「葉山の森や海を主なフィールドに子どもから大人まで世代・地域を越えたつながりを育む」TIDE POOL 今村さん、むろきさん
●ご挨拶と出演者紹介
三木:マインドフルマニファクチュアリングストリーミング第177回始まりました。本日はこの素晴らしい星山のゲルをお借りして、お二人に色々お話を伺っていきたいと思います。TIDE POOLの今村さんです。
今村:今村です。どうぞよろしくお願いします。
むろき:むろき優理です。
三木:寺子屋?
むろき:はい。色んなことをやっていますが、ラジオ寺子屋をやったり星山のお手伝いをしています。
三木:色々とバックグラウンドを伺っていきたいと思います。
(告知中に笑い転げてしまったMC)
今村:三木さんの笑いで緊張が解けてよかったです(笑)。
●enmonoとの出会いについて
三木:私と今村さんの最初の出会いっていうのがカマコンですか?
今村:カマコンでしたかね?材木座テラスでお会いしたのが最初かな?
三木:そうでしたっけ?その前にTIDE POOLのプレゼンをしてくれたんですよね?
今村:いやいや、僕カマコンに出たことないです。
むろき:私がカマコンに出たからかな。その記憶が混ざってるかもしれない。
今村:材木座テラスか、そこら辺の何かの会があって。
三木:鎌倉ギャザリングの。
今村:オフサイトミーティングのカマギャザ(鎌倉ギャザリング)のやつ、薄暗い中で宍戸さんが怪しげなDJをやりつつもみたいな、そこで初めてお会いした気がします。
三木:TIDE POOLの話は前から知っていて、何か面白いなって思って。その後で去年の春ぐらいに星山のほうにお邪魔したんです。
むろき:そうですね。春でした。すごい花がいっぱい咲いてて。
今村:花がもっしゃもっしゃしてるところで、「皆さん、どうしたらいいですか?」みたいなことを当時も聞いてたと思うんですけど。
三木:かなり開墾されてますよね。
今村:色んな意味で広がりが出てきました。空気も通るようになったし、本当に色んなものが変わりまして。
三木:むろきさんは初めてお会いしたのはカマコン?
むろき:カマコンかもしれないです。カマコンで私がプレゼンさせていただいた後に、富山だったり色んなところで。
三木:そうですよね。一緒に行きましたよね。結構3、4年は知ってますよね。
むろき:経ってますね。
●今村さんのバックグラウンドとTIDE POOLについて
三木:それぞれのバックグラウンドを簡単に。
宇都宮:どちらの生まれなんですか?
今村:僕は出身は埼玉県なんですが、東京に近いほうの埼玉です。
宇都宮:海がないところ。
今村:海なし県の埼玉県が出身で、大学はこの辺の関東学院大学っていう大学を卒業して、その辺からご縁がこの辺で結構あって、何だかんだで海の活動を学生の時から始めていて、ライフセービングという海で皆さん大丈夫かなって見る仕事に携わらせてもらって、それから海に感動を覚えて、それで子ども達もすごく好きだったので、海の感動とか海で得られる自分の感覚というものを子ども達にも伝えたいなっていうことがスタートで、海と子どもっていうテーマで仕事をしていきたいなと思って、それで葉山のほうに移住しまして。
宇都宮:若い頃にそういう?
今村:そうですね。もう20歳くらいの時からそういう風に思ってて。
むろき:オーストラリアにも行かれてましたよね。
今村:大学を卒業してからオーストラリアのほうに渡って、本場のライフセービングを学びたくて向こうで色々資格を取らせてもらいながら経験を積ませてもらって帰って来て、日本でそういう海の活動をやりたいなと思って。同じ島国なのにオーシャンカルチャーは全然違うので、そういうものも含めて何で日本ではこうなのかなとか色々と試行錯誤しながら、海を使った学童(保育)っていうものを今やってます。
三木:TIDE POOLってどういう意味なんですか?
今村:TIDE POOL自体は海の岩場に海が満ちて引くと水たまりみたいなのができる。あれを潮だまりって日本で言うんですが、英語でTIDE POOLっていうんです。あの中には色んな生き物が実はいて、すごく多様性があって面白いんです。
宇都宮:いそぎんちゃくとかウミウシとか。
今村:そうです。お魚もいたりとかするし、色んな生き物がいる中で1つの世界ができあがっているっていうのがすごく好きで、あとは潮だまりって結構過酷な状況だったりするんですよ。
三木:塩分の濃度がどんどん上がったり?
今村:そうそう。あと日がずっと当たってると水温が上がっちゃったり、水が少ないと干上がっちゃったり、かなり環境的には厳しいところなんです。でもその中でまた生き抜いて、さらに潮が満ちると大海原に出るチャンスがあるっていう、それが僕はすごく好きで。
宇都宮:過酷さも好きなんですね。
今村:そうです。厳しい環境をどう生き抜くかみたいなところもあるので、その生き抜いた上でタイミングを見て大海原に出てやるみたいな想いがあってTIDE POOLっていう名前にしました。
宇都宮:ぬるいと飽きちゃうんですか?
今村:そうなんですよね。僕はぬるいとからいところへ行きたくなっちゃうタイプの人間みたいです。
宇都宮:塩辛さが必要なんですね。
今村:そうなんですよ。安心感を得るとそれをちょっと放棄してしまう癖があるタイプの人間です。ちょっと危ないんですけど(笑)。
三木:何で子ども達っていうところに関心があったんですか?
むろき:自分が子どもだから(笑)?
今村:海に潜った時に「うわっっ!!すっっごいキレイ!!最高だな!!これ!!」っていう感覚を一緒に共有したかった相手が子どもだったんです。
三木:なるほど。すごいシンプルな。
今村:めっちゃシンプルですよ。
宇都宮:大人はなかなか受け取ってくれないですか?
今村:でも僕海に関わりながら気がついたことがいくつかあって、子どもの感動と大人の感動のポイントは同じだっていうことが分かったんです。だから子どもが「うわーっ」って言ってることを大人も「うわーっ」って言うんですよ。
三木:大人は忘れちゃってるんですよね。だから子どもの心を取り戻すっていう我々のzenschoolは10歳の頃を思い出してもらってそれをビジネスにするっていうのをやっていて、だから子どもの頃っていうのが非常に重要なポイントです。
宇都宮:都会にいると忘れますよね。
今村:忘れちゃいますね。蓋しちゃいがちですよね。そういうものに対して恥ずかしいとかもそうだし、仕事場で「夕日がすごいキレイです」なんて言ったら「ちょっとお前さ…」みたいな雰囲気になっちゃったりする。「お前夕日見てる暇があったら打て」みたいなことを言われてしまいそうな雰囲気もあって。でも僕オーストラリアに行って、オーストラリアの人達と一緒に仕事をしてたのもあるんですけど、そういう時間がオーストラリアの人達ってあるんですよね。
三木:いいですね。
今村:夕日がキレイだと思うと「あ~いいよね。今日の夕日は」とか言って話ができるんです。そういう感覚ってすごく大切だと思って、子どもももちろんそうですけど、大人にも同じ感動ポイントがあるっていうのが分かってるので、大人のことも今までもずっとやってたので、そういうのを一緒に楽しんで。
三木:具体的にはどういう活動をされるんですか?
今村:TIDE POOL自体は子どもを中心に学童保育をやっているので、小学校の1年生から6年生までが放課後にそれぞれの学校が終わった後にうちに来て…
三木:自然体験?
今村:まさに自然体験をしてるんですが、もちろん星山も使ったりしますし、あとは海ですね。フィールドの広さってものすごい重要だと思ってるので、解放された空間で子ども達が思いっきり走ったり、叫んだり、転がったりっていうところが彼らの気持ちをフラットに1回させるっていうのがあるし。そうすると聞く耳を持てたりとか、1回落ち着いてリセットできたりするので、そういうことを意識して自然体験を通じて心の成長も含めて展開しているところなんです。
三木:最初入って来た子と色々時間経つと変わっていきますか?
今村:ものすごく変わりますよ。すごく自分というものをしっかり持ってる子がうちは多いかなと思うし。例えば月曜日は“かたち”っていうクラスで、先生が用意してきて造形をやったりするんですけど、子ども達は意外と「え~今日はこれやりたくない。これをやりたい」みたいな、そういう逆提案をすることが結構普通なんです。
三木:「それもいいですよ」みたいな。
今村:そうそう。だからそれも逆にダメではなくてうちはいいとしてますし、彼らが何をやりたいのかっていうことを大切にしてたりするので、だから狙ってたようなことができなかったりすることも多々あるし。
三木:すごいいいなと思ったのは馬に触る体験をできるんですね。乗ったりもできるんですか?
今村:最終的には乗ったりするんですけど、“馬学び”って言って読み方は“うまなび”って言うんですけど、馬と人間との信頼関係を築いていきたいっていうプログラムで、元々は本当はイルカでやりたかったんですけど、なかなか機会がなかったので、僕の中でイルカと馬って結構イコールな存在になってるので、馬が三浦のほうでご縁があって。
三木:馬学び(うまなび)はどんな学びが?
今村:馬学び(うまなび)は基本的に本当のリアルに大きな馬を相手にしているので、怖さとか自分の勇気を持って何かをやならきゃいけないような状況って必ず出てくるんです。大人はあまりそこはタッチしないで子ども達に任せてるところがあるんですけど、まずその怖さをどういう風に自分なりに勇気を持って克服していくのかっていうのがポイントと、それ以外に言葉が通じない相手に対して自分の想いをどういう風に伝えていくのかっていうことを大切にしています。その中でできてくる子ども達のチームで、例えばリーダーシップが出てきたりとか、それをサポートする係とか、そういう人間関係の移り変わりというものを僕は確認しながら、そういうので千葉大の教育学部と一緒にそれをやっています。
三木:いいですね。子どもだけでなく大人もぜひやってもらえるとね。
今村:そうですね。すごく面白いですよね。
むろき:今年はモンゴルにも行くんですよね?
今村:そうそう。今年モンゴルなんです。
むろき:7月の終わりから8月の頭にかけて。
三木:子ども達も連れて?
今村:子ども達も連れてモンゴルに。モンゴルの大平原を馬で走ろうと。
むろき:大人も行けますよ。
三木:大人も行けますよ。
●むろきさんのバックグラウンドについて
三木:むろきさんはどの辺がピンと来て色々一緒にやるようになったんですか?
むろき:出会い的なことをお話すると、高田明子さん(NPO法人葉山環境文化デザイン集団)がやっていらっしゃる「葉山のビジョンの会」になります。
葉山って3万人ぐらいの小さな町なんですけど、住民がもっと良くしていく動きを作れないかっていうことで、毎年定期的に葉山の交通だったり食だったり色んなことをテーマを変えてシンポジウムをされていて、2016年が教育がテーマの年だったんです。そこで明子さんは私が今までラジオで寺子屋をやりながら日本をインタビューの縦断の旅とかをしているのをずっと応援してくださっていて、私が学び場を作りたいという想いを持って活動してたのを思い出してくださって、そのシンポジウムの司会を頼んでくださったんです。その時に5人の登壇者の方がいらっしゃって、TIDE POOLも含めて様々なユニークな学びの場をやってらっしゃる方々を登壇者としてお呼びしてっていうような会で、そこで初めて会いました。シンポジウムっていつも「良い話を聞いて良かったね」で終わるんですが、「実際に本当に作ってみようよ」っていう機運がその時高まっていて、シンポジウムの後も1、2ヵ月ぐらいはその時来られた方々が集まって「何か作ろう」っていう動きをしてたんですけど、皆さん忙しくて具体的に何かを作るところまではいかなかったんです。でもTIDE POOLのこの森という場を「ここをそういう場所にしていきたいね」っていうことになり、「星山で学び場を作ろう、実際に」っていうことで声がかかって。
三木:カマコンでプレゼンをした時はTIDE POOLの話でしたよね?
むろき:いや、カマコンに出た時はラジオ寺子屋です。2015年の時に出たので。カマコンでプレゼンさせていただいた時はラジオ寺子屋というプロジェクトを皆さんと一緒に作りたいと思ってプレゼンをして、その後ですね。
三木:そっか。曖昧な記憶が。共感して一緒に作っていきたいみたいな想いで?
むろき:そうですね。私がラジオ寺子屋というものをやってた時はインターネットラジオという形ですごい面白い講師の方々の講座が1ヵ月に14コマも聴けるっていう、それを配信しながらそれを聴いた人達が自分の身近なリアルな関係の中でその学んだことを実践してみることが起こってほしいなって思って、リアル寺子屋というのを47都道府県に作りたいっていうプレゼンをしたんです。そしてその場が緩やかにつながって、同じ意識を持った人達が何かあった時にはスッと手を差し伸べ合えるようなつながりがラジオというものでつながったらいいなっていうプロジェクトだったので、場を作っていただく人が増えることが目標だったんですが、そのプロジェクトは1人で頑張っちゃったもので、全国で12ヵ所にできて90人ぐらいの方が聴いてくださったんですけど、それ止まりだったんです。そういう体験を経て、実際に自分がやらないとダメかなと思って、場づくりを自分がやろうと思ってた時に、この星山という場所とつないでいただけたので、ここでそういう場を作りたいっていうことでした。
●星山プロジェクトについて
三木:ちょっと星山のことについて教えていただきたいです。
今ここにゲルがありますけど、実はこの周りが素晴らしい山の空間で、ここをどういう経緯で見つけたのか?
今村:元々私自身が学校の公教育とは違うラインでの学び場をずっと作りたいなっていう想いがありまして、本当にゆりかごから墓場までみたいな気持ちがあるんですけど、その学びの場を作りたいなと思った時に、今ある場所だとキャパシティ的に問題が出てきてしまうので、どこか広い場所がないかなと。
三木:TIDE POOLのほうはここからちょっと離れてる?
今村:そうですね。本拠地はもう少し海側のほうで活動をしてるんですけど、そこだけでは限界があるんじゃないかと思っていて、そういう学校づくりのような場所を探して、「そういうことがしたい」っていうことをずっと言ってたんです。周りの人達にも「広い場所ないかな」って言ってたら、「今村さん、山があるんだけど」っていう声をかけていただいて。それで「そこがずっと手付かずだから見てみたら?」って言われて最初見に来たら、もっしゃもっしゃの竹やぶだらけの「えっ!?ここですか?」みたいな。
三木:それがいつ頃ですか?
今村:それが2年前ぐらいです。2017年の春ぐらいにそういうお話をいただいて、もう春前なのでわっさわっさで木々が元気いっぱいの時なので、「ここか~」と思って、ただ色々かき分けて行ったら意外と広場みたいな場所があったから、「じゃあここをキレイにしてみよう」ということで始まったプロジェクトです。
三木:開墾するのも大変だと。
今村:本当ですよ。
むろき:よくできたよね。でもある意味子ども心を持ってないとこれを切り開こうって思わなかったんじゃないかなと思う。「ちょっとこれは無理でしょ」って普通だったら思う。
三木:切り開いたのは何人かの仲間と一緒に?
今村:そうですね。その時にも色んな方が関わっていただいたんです。林業の方に携わっていただいたりとかしながら、多くのボランティアの方も携わっていただきながらこの場をキレイにしていきながら今の形になっています。
三木:開墾を始めて今日までどのぐらい?1年半ぐらい?
むろき:一昨年の10月の半ばなんですよ。だから1年と数ヵ月。
三木:やっぱりそれぐらいかかるんですね。
今村:かかりますね。しばらくはまた切っても出てきてたので、でも人が入るとそういう木々がちょっとおとなしくなったり、風が通るとちょっと嫌がられる生き物の蛇とか蜂とかもササッといなくなる雰囲気もあるし、そういうところに共存があったりするのかなっていう気がします。
三木:開墾するボランティアの方はどうやって集めたんですか?
今村:SNSで募集をかけて、あとはTIDE POOLのメンバーが親子で来たりとかすごく皆さん楽しんでやっていただいてるので。
むろき:焚火、おやつが楽しいんですよ。
今村:そうそう。あとは竹を切ったりとか、キレイに整備する目的でやってますけど、火を使ったりとかっていうのもそうですけど、なかなか今やれそうでできない。
三木:焚火とかできないですもんね。
今村:そうなんですよ。そういう意味では非常に貴重な場所なのかなと思います。
三木:こちらは限定的な場所で焚火をしてもいいっていう許可をもらってるんですか?
今村:町の条例で焚火はどこでも禁止になってるんですが、ただ教育目的での使用ということで今はさせていただいてます。子ども達に火の点け方とか、火ってどうなんだよっていうことも含めて教育的な価値をつけてやっています。
三木:私もこの間体験させていただいたんですけど、焚火は久々だなと思って。なかなかできないし、みんなで焚火を作りながら輪になって対話をしながら、ちょっと鳥とか焼き芋作ったりとかそういうのが楽しいですよね。
むろき:色んなものをみんな持って来てね。
三木:大人達も楽しいという。
今村:そうなんですよ。そういうのもすごく貴重な時間だなって思うし、火を囲むとこれも大人も子どもも一緒だなという印象なんですけど、勝手にその人の役割ができてきて、木を集めて入れる人とか、ファイアーキーパーがいて、資材を持ってくる人がいて、その上に料理をキープする人がいて。
三木:そうそう。この間もそんな感じでした。
今村:それも子どもも大人も一緒で、焚火というツールってすごいなって改めて実感しました。
三木:この間は山下悠一君が焚火ナイトとかいう結構良い感じのFacebookページを作ってくれてね。
むろき:そうなんですよ。一緒にやっているので協力してくださって。
今村:Takibiギャザリング。
三木:山下君も結構ここには頻繁に?
今村:そうなんですよ。やっと来ていただきまして、すごく楽しんでいつも山を感じながら歩いてインスピレーションを受けて帰りますね。
むろき:山下さんが手掛けられてるHuman Potential Lab(ヒューマンポテンシャルラボ)っていうのが人の意識の変容を起していくバックアップをしたいというような会社なので、意識の変容っていうところが共通のキーワードだったりもするのかなと思っていて、この場所でもそういうことが起こるような色んなこともやっていきたいっていう共通点で一緒にやらせていただいています。
三木:そうなんです。我々も意識の変容なんです。ポイントは。
今村:ポイントは意識の変容ですよ。本当にそうですね。
三木:そのためにはたぶん自然という日頃触れてないものにちょっと触れることで変わりやすくなるというか、可能性を非常に感じていて我々もこちらのほうで焚火と対話会をさせていただきたいなと。
今村:自然の中に入るってたぶん日常の中ではなかなかない時間なので、自然の中の海だったり山だったり結構頻繁に行っている人達っていうのはそういう感覚を自然とやってるんですよね。だから瞑想的なところだったりとか、自分の意識を1回リセットしたりするっていうことがたぶん自然とそういう人達はできてるんでしょうね。なかなかそれが日常的にできないというところもあるし。
宇都宮:町中には公園とかあるじゃないですか。あれとは違うんですか?
今村:自然の中の感覚を知っていればそういうところでもできると思います。
宇都宮:知っていると呼び起せるという。知らなければそれが…
三木:原体験がないと呼び起せないですよね。だからその原体験をここで作ってもらう。
今村:そうですね。
宇都宮:子どもの頃に原体験があると大人になっても思い出せますけど、そうじゃないとなかなか。
むろき:大事にしたいと思っていることの1つに、例えばキャンプとかアウトドアのレジャーとかアクティビティって皆さん好きな方たくさんいらっしゃると思うし、体験を提供している場所って本当にたくさんあると思うんです。個人的にもできるし。だけどただ体験をして「あ~楽しかったね」っていうのも良いけど、そこで実際に感じたものが一体何だったのかなっていうところとか、体験を体験で終わらせなくて、自分達の次の新しい選択とかそういうものに結びついていくような落とし込みっていうのを大事にしたいなと思っているので、そういう投げかけをしてみたり、引き出しをしてみたりっていうことがこの場所ではたぶんこれからたくさん起こっていくんだろうなと思って。
宇都宮:どういう違いがあるんですか?体験するのを提供するのと、その後の引き出しとかフィードバックするというものの違いは?
むろき:それはちょっとしたメソッドを使うこともあるんですけど、例えば個人的にキャンプに行って色んな発見をしたり、感動したり、それは体験ですよね。それを今感じたことって一体何なんだろうねっていうことを誰かが投げかけてくれて、それについてちょっと考えてみたりすると…
宇都宮:対話が発生するような感じになってフィードバックがあるっていうことですね。
むろき:そうですね。さらにそれの手触りが漠然とした感覚だったのものが、「これって自分が大切にしてるこれと結びついてるからここに自分は感動したのかな」とか、この時にこの人間関係の中でちょっと嫌だなと思った。でもそれは何か投げかけがなければそれはもやっとしたまま日常にまた戻ってしまう。でもそれが「何だったの?」「どういうことかな?」っていうことを掘り下げていくと、「自分が大切にしたかったものが叶えられなかったからあの時こういう気持ちになったんだ」っていうことがちゃんと掴めたりして、そして日常で同じようなことが起きた時に、ちゃんとそれを伝えられる自分になることもできるし、たくさん体験の種は日常の中に溢れてるんだけど、それをもっと深い体験にしていくっていうことはサポートがあるとないとではすごく深まりが変わるから、そういうことがこの場所で色んなことが起きていくと思う。
三木:我々のzenschoolの卒業生のめぐちゃん(大藪めぐみさん)がこちら(星山)に来て色々と体験されましたね。
彼女も原体験があってそれを一生懸命子どもだけじゃなくて大人にも伝えようと考えてるんだけど、なかなか良い場所がないって悩んでて、「星山に行ってみたら?」って言って来たら、どハマりして。
むろき:愛知から通ってくださってるんですよね。
三木:初めて来た時どんな感じでした?彼女は。
今村:もう感動しっぱなしっていうか、「わ~~!すご~~い!」みたいな、ワクワク、キラキラ、パーンみたいなそういう感じで。
むろき:たぶんこの場にすごく興味を持ってくださったことプラスこの人間関係、何でも思ったことが言えたりとか、サポートし合えたりっていうこの相性もすごくあって、何度も来てくださるようになってるのかなと思って。
今村:コミュニケーションも今よく取らせてもらってるし。
三木:彼女のプログラムをここでやりたいみたいな話も出たり。
むろき:4月に第1回目が。
今村:やってみようと思って。
三木:我々の焚火会もお手伝いいただくということで。
今村:本当楽しみにしています。
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●今村さんにインタビューをしようと思った経緯
三木:引き続きお話を伺っていきたいと思うんですけども。
今村:逆に僕が聞いてもいいですか?今回三木さんが何で僕にインタビューをしたいと思ったのかなってすごく単純に思ってて。
三木:それは「なぜ我々は鎌倉に来たのか?」ということとか、モノづくりの時代、IT、そして心の時代になってきたと。そのためには意識を変えるこういう環境を作ろうと思った方に非常に興味があったし、今(山下)悠一君とも一緒にやってるじゃないですか。そういう活動自体に興味があったので。
今村:そうですか。
宇都宮:あとは直感ですよね。この人は面白そうという。面白そうかどうかが判断基準です。それも世間が面白いと思うかより僕らが面白いと思うかですね。
今村:そういうところなんですね。感覚的なところもすごく大切にされてるっていうことですか?
宇都宮:感覚ばっかり。
三木:感覚だけなんです。
今村:感覚ばっかりなんですか?
宇都宮:あとのほうは僕のほうで。
今村:すごいわ。
むろき:そうなんですね。
三木:Zen2.0もお金もないし人もいないし仏教のこと知らないし、感覚だけでやった。
宇都宮:和民で単に飲んで。
今村:そこから始まったんですね。
むろき:和民から国際カンファレンスが生まれたんだ。
三木:「やろう」みたいな。やろうと思ったらもうしつこいんです。色々説得して回るみたいな。
宇都宮:しつこさは大事。「GLIT」っていう本が流行ってるぐらいですから。
今村:僕最初三木さんに会った時に何を考えてるのかちょっとよく分からない。名刺交換した時も「マインドフルネスをビジネスに」っていう名刺を交換して、僕が「あ、はい、そうですか。よろしくお願いします」みたいな感じで(笑)。
宇都宮:それが第一印象?
●今村さんの心の変化
むろき:マインドフルネスっていう言葉ってすごく今聞かれるようになってるけど、実際感覚を持ってこういうことだなって分かってる人とそうでない方もいらっしゃると思うんですけど、(今村)直樹さん自身が去年の10月にウルフキャンプ(Be Wolf Camp)という濃厚なキャンプに行かれて、
1泊2日なんだけどとんでもない体験ができる、それこそマインドフルネスもキーワードになるようなプログラムを受けてすごく変化をして、そこからたぶん色んなコミュニケーションの中での聞き方とか、それは相手の言ってることをどう聞くかだけじゃなくて自分の中に起こってることをどう聞くかっていうことの変化というか体感がすごく変わってきたような気がして。
今村:そういう印象を受けてるわけですね。優理さんは。でも確かに自分の中の幅が広がった気がします。
三木:心構えの幅というか余裕が?
今村:そうですね。
宇都宮:幅って許容範囲っていう表現ですか?
今村:許容範囲っていうわけじゃなくて、自分の知っていた自分と自分の知らなかった自分というもののその広い幅を自分が知るようになって、こっち側の自分もいるし、こっち側の自分もいるし、今まではこっち側の自分でバーッと走ってただけなんですけど、こっち側の自分が走っている中でこっち側の自分ってどうなのっていうようなところに気がつくようになったっていうのは…
三木:1回のキャンプで気づくようになったんですか?
今村:それは色んな試練が僕にもありまして。
宇都宮:塩辛い感じの?
今村:塩辛い感じのものが結構ここ何年かありまして、その中で自分の中でムムムとなってたものの中で色んな気づきが…どうしてなんだろうと。
宇都宮:潮風に吹かれて干物においしい味が出てきた感じですね。
今村:うま味成分がかなり出てきた感じなんですけど。
宇都宮:最後の仕上げでそういうウルフキャンプみたいな?
今村:そうそう。そういうのがあった。
むろき:その講師の方がよく言われるのが…
三木:Zen2.0にも登壇いただいた松木さん。
むろき:松木正さんっていう方ですけど、自覚の光を当てるっていう言葉を使われていたり、周縁化されているものに自覚の光を当てて、周縁に追いやって見ないようにしていた感覚とか気持ちとかそういったものをしっかり見る、拾うっていうようなことをそのプログラムの中でもやるんですけど、周縁化されているものって日頃あまり見ないようにしているから、それが何なのかあまりクリアに見えてないんです。だから知らない自分、知っている自分っていう言い方をしたけども、知らない自分っていう言葉の中に入るものには、周縁化されてしまっていてあるんだけど何だろうなっていうことが明確じゃなかったものをちゃんと見ると、それをちゃんと扱えるようになるっていう、扱えないと自信もないし怖いしいつまでも放っておきたくなるんだけども、扱えるようになっていくとちゃんと解決していけたりするっていうことが起きた。
今村:あとは自分がいかにできないかっていうことを認識しましたね。
宇都宮:それまではできるという認識なんですか?
今村:できるっていうかやらなきゃいけないっていう気持ちもあったし、自分が得意じゃない範囲もカバーしなきゃいけないっていう気持ちはあったので、それを一生懸命何とかしなきゃって思う自分もいたんですけど、「いや、俺これできねぇや。これは無理だ」と。「これはできないんだからできる人に助けを頼もう」と思って、「すいません、できないんです」と。「僕こういうの得意じゃないんで、数字も計算も得意じゃないんです」と言い始めたら手伝ってくれる方が出て来て、そういう意味では本当にありがたくそういった言葉をちょうだいしながらやらせてもらってるんですけども、自分をさらけ出すっていうことも…
宇都宮:そういうのが周縁に追いやってた部分なんですか?
今村:そうなんですかね。
むろき:追いやってるつもりもないかもしれないけど。
宇都宮:出せない自分があったんですか?
今村:ありますよね。自分の中でそれは代表だし、そういうのはスタッフに心配かけちゃいけないとか不安にさせちゃいけないとか、変な責任を…
宇都宮:社長っていう言葉に縛られるというか…
今村:僕も社長をやったことがなかったので、どういう風にしていくかって人生大実験なので。
三木:僕もそうです。
今村:三木さんもなんだ。
三木:Zen2.0も100人ぐらいのスタッフがいて、「できません。助けてください」ということは言えるんです。
今村:そういうのを言えるか言えないかだけでも全然自分の気持ちもそうだし、周りの差し伸べてくれるようなものも違ってくるし、すごく色んな意味で生きやすくなった感じがします。
宇都宮:肩の力が抜けますよね。でも都会とかに行くといるじゃないですか?かわいそうに思えるような感じの表情がちょっとこう…
三木:カチカチなおじさま達が。
今村:本当ですよ。
宇都宮:何とかしたいんだけど言葉がちょっと見つからないっていう。「取りあえず来てよ」って感じです。
今村:そう。本当に。
むろき:一緒に飲んで。
今村:焚火もやりますから。焚火のところに来るとちょっと肩の力が抜けるという。
三木:ニュースでも大手IT会社が何千人リストラするとか、銀行が軒並み調子悪いとかあるんですけど、たぶん大人達が一番今必要としているものがここにあると思うんです。
今村:ありますよ。本当にある意味今なんですよ。この先の何かがそうなれとかじゃないし、過去のしがらみにかられて生きてるわけでもないし、今をどうやって集中して生きるかっていうことが重要だと思うから、そういうことが積み重ねて生きていくと、たぶんすごく幸せな人生もあるんじゃないかなと思うので。
●星山プロジェクトの今後について
三木:星山のこれからの活用のされ方として企業研修がメインになっていく感じですか?
今村:メインにはなっていくとは思うんですけども、別に僕は大人だけじゃないと思っているので、この周りの色んな子ども達の活動をされてる団体とかがここに来て色んな学びをしたりとか、大人も子どもも両方アプローチしていければというような場所にしたいと思います。地域の人も来てバーベキューしたりとか、そういうのもやりたいし。
むろき:企業に関わらず個人の方でも。とにかく「このステキな場所を使ってこんなことをやりたいんですけど」っていう人達のアイデアとか想いをなるべく叶うようにサポートしたいっていうのが想いなので、自分達の中に「それはちょっと無理でしょ」っていう発想がないので、「それをやるにはどうしたらいいかね」っていうことを一緒に考えて一緒に叶えていけるような場にしていきたい。
三木:いいですね。
宇都宮:塩辛い提案をくださいと
今村:それを一緒に解決しながら実現できたら面白い場所になる。
三木:僕らはずっと中小企業のオーナーに対してやってきたので、彼らが非常に心が不安な方が多いので、社長なので。
今村:不安だらけですよね。
三木:お金のこととか人のこととか。
むろき:それこそ不安っていう言葉で思うのは、私の大きな転機になったのは3.11っていうのがあって、それまでは自分がオーナーのボディーワークのサロンを構えてやってたんですけど、その後ご縁があって日本各地を旅することになり、普通だったら「いや、お金どうするの?」とか「仕事は?」とかそういう発想になるんだけど、たくさんの人達との出会いとつながりにもう喜びと感謝しかなくなって、私は自分ができることを何でもやろうって、大好きな人達との時間を大切にしたいって思ったら本当に「日本全国通勤圏内」って言いながら宮古島から九州から色んなところに行って動いてて。
三木:色んなところに行ってましたよね。ハワイも行ってましたよね。
むろき:ハワイは住んでたこともあってご縁もあるんですけど、この今持ってるお金とか時間ではここまではできるけどここまではできないっていうような発想が全くなくなり、もうとにかく「あ、いいな」と思ったことを動くっていうことをし始めてから4年ぐらい経って、その間に何も困ったことが起こらないんです。その体験から不安っていうものが全くなくなったんですよ。
三木:すごいですね。
むろき:そしてやりたいと思ったことが全部できてしまうっていう体験をしたことによって、自分がそれまでは制限をかけていた発想っていうのがなくなることで全てが満ち足りるっていう感覚、叶うか叶わないかっていうことよりも自分が満ち足りた時間を生きれるかっていうことが大事なんだなって思うと、そういう時間がずっと続いているっていうことを考えた時に、何かを失うことに対する恐怖っていうのを今それぞれ持ってると思うんだけれども、それが幻想かもしれないよっていうことは私の体験から伝えることができるなと思っていて、だからその不安を手放していけるようなマインドチェンジのお手伝いができたらいいなと思っています。
三木:素晴らしい。皆さん、ぜひその不安を手放しましょうよ。
宇都宮:不安は自分が作ってるので。
三木:僕もリストラをされて不安だらけだったんです。僕の場合は座禅とか瞑想で助けられて、全部幻想だったということに気がついて自分のビジネスをスタートしたんですけど。さっきおっしゃってた心の周辺に追いやってるものとかも僕は瞑想をずっとやってそれでそういうのが分かるようになった。「今ここを見ないようにしてるなっていう自分がいる」みたいな、「ちょっと見てみようか」とか、「これ無理っぽいからちょっと手放してみよう」とか。自然体験と瞑想って結構近いかなと思って。あるいはウルフキャンプ。
今村:そうですね。この間僕皆さん鎌倉でやられた時のあそこの空間に入ったじゃないですか。あの時入った瞬間にすごく水の中の感覚と似てたんです。あの静寂感とあの空気が止まってる感、ほわっとした雰囲気というか、しっとりとした空気感が水に潜ってる時の感じにすごい似てたんです。だからそういう共通感が僕はあるなと思っていて。
三木:みんなで座禅するとそんな感じですね。瞑想をして。
宇都宮:水の中にいて浮力がある感じ。
今村:そうそう。自分のここら辺に持っていけるというか、鼓動とか拍動が自分で感じられて、周りがボワーッとなってきてみたいな、あの感じにすごく似ていました。
●自然体験、感じる力の重要性について
三木:自然の中は感覚が開いていく感じがするんです。感覚を開いてそれをもう1回自分に向け直すとすごい深く見えるみたいな、だから自然体験って感覚器官を磨くためにすごい重要だなと思って。
今村:そうですね。感覚器官だと思いますよ。どうしても頭でみんな考えがちなんだけど、波とかも見るとドキドキするんですよ。ドキドキするって別に頭で考えてないわけですよ。ドキドキするだけなんです。おおって思う。こっち(心)なんです。だからそういう感覚も思考じゃなくてこっち(心)で感じてるっていうところがあるから、拍動とそういった気持ちがリンクしているっていうのがすごく分かるし。
三木:それが東京に行くと急に全部センサーを閉じないとすごいいっぱい入って来るので、だから東京で働くのはあまり良くないなと思って。
宇都宮:満員電車だとガードしますよね。
今村:完全にガードですよね。
宇都宮:あそこでオープンにすると死んじゃいますよね。
今村:見えないシェルターが全部イスに座ってありますよね。
むろき:みんなスマホで自分の世界に入るみたいな。
三木:感覚を閉じてるから良いアイデアもイノベーションも起きないと思うんです。そういう感覚を研ぎ澄ました上で…
宇都宮:ほぐしが必要ですよね。
むろき:私も満員電車の中である時すごい感じたことがあって、中刷り広告とかいっぱいの情報が見てなくても降り注いでいるんです。色んな意図が。そういう意図のある情報が都会はものすごく多いから、ちょっとその時気分が悪くなったんです。何だろうと思ったら、これだけたくさんの「こうしろ」「これ買え」「あれをするんだ」「これが間違ってる」とかそういうのがいっぱいエネルギーとしてあるのが都会で、自然の中に入ると周りの存在物がそういう意図を持ってないんです。だから自分を開くことができるけど、ああいう中では閉じておかないと本当に具合が悪くなるって思いました。
三木:(都会で働いてる)おじさま達はこっちに来て感覚を開く必要があると思います。
今村:ありますね。
宇都宮:ほぐし期間が必要ですよね。柔軟体操みたいな。筋を痛めちゃう。肉離れとか。
今村:ちょっとずつほぐしていかないといけないですね。
宇都宮:心の肉離れが。
今村:本当ですね。心の肉離れ。新しい。
宇都宮:子どもの頃を思い出しても体がついてこないので。
今村:本当ですよね。たぶんイキイキとするだろうし、表情も変わるだろうし、表情も皆さんほぐれますよね。
三木:ここで対話するとね。ゲル空間で。
今村:そうそう。このゲルも丸みがあって本当に落ち着くので。
今村:去年の夏ぐらいにゲルがモンゴルから運ばれてきまして。
三木:建てるの大変だったでしょ?
今村:モンゴルの留学生が日本にいるのでその留学生を呼んで建ててもらいつつ学んで、台風も大きいのが来たので、「ヤバい!!」って言って1回畳んで、それからもう1回建て直してって感じです。基本的にテントでモバイルハウスなので可能なんです。
三木:全然寒くないですね。快適ですね。
今村:快適ですよ。もうここに住めますからね。住んじゃいけないんですけど(笑)。
三木:皆さん、ここで対話会をやりますので。
対話会の模様
今村:皆さん、丸みを帯びたこの中で話をすると本当落ち着きます。
三木:夕方ぐらいから焚火をして鳥を焼きながらぷしゅーとかやって(酒を)飲みながら焚火を囲み、良い時間になったら消火して後はこの中で…
今村:ゆっくりと。
むろき:枕投げをすると。
三木:枕投げをしながら対話をして、自らを見つめる時間を持ちませんか?
今村:良い時間になると思いますよ。間違いなく。最高だと思います。
三木:ありがとうございます。受け入れていただいて。
●今村さん、むろきさんの考える「日本の○○の未来」に対する想いについて
三木:お二人にとっての「日本の○○の未来」みたいな、○○は自分で決めてもらっていいです。教育でもいいですし、自然でもいいですし、こうなったらいいなみたいな想いがあったらちょっと語っていただきたい。日本でもいいし世界でもいいですけど。
宇都宮:どういう未来だといいかなとか、どういう未来になりそうとか。
今村:そうですね…未来か…
三木:星山の未来。
宇都宮:未来がないと言ってもいいですし。
今村:僕は今つい笑っちゃったのは、想像不能な未来。
宇都宮:自分がイメージできないようなのが未来みたいな?
今村:色んな未来ってあるけど、30年後、50年後とかって分かんない(笑)。分かんないところがあるし、だから想像不能な未来。
宇都宮:そういうのが好ましいっていう感じ?
今村:こうなってほしいっていうのはあるかもしれないですけど、でもこれは僕のあくまで主観なので、全く想像がつかない未来。
三木:それがいいみたいな?運命に乗っていくというか、波に乗っていく?
今村:そうです。「いくら備えたって分かりませんよ、そんなの」みたいな。
三木:そうですよ?おじさん。(続いて)むろきさん。
むろき:「日本の世界の○○の未来」っていう言葉に当てはまるかどうか分からないけど、自分の中のキーワードに「あり方」っていうキーワードがあるんです。○○をしている自分ということはDoingの部分なのであり方とは違って、何をしてても何を選んでもいいんだけど、それを選んでいる自分の「あり方」っていうものにもう少しスポットライトが当たっていって、自分というものを本当に受け入れて、それを受け入れることができたら他者を受け入れることもできるだろうから、まずは自分というものの「あり方」を満ちさせていくというか、そういう意識の人達が増える未来というのをすごく望んでいる。
三木:そうなります。僕らがします。一緒にしましょう。
今村:していきましょう。
むろき:一緒にしていきましょう。
宇都宮:ただある存在ということですか?
むろき:そう。それがすごく豊かであるっていうことに気づけるかっていうところかなと。世の中に色んな問題意識を持ってらっしゃる方がたくさんいて、それはいいんですけど、受け入れられないものがあったりするっていうのはたぶん自分の中の何かを受け入れられてないから、それが反応するんだと思うんです。だから自分をまるっと受け入れていたら、きっと世界はもうまるっとなるんじゃないかなと思っています。
三木:本日は豊かな会話をどうもありがとうございました。皆さん星山でお待ちしておりますので。
今村:お待ちしてますよ。
むろき:お待ちしてます。
最後、星山の景色を御覧ください。
対談動画
今村直樹さん
むろき優理さん
:⇒https://www.facebook.com/yuri.anoano
WEBSITE
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