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ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』韓国社会派エンタメの最高峰!


<作品情報>

「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。第92回アカデミー賞でも外国語映画として史上初となる作品賞を受賞したほか、監督賞、脚本、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の4部門に輝くなど世界的に注目を集めた。キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。

https://eiga.com/movie/91131/

<作品評価>

85点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆ 

<短評>

上村
見た直後は微妙な感じでしたが、気づくとこの作品について考えしまっている自分がいるんです。不思議…
正直、もっとスペクタクル的などんでん返しがあるのかと思っていたので拍子抜けでした。これはネタバレ云々ばかり言う映画じゃないと思います。
まず演出力が半端ないですね。次から次へと話が展開していくのがすごく心地いいのです。飽きさせず、かつ観客を常に考えさせるというか。思考力が必要です。
撮影と美術が素晴らしい。あとショットの角度が完璧すぎます。
考えれば考えるほど全ての塩梅が絶妙で、何度もみたいと思えてきます。エンタメとしても、社会問題を扱った作品としてもパーフェクトな作品ではないでしょうか。

クマガイ
エンタメ作品の最高峰といえるのではないだろうか。
ポン・ジュノ監督作品はデビュー作『ほえる犬は噛まない』の頃からどれも秀逸なのですが、この作品は特筆して出来が良い。
「格差」をあれだけコミカルに、そして全く目が離せない展開に仕上げた監督の力量には脱帽です。
ビリー・ワイルダー監督の『サンセット大通り』や、サム・メンデス監督の『アメリカン・ビューティー』に続く、全く先の読めないエンターテインメント傑作だったと感じています。
カンヌのパルムドールだけでなく、米国アカデミー賞でも主要賞を総なめにしたのも納得の一作でした。

吉原
一般大衆に受け入れられ難い、難解で冗長な賞映画とは異なり、先の読めない展開が次々と繰り広げられるエンタメ作品なので、パルムドール作品の中でも観やすい一作なのではないでしょうか。しかし、それ故に、メッセージ性が薄いというわけではなく、エンタメの中に社会性をしっかり落とし込んでいるので、評論家にも一般の観客にも受け入れられた絶妙な塩梅の映画なのだと思います。本作はモノクロバージョンもあり、色彩による情報を排除することで、作品のより細部にまで入り込むことができるので、カラーバージョンを一度鑑賞して気に入った方にはおすすめです。

<おわりに>

 これがアカデミー賞をとったときの驚きはすごかったですよね。韓国映画の底力を感じる作品で、社会派でありながら誰にでもオススメできる楽しいエンタメ作でもあります。

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