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麻酔と現代詩

私ですね
動画を渡り歩いていたら
麻酔 に関する動画に行き当たる
手術前 多分 白い鎮静剤
(プロコフォール?)を点滴の分岐
から注入されると 今まで笑って
たのが ふっと顔がダレて止まる
たいてい薄目を開けたままで
これは仮死なんだろうけれど
あ これは仮死だ と思った
言い換えると
極めて死に近い光景だと
人の仮の死にざまを立て続けに
みて これは相当にやばい
と一人で固まっていたんですね

けれども 見ても見飽きない
何だか淫靡なものに見えてくる
エロスとタナトスは表裏と言われるが
見ているうちに混然としてきた
おそらく 顔面を整形する前
何処を切開するか 目印の線が
目やまゆのあたりにいくつも引かれて
すっ と白眼がちに意識を失う
医師がひらひら目に手をかざして
麻酔を確認するさまは
死人にも同様に行われているのかも
しれない
麻酔胃カメラを経験したことがあるが
その間の感覚がまったくの無なので
驚きを越えて感動したことがある
意識が切断されたのだ
眠り とは全くの別体験だった

意識が完全に切断され
顔から筋力が失われて弛緩すると
なんというか 尊厳のない顔に
なるんだなと思った 寝顔とは明らかに
違う この世から逃れた顔
安らかとは言えないかな
人間であることがはぎとられたような
なんとも間の抜けた

たとえば
とても大切な存在のそのような顔
を見せられたらまず先に
間抜けな顔だな
と感情が先立つような気がする
父の死に目に会えなかったが
ベッドの父はすでに眠ったように
顔を整えられていた
そしてすぐさま帰宅した
そのすぐ後に葬儀場に送られた

この感情を現代詩風にするとどうなるかですね

*

樹々の梢に
    重ねられて、線
、表情は  切断された 白い雪の
  ならば<白雪姫>   の眠りは----

   まゆと 目まわりに 幾条か線となり
エロスの血流を
  切断する、、、、

死は固く 表情に滞る のではなく
 雨め
 編めよ
弛緩したその表情へ  子午線を!

  (タナトスの隣にある快愉を
  (エロスの彼方にある慄然を

意識を失った彼女の裸体に差し込まれる
金属やポリマーが脂肪とわずかな血液に
油彩と彩られ美の前段の儀式はしずかに
進むバックに低く中世リュート曲が流れ
ステンレスの上に今一つの水盤が保たれ
彼女の嫌った表情筋のわずかな繊維らが
孵化したての稚魚のような不定の動きを

*

真似が下手だからまったく伝わらないですね





現代詩
レトリック 技巧重視 言語芸術志向


現代の詩
詩人辻和人氏提唱 現代人の内面
生活を活写する 手法は自由


自由詩・詩
人の普遍的な感情などの抒情
技巧より内容重視


ポエム
感情最重視 恋 自然などをうたう
語彙が似がち


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