も手を打たなかった

前述した通り、高校入学時は上位の成績でした。この経験から、入学後も「うまくいっている、自分なら必ずやれる」と思い込んでしまいました。誤魔化し始めていたというほうが正しいかもしれません。

1年時の夏頃から成績が下がり始めているにもかかわらず、結果的にほぼ何も手を打たずずっと過ごし続けてしまいました。それなりにもがいてはいましたが全く良くなりませんでした。

3年間成績は下降しっ放しでした。当時はどうすればその状況が上向くのか全くわからなかったです。

また、私は中学時代の一時期に塾に通っていましたが、補習塾のような場所だったため塾はあてにならないと思ってしまっていた。そのため、そもそも「大学受験のために塾に通う」という発想がなかったです。

田舎だと「受験対応の塾」ってあまりなかったりしますよね。大学受験の情報源が限られています。youtubeはあるにしても、それで「勉強のことを調べる」という発想があまりなかったりしますし、玉石混合ですし。

石原

入最終的に卒業時にはクラスの最下位を争うような成績になっていました。

③大学受験の情報に疎く、適切な情報の取捨選択ができず、勉強法が全く確立することがなく延々と迷走した

高校生活を通してこれが失敗の1番の原因だと思います。

私の周りには私を含め、大学受験に詳しい人がいませんでした。自力で受験の情報を手に入れるのはテレビや雑誌、インターネット、本などからです。それらの情報は個人の経験をもとに脚色・美化されていることがあり、多くは派手で目立つ無茶なことが書いてあります。

例えば、難関大学の学生は「受験時代は毎日12時間勉強しました」とインタビューに答えていました。私はそれを高校受験直前に聞き、「医学部に受かるにはこれくらい必要なのか」と思い、それだけの時間をこなさないと医学部医学科には受からない、と考えました。

最終的に取り組むべき量としては間違ってはない(実際、3浪目ではこの時間をコンスタントに取れていた)のですが、その「やり方」を考慮していませんでした。

どの教材をどのようにどんな目的で取り組むのか、そのために何時間必要なのか、といった具体的な数値目標を設定せずに、ひたすら、たくさんの時間を、気の赴くままにやろうとしていました。

「やる気で勉強するな」と私はよく言います。やる気での勉強は「やる気が出ない時」のことを想定することができません。

 よくあるのが、定期試験が終わったからといって休んでいいと思ってるのは自分だけ、というパターン。誰も休めとは言ってないのに「休んでしまいました」など。

 定期試験の結果は「お前は期限と範囲の決まった勉強ですら、不完全にしかできない」と言っていることが多いにも関わらず勉強を止めるんですよね。どこを目指しているんですか?

石原

加えて、高校受験の頃から、12時間といった長時間をやりきる勉強体力がありませんでした。

そのため、高校時代は2週間〜1ヶ月程度やみくもに勉強を続けて、そのうち疲れて勉強が嫌になり1〜2ヶ月ほど勉強をあまりやらなくなる、ということを延々と繰り返していました。

少しずつやる気が回復してやり直そうとする時は、以前とは何か違うことをしようとするわけでもないのに、いつも「次こそは長時間の勉強を継続させて成績を上げる」となんとなく思っていました。

具体的にどう工夫するかを考えていないため、この間欠的な勉強のやり方が変わることなく、勉強については進歩のない3年間を過ごしてしまい、気づけばセンター試験本番を迎えていました。

勉強時間の確保って、当たり前になってる人は、それが当たり前じゃなかった時のことなんか思い出せないんですよね。当たり前になるまでやるしかないのですが、山登りと一緒で途中は絶対辛いんですよね。でも一度登り切らないと、そこにいいものが待っている、とはならないので、結局また同じ中腹で諦めて降りていくことになる。毎日2〜3時間ぐらいやることがよっぽど大事。登り続けることが大事。

石原

思えば、塾で面談を受けてみるなりして、自分の勉強について客観的なアドバイスをいただくべきだったのに、②の理由にもあるとおり過去の個人的な成功体験から得た自信を持ち続けていたため、受験勉強に対する知識がないのに一人でなんとかしようと思い続け、負のループに陥ってしまっていました。

模試などの結果から、結果が伴ってないことは嫌というほど示されていたにもかかわらず、現状から自分の行動を省みることができませんでした。

この誤りに気づいたのが2浪目くらいだったと思います。

④量をこなしさえすれば時間が経てば自然と努力が実り受かる、と思い込んでいた

③の話(難関大生の勉強時間など)を聞いてから「自分もそれだけの量さえしておけば医学部に入ることができる」と思うようになりました。ですから中身などは二の次でとにかく勉強量、勉強時間が全てだと考えて勉強するようになりました。

もともと勉強の失敗の原因を考えることもあまりなく、具体的な行動を伴わずに、時間が経ち勉強していればそれなりに伸びてくれるだろうと考えてしまう自身の性格のせいでもありました。

もちろん、あまり意識せずに勉強方法を改善していくことができる人にとっては量さえこなせばいいとは思いますが、私はそうではなかったです。

テストや模試を受験した後は、「失敗した原因は〜〜の単元の……の分野の基礎の理解が甘かったからそれをもう一度やり直そう」などと具体的に考えるべきです。

私の場合は「問題集を多く周回してなかったからだ、(漠然と)ただやり込みが甘かったからだ」と考えてしまい、また問題集全体を一からやり直す、ということをしてしまっていました。

昔(中学時代・高校受験)はそれで乗り越えられていました。しかし、高校ではそれで成績が伸びることはありませんでした

「この参考書を〇周すれば成績が伸びるはず」と半ばすがるような思いで勉強をしていました。受験情報に疎かった私は、選ぶ参考書も学校指定のものか、ネットや本などで受験生の間で評判がいいと書いてあるものばかりで、普段の勉強の出来不出来や模試の成績などから自分の足りない部分を見て、そこから参考書を選ぶことがなかったと思います。

うーん、一部は間違ってないのが話をややこしくさせますね。「周回して、問題集の精度を高める」のは、この後も出てくるように、必要な作業です。ただ、問題を解くだけになっている、覚える作業や理解する作業が入ってない、ということだとどれだけやっても時間の無駄です。

石原

素人なのでそのようなことを指摘してもらえる人が必要でした。前述のとおり、どうして点数が取れなかったかということをきちんと分析して、具体的に課題点を洗い出さなかったので、ずっと成果の得られにくい勉強を続けることになってしまいました。

そのため受かるためには無計画でとてつもなく膨大な量、終わるかどうかわからない量をただひたすらこなさないといけないと思うようになり、次第に思い通りに勉強を進めることができなくなっていきました。

私とは対照的に、同級生で医学科に現役合格していた人たちはそのようなことであまり迷うことがなかったように見え、私の中で焦りは常にあるものの、どうすればいいのかわからない、何に頼ればいいのかわからない、と言う状態でした。これは3年間続きました。

タコな自分と対照的に、自然と勉強ができる奴がいるというのは、多くの人がコンプレックスを刺激されます。それが余計に目を曇らせる要因にもなりますが、まずは「自分がタコである」と認めることが大事です。

石原

これらを読んでいただけるとわかるように、私はもともと全く勉強をしないタイプではなかったです。過去の成功体験(今振り返れば大した成功体験ではないにもかかわらず)に翻弄されて、地方の公立高校受験(倍率ほぼ1倍)と全国区の大学受験(しかも難関である医学部医学科志望)との違いも認識しないまま、自分の学力を伸ばすことができず、浪人するしかない状況になっていました。

そして浪人へ…

高校生活の勉強は全くうまくいきませんでした。これが尾を引いていたと思うのですが、1浪目は思ったようには伸びませんでした。

勉強方法の改善を行えた2浪目、3浪目は比較的順調に伸びたと思います。

私が浪人生活のなかで行っていたこと、意識していたこと、うまくいったこと・失敗したことなどを1〜3浪目を振り返って書いていきます。

1浪目(勉強法の改善がさほど見られず)

浪人のはじめは、地元の図書館と塾を自習室がわりに利用していて授業を一切受けなかったため、ほぼ宅浪のような状態でした。そのため1年間はずっと参考書学習をしていました。

その中での失敗をいくつか書きます。

*ちなみにですが、地元の塾というのはドリームラーナーズとは違いますが、石原先生が週に3回ほど働いておられている場所で、1浪目から私は石原先生のことは存じ上げており、週に1回ほど教室で他の生徒と勉強しながら、勉強の進捗などをお話ししてそれからそれらについてアドバイスを頂く、という状況でした。

①網羅系の問題集ばかりを使ってしまい、終わりが見えなかったため、達成感をなかなか得られず、思うように成績を伸ばすことができなかった。

この年は学校配布の参考書、問題集ばかりを使っていました。

具体的には、数学ではFocusGold、物理化学ではリードαといったものです。これらの参考書、FocusGoldなんかは特に高校生が2〜3年かけても仕上げることが難しいくらい量が多いです。

それらを私は1年間で完成させようとしていたため、当然終わりませんでした。終わりが見えてこないので、1〜2ヶ月程度取り組んでは挫折し、また似たような範囲を取り組みながら少しずつ進めては挫折し、を繰り返してしまいました。

また、量が多いがゆえに周回する回数も少なくなってしまった分野も多くあり、基本事項を抑えられることもなく、中途半端な学習になってしまっていました。

1浪目は数学に1番時間を割いていたので、数学はそれなりに伸びてくれましたが、他の教科についてはあまり伸びず、基礎的な部分の土台があまり固まることもなく、場当たり的に問題を解くクセが抜けず、前年度とあまり変わらない結果になってしまいました。

なんで浪人生は1年でFGや青チャートが完成できると思ってしまうん?
できるやつは現役でできとるんやで!

石原

②生活リズムが崩れてしまう時期があった。

1浪目はずっと勉強しかしない生活を送っていたため、高校時代とは違い身体に疲れがほとんどたまらなかったり、精神的に不安定になってしまうこともあり、不眠気味になってしまうことがありました。

浪人開始から2〜3ヶ月は特に問題なく生活が送れていたのですが、それ以降は頭は疲れていてイライラしているのに眠れない、といった日が定期的に訪れるようになってしまいました。

そうなってしまうと、日中にうまく勉強できずに寝てしまい、1日を棒に振ることもしばしばあり、安定した勉強時間を確保するのが難しくなってしまいました。勉強をしたいのになかなか出来なかったので、精神的にも肉体的にもかなり苦しかった時期でした。

浪人生には、週に1回でいいからそこそこ負荷の高い運動をしろ、と言っています。体力確保と、睡眠がとりやすくなるからです。具体的にはマシン等での筋トレが、時間帯負荷が高いためいいと思いますが、「それなりに負荷が高い」を満たすなら、好きな運動をすればいいと思います。彼も3浪目からは実践しています。

石原

③休憩を取らずに勉強をしようとしていたため、メリハリのない勉強を繰り返してしまった

現役時同様に1浪目までは量がすべてだと考えていたため、一切休憩を取らず我慢するように勉強しようとしていました。

これが長続きするはずもなく、疲れて勉強をやめては、やる気が回復して、危機感を持ち始めて、また勉強して、を繰り返していました。あまり高校時代と変わっていません。

1浪までこれを修正できなかったことも何年も浪人した原因だと考えています。変に完璧主義だった性格が抜け切らなかったです。

こういうのを「完璧主義」って言うのですかね? やってる側は確かにそう言うのですが、「出すべき成果は何か?」という要件定義をせずに、勉強をしさえすれば良い、と思っていることを完璧主義とは言いません。

石原

浪人3年間を通じて、1浪目が1番勉強量が少なかったと思います。

④人の話に耳を傾けることがなかったため、偏った情報で勉強することになってしまった

1年目は実質宅浪でしたから、独りよがりの勉強になってしまっていました。

高校時代、勉強がうまくいっていなかったことを学校のせいだと思ってしまっていました。

今考えても、高校の先生が言っていた、勉強についての指導は、間違っていると感じる部分はちらほらありますが、正しいと思う要素を素直に聞くことができなかったと思います。

自分は、受験に対して素人であるにもかかわらず、自分のやり方でなら必ず成績を伸ばせると思い込んでいました。

自習室を使っていた塾の個別指導の時間で、石原先生とお話しする機会は何度もあったのですが、自分の勉強方法を改めることもあまりなく、1年間ずっと①で挙げたような誤った取り組み方をしてしまいました。

2浪目以降は徐々に勉強法は改善されていきますが、1浪目と同じやり方で続けていたら、と思うとたぶん今年も受からなかったでしょう。

どんなタコでも、自分のことをタコとは思っていない。
それが、浪人を重ねる最大の要因。

石原

1浪目の結果

結果的に1浪目は共通テスト、2次ともにあまり伸びなかったため、医学部に出願せず(しても必ず落ちてたでしょう)、自分が医学部以外を受ければどこに受かるのか客観的に知りたかったので他学部に出願しました。

伸びなかったのでようやくそこで自分は間違った方法で取り組んでいた、取り組み方を変えないと一生受からないかもしれない、と気づいたこともあっての判断です。出願した大学には合格できたので、自信に繋がりました。

この出願については、賢明な判断ができていたと思います。もし医学部に出願してしまっていたら前述したような同じような過ちをずっと繰り返していたかもしれません。

これは私の経験から言える教訓ですが今現在、志望校への点数が全く足りずもしかすると何年か浪人してしまうのではないか、と思っている方(ただし、最後まで自分の志望校を貫きたい方に限りますが)は、受験時には志望大学よりもを難易度を下げて他の大学を受けてみることをお勧めします。

年数をかけて徐々に受ける大学の偏差値を上げていくような感じで。それらの大学から合格をいただくことができれば次につながりますし、志望校への距離感というものが実際の入試を通じて体感できます。

そしてそこに落ちてしまった場合は、今自分の置かれている状況が本当にまずいことを痛感します。プライドを捨てて、自分の実力に見合った大学を出願しておくほうが後のためのメリットしかありません。

1浪目では国公立は地方の大学などを受験し、合格できましたが、医学科を目指すためにさらに浪人することを決めました。

特にいうことはないですが、この、浪人を重ねる前提であっても、自分が合格する妥当なレベルへの出願ができないタコの多いことよ。自分のタコさ加減から目を背けてはいけない。

石原

2浪目(質の高い授業で勉強法に改善の兆し)

私が最終的に合格できた要因の1つとして、2浪目で大きく勉強法の方針転換を図ることができたことが挙げられます。

今振り返ってみると、3浪目と同様に、2浪目の勉強も自分の中ではかなり充実していました。

1浪目と比較しながら2年目に取り組んだこと、特に改善できたことについて書こうと思います。

*2浪目の浪人方法ですが、1年目と同様の塾に在籍をしており、自習がメインというスタイルは変えませんでした。しかしこの年は代ゼミの授業(映像)を何コマか受講するようにしました。

また、5月に英検準1級を受験しましたが、その時期くらいから石原先生にさまざまな教科についての質問、英作文の添削などをしていただくようになりました。

また、週に一回地元にある英語の塾に通い、長文と文法を基礎から丁寧に取り組んでいました。

①勉強のための休憩を思いきって多めにとった

昨年度はノンストップで勉強し続けていて明らかに効率が下がってしまっていました。その反省を踏まえて、無理やり休むようにしないと自分の性格上、休むことそのものが悪だと考えてしまうため、昨年はルールとして午後3時と午後7時にそれぞれ30分ずつ休憩をとり、その間は絶対に勉強しないようにしました。

その時間では自習室から出て、近くにある大きな河川の付近を散歩したり何も考えずにひたすらぼーっとしたりしていました。そうすることにより適度に脳を休ませることができ、休憩後は休んだ分は取り戻そうと効率よく勉強することができました。

2浪目も宅浪に近い状態で自分でスケジュール管理をしなければならなかったので、休む時間も自分の状況に応じて決めることができました。そのため、自分に合った正しい休み方ができていた思います。

予備校のように決まったスケジュールがほぼなかったですが、自分の場合は勉強のやり方そのものを改善していかないと受からなかったので、客観的な意見を取り入れて日々の行動を修正していくうえではよかったスタイルでした。

 よく「メリハリをつけよう」と言いますが、そもそも人間の集中力には限界があるため、まず勉強時間自体を短めの、一定スパンで区切ることが必要です。最初は30分、60分程度で、できるだけ「本番の試験時間」と同等の時間は集中が持続できるように練習していく方が、結果的に多くの時間勉強ができます。

 逆に、そもそも30分や60分を持続して勉強できない、というのならば、大学受験本番で集中を維持することはできないはずですから、学び方歩み方を検討した方がいいのでは、と思います。多くの受験生にとっては、休憩を取ることと同様、勉強時間そのものの見直しが必要です。

石原

②代ゼミサテラインを利用して基礎を固め直す

1浪目は授業を一切受けずに自習のみでした。2浪目からは代ゼミサテラインの授業を受けていました。国公立医学科対策の英語、ハイレベルの理系数学、およびハイレベルの物理です。

ハイレベル講座を受講していたものの、基礎的なことも丁寧に説明してもらっていたので、復習にも役立ちましたし、気分転換のために授業を受けようという気にもなったため、自身の学習効率を上げるのに役立ちました。

相変わらずメインは自習でした。その時から石原先生のアドバイスを徐々に聞き、何がよくなかったから成績が伸びなかったのか、ということがわずかですがわかっていくようになったため、自習の質もよくなっていった時期です。

受験で完成度の高い基礎力を要求されるれるため、自分で演習して、見つかった弱点をもとに基本的な考えや公式、定義をを復習するスタイルでないと伸びないと考えていたうえでの判断です。

「授業は遅い、参考書や問題集が最速だ」と言う人はいて、実際にそういう人の中には予備校の授業のペースよりも早く勉強を進めている人もいます。ただし、誰もがそれができるわけでもなく、全科目でそれができる人もそう多くはないです。特に、抽象度の高い内容になれば、文字の理解より体験的経験的な理解にできる授業を選んだ場合が良い受験生もいるでしょう。

石原

③使う参考書を見直し短期間で周回できるようなものを選んだ

2浪目は網羅系の問題集をほとんど使いませんでした。

昨年の1年かけても全く完成しなかったので、このようなことを続けても伸びない、自分の力ではうまく使いこなせないと思ったので、短時間でまわせて達成感の得やすいものに切り替えました。

そのおかげで参考書を取り組む目的を見失うことがなく取り組み続けることができ、各教科においても終わりが見えるような学習をすることができるようになっていきました。

浪人生、まず、その新品同様のフォーカスゴールドや青チャートを捨てるところから始めよう。現役時にすでに2回3回やっていた、もうあとは数問を残すのみ、となっているなら使ってもいいが、そうでなければ投げ捨ててください。

石原

④個別指導の時間で先生に添削をしてもらい、思考の改善ができた

私が石原先生を本格的に頼り始めたのは英検を受験する1ヶ月ほど前からで、英検形式の作文を添削していただきました。

はじめの方は採点者に全く伝わらない英文を書いてしまっていたため、採点さえしていただけないこともありましたが、それを通して文法を再度復習し、また基本的な英作文の問題集にも取り組んだおかげか、徐々にですが伝わるであろう英文を書き始めることができました。

結果的に英検は英作文がしっかり取れていたので合格できました。

「文法ミスが多すぎて読む気が失せる」「内容が意味不明で主張になってない」「ここと次の文の論理的繋がりは何なの」とかよく恫喝言ってました。これで凹んでしまう受験生もいるので彼はよくついてきてたとは思います。

石原

また、それ以降も他教科の質問などを通じて、自分の基礎の抜け漏れの多さに気づくことができましたし、応用問題を扱った参考書に無理に取り組もうとせずに、基礎の精度を高めるための演習やインプットをしようと思うことができました。これらの取り組みは受験を終えるまで続きました。

自分が受けようとする大学は共通テストに加えて時間制限の中で標準的な問題を正確に速く解くことが大事だったので、それらから逆算して、無理に難しい参考書に手を出すことをやめられたのがよかったです。

石原先生以外では、「私の医学部合格作戦」ということ細かに書かれている医学部の合格体験記も参考にしました。そこそこお金はかかりますが、有用な情報ばかりでいろいろな部分を自分に置き換えたりしてみて活用しました。

なんでもいいですから体験記はあった方がいいですね。できれば複数人同時に見て、検証や比較が可能なものがいいです。先輩や友人に、行きたい大学の志望者がいない場合は特に。

石原

⑤運動を取り入れたことにより規則的な生活を送れる日が増えた

1浪目の失敗を繰り返さないために、2浪目は週に1回ランニングと筋トレを自宅周辺で行なっていました。そのおかげか、就寝と起床の時間を一定にすることができるようになりました。

適度に運動することで勉強にも集中でき、運動中は勉強のことを忘れて、休憩をとった時と同様にメリハリのある生活を送ることができました。

2浪目の結果

この年(2022年度)の共通テストは、数学と化学が難化し、自分は600点台後半でした。全体的に理系が点数が低い年だったため、医学科にはチャンスがある点数でした。

もう少し欲しかったとは思うものの、自分の勉強がようやく間違っていない方向に向き始めたかな、と思いました。

自治医科大学医学部医学科を受験しましたが、補欠に終わり、前期の鹿児島大学医学部医学科は不合格でした。

英語と理科の基礎を固めきることができず、伸びきらなかったのが敗因でした。それに加えて、英検準1級の合格を利用でき共通テストの英語が満点になるという理由から鹿児島大学を受験しましたが、地方の医学部医学科は県外出身の受験生には面接点は低めにつける傾向がある、ということを知らずに出願してしまったのも敗因です。

面接の点数は3割しかありませんでした。鳥取大学に出願しておけば…という後悔が残りました。

2浪目は、医学部医学科を目指すのならば、特に出願先には注意すべきだと感じました。

「県内人材を確保したい」という大学側の都合は、合否判定には大きく影響してきます。特に面接の配点が大きいところは要注意です。その大学側の意図ををモノともしないような高得点を取るならばどこを受験してもいいのでしょう。ただ、共通テストで9割以上をコンスタントに取れるまでの要領の良さがない場合は、地元大学を推した方がいいでしょう。

石原

昨年度の倍率や面接の厳しさ、共テや2次の配点の違いなどを充分に考えて出願しないと、本来ならば受かりそうな方でもダメだった、となってしまうことが多々あるので事前に何通りか考えておくべきでした。

また、他の学部の志望者だと特に問題なく行われる、地方大よりもブロック大、ブロック大よりも旧帝大、といった観点で高みを目指すのではなく、医者になることを優先し、地元の国立大学に出願すべきでした。

国公立大学の中期・後期は、それぞれ山口東京理科大学の薬学部、神戸大学の理学部を受験し共に合格しました。

正直な話、後期の合格については、今年の前期と同じくらい嬉しかったです。やっと、伸びない、永遠と浪人してしまう、というループから抜け出せたかもしれないと実感できました。

自分にも来年に医学部に受かる実力が付いてきていると思うことができ、これらの合格が大きな自信に繋がりました。

3浪目の直前(後期受験後の3月)は自信を喪失するのではなく、ここまでこれてるんだから最後伸ばしきって受かって終わろう、という気持ちでマンネリ化することがあまりなく勉強することができていました。

ある意味でこの年がターニングポイントで、絶望感が底を打ち、不完全であれど、冷静に自己を判断できるようになってきたかなと思います。タコであることを自覚し、自分が対策が必要なところに集中して頭を使えたのだと思います。これは3浪目にも続きます。

石原

3浪目(明確な改善が見られた1年)

そして2浪目の終わりの3月から石原先生のドリームラーナーズを利用します。

やったのはコーチングですね。日々の学習記録、毎週末の総括、毎月の面談、毎日の質問応対が基本のプランです。

石原

加えて、最後の年は、昨年度までの地元の自習室に通うスタイルを変え、生活リズムをずっと一定にしたい、それなりに学力もついてきたから周りとの差を意識したいと考え、バスと汽車を用いて地方の小規模の予備校に通うことにしました。

この年はその予備校には医学部医学科志望が多く、周りとずっと競えていて刺激的な勉強を続けられていました。

また、2年目で模試の成績が伸びたおかげで、特待をいただくことができていたのでお金の面でも大きな負担にならなかったのもよかったです。

講師の先生方が地道にやっている地元予備校が侮れないのは、「お金をかけずに勉強場所を確保する」という点では最強かもしれない、という部分です。特に難関大志望者で、2浪目以降で、成績が伴ってきた場合には、環境の変化という意味だけでも十分検討する価値があると思います。

石原

そして最後の年に取り組んで、効果があったことを書いていきます。

①体に負荷をかけるため、週に1度ジムに通うようにした

短時間でもっと身体に負荷をかけたかったのでしっかりウェイトトレーニングができる場所に通うようになりました。そこで筋トレ、ランニングを1時間ほどこなしていました。

予備校への移動が長かったので無理やり身体を疲れさせることができました。それにより睡眠の質がかなり上がりました。このため、3浪目は不眠で苦しんだことは全くなかったです。

②生活リズムが完全に固定され、勉強量が大幅に増えた

自宅からかなり遠い予備校に通ってたので、1日の移動時間が往復で4時間かかっていました。この移動時間の拘束があるおかげで、移動中は勉強に集中でき、授業の予復習やさまざまな教科のインプットなどに取り組みました。起床も早く、実際の入試のときの生活リズムの調整もかなり楽でした。

私の場合は通学時間が長かったので上のようなスケジュールになりましたが、予備校などからあまり遠くない人でも勉強のリズムを整えるための無理のないルーティンを確立しておくと、勉強の継続のしやすさがぐっと上がると思います。

予備校へは基本的に日曜日以外に通い、日曜日は週の疲れを清算するために図書館に行き勉強量を少し落としていました。

③予備校の授業の時間を無駄にしないような授業の受け方をした

予備校に通い、授業も全て受けていました。その予備校は授業を自由に選択することができ、必要ならば出るそうでなければでない、ということも可能でしたが、私は授業という縛られた時間がほしかったので全て出ていました。

そのときに気をつけていたこととして、場合に応じて授業を自分に必要なインプットとアウトプットの時間に切り替えていたことです。

受験生3年目ともなれば、予備校の授業中にこれまでやってきている内容もでてきます。そのときには時間をなるべく有効に使えるようにその教科の参考書などを手元に置いておき、授業以上にもう少し踏み込みたい知識や周りの人と比べて弱い部分を補強しようとして、そちらの方を優先して勉強していました。

つまり、授業を聞きつつ、半分自習のような状態を授業中でも行えるようにしていました。そのため、授業のときは常に自分の頭をフル回転している状態にしていたので充実した時間を過ごすことができていました。

これも勉強のリズムを整える、ための1つの方法でした。これも勉強の方向性がそれなりに定まっていたからこそうまくいったことなので、周りの方に相談してみて、自分の状態から何をやればいいかわかってから行ったほうがいいと思います。

この「授業中の時間の使い方」はそもそもある程度力がないときついです。成績に伸び悩みがある人は、授業中は、単に話を聞くだけ、赤を引いて直すだけ、になっている場合が多いです。自分から積極的に補充・補強していく必要があります。ボンヤリしていては差がつくばかり。

石原

④石原先生への質問を通じて、自分の解釈違いや思考過程の間違いを明確にした

昨年度は後期などで合格をいただき、自信がそれなりについたものの、学力の完成からはほど遠かったので、3浪目も勉強をし続けてまた自分の弱点を潰していく地道な作業を繰り返していくしかないと考えていました。

慢心することなく、ひたすら各科目の完成を目指していく、という姿勢を貫けたことは良かったです。

今年も大事なのは基本をしっかり押さえて標準的な問題を取りこぼさないことだとずっと考えていました。基本的なことでもわからないことがかなりあったので、参考書などでつまずいた部分はためらわず質問していました。

特に英語については解釈の参考書を通して、文法の知識が全く足りてないことを痛感しましたし、質問を通すことによって自分で深く考え、色々と調べたりする時間が増えるようになりました。

それにより、質問の途中で先生に指摘してもらう前に自分で間違いに気づけることも増えていきました。じっくり取り組むことにより基本語の理解が深くなっていき、点数のブレが小さくなっていきました。

他にも、理科については自分が基本の公式やそのものを勘違いして覚えていたことが多かったため、質問することによって基礎をきちんと固め直すことができていたと思います。

応用問題も多少は解いていたのでそれらの質問で、状況の整理ができていなかったことがわかったりと自分の自習時や演習時に気をつけることが多くわかりました。

そのようなことを続けていくことで少しずつ、全体的に自分が基礎固めで得た知識が問題演習などの実戦で活きてくることを実感できるようになっていき、目標であった安定して医学部の合格ラインを取り続けることができるようになっていきました。

また、質問中は先生はかなり厳しいので1年間、手を抜けないと思いながら程よい緊張感をもって勉強に取り組むことができていました。

私はすぐに教えたりしませんし、問題文読めばわかる時は「書いてあるよ」とか言うんですよね。自分の目が節穴だと思ってない人にとっては、めっちゃ怖いと思います。

石原

⑤取り組む参考書について適切なラインを確保できた

参考書についてですが、1年を通して基礎と応用的な参考書を各教科1冊ずつ取り組んだと思います。英語は得意教科にしたかったので他教科に比べて多めに取り組みました。

授業を受けていたのでそれらと並行して取り組める分量のものが欲しく、足りない基礎の部分を補いたかったのでその要望に合致する参考書を指定していただきました。それらの参考書の問題をおおかた解き終えた時期は、私がこの時期までに仕上げておきたいという要求と一致しているものが多く、1浪目までとは違い、終わらないという誤った方向のストレスを抱えることがなかったのはよかったです。

気づきましたか? 補足の中では、具体的な参考書や問題集を提示してません。この体験記を読んだ人に、無心ですがるような勉強をさせてしまうことは彼の体験記の意図と反してしまいます。

石原

3浪目の結果

共通テスト本番では国語と社会で少しこけたものの、数英理で取りこぼしを少なくすることができたので共通テストリサーチではA判定をとれました。最後まで、演習を通して自分のミスを分析し各教科の土台をしっかり作ることを意識していたからミスを減らせたのだと思います。

自治医科大学も受験しましたが、昨年同様に一次は通過したものに、補欠でした。回ってくることはありませんでした。

そのときはかなり落ちこみ、国立大の勉強に支障が出かけていましたが、なんとか踏ん張り最後の前期試験まで継続的に勉強できていました。

前期の受験後は合格発表が近づくにつれて勉強が手につかなくなっていきました。さまざまなことを考えてしまうようになり苦しかったです。

結果として、鳥取大学医学部医学科に合格をいただくことができました。ようやく長い受験生活が終わり大学生になることができ安心しました。

終わりに

私のように何年か浪人してしまっている方や、このままでは受かりそうにない高校生は、勉強法であれ生活習慣であれ、根本を少しずつ修正していかないと、合格までの距離を全く詰めきれないです。

そして、それらのよくない癖を自覚して、修正して受かるまでにはそれ相応の時間も手間もかかります。

それを受けいれたうえで毎日の自分の行動を少しずつ変えないといけない現実と向き合うことはかなりきついです。やるしかありません。

私が石原先生とお話ししていくなかで、正しい戦略で正しく勉強していく姿勢や受験で本来の目的から逸れずに志望校に受かりきる力が身についたと思います。

もし、自身の受験勉強がまずい方向に向き始めてしまっているのではないか、と少しでも思う方は一度相談してみることをおすすめします。

また、私もこれからもずっと勉強と向き合い続けなければならないですが、受験で積んだ経験を活かしていけるように大学入学後も自分と格闘しながら、頑張っていこうと思います。

長文読解お疲れ様でした。気になる人はぜひ問い合わせてみてください。公式ページからのLINEや、twitterのDM、マシュマロ等でもご連絡をお待ちしています。LINEは通話もできて話が早いのでおすすめです!受験生・浪人生の相談は初回無料です。

石原


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