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詩についての詩のようなもの

思う存分ご執筆を と言い残して妻が出かけた
ところが別段何があるでも心の中は虚ろだしね 唐突
抒情詩の構造について
〇〇 は ×× のなかで ■■ を帯びて
AA が BB の CC となった
00 は 22の 99へ変わり
△△が 「「 の >> と流れた

こんな形に単語と動詞を並べていくとそれらしく
なる さらにそこに
直喩 のような
暗喩 海は白紙だ
のといったレトリックを加えれば詩らしきものが
出来上がる ここで 一つ工夫するなら
単語はできるだけ見慣れないもの
暗喩は大胆に言い切って
レトリックはできるだけ文法すれすれ
アクロバットで
そうすることにより詩らしきものはより本格的
な詩らしきものになっていく
今書いて思いついたが 動詞を二つつなげる
のもよく使われる
のめり 込んで ゆく    みたいな形
それから対象物をわざとぼやかす
あたらしくうまれたやわらかいもの   が
といった具合に
こういう構造と考えて詩と呼ばれるものを読ん
でいくと
(ここも本来 読むと でいいのだが
リズムを考え動詞を重ねた) 何を書こうとされて
いるのかおぼろげながらわかってくる
それは冬の厳しさだったり 自らの孤独や満
たされない思い とりわけ恋愛 だったり
性の交歓についてだったり 老い や 死に
ついてだったりする
私が詩のようなもの と言っているのは詩の
本質がよくわかっていないからであり 詩では
ないと否定しているわけではないので念のため
では今までの論考に準拠すれば詩がかける
かと言えば書ける 書いて 詩を書いた と
胸を張るだけだ
ただし ストレートに心情を吐露すると詩の値
踏みとしては低く見られる さらに 月並みな
誰でも思いつく直喩などを多用すると 的外れ
な暗喩と 文法ミスにしか見えないレトリック
を下手に繰り出すと 価値がダダ下がりして
みられてしまう べつに気にすることはないけれど
ならば
逆を考えてみればいいとはおそらく誰もが
思いつく 詩らしさを構成するいくつかの要素
を排除して詩のような物を書くとどうなるか
高校では「実用文」なるものを教えている
らしいがたとえばそのような文を倣うとどうな
るか あるいはその文を 引用 して詩のような
行が分離した形式に書き換えてみたらどうな

とか そんなこと考えながら日々日常を過ごして
いるのだが気楽と言えば気楽でややこしいと
言えば本当にややこしく 以前はそこに
業務上の様々 納期 監督 処理 難題
数値 関係 交渉 謝罪 要求 指示 命令
遵守 交通 譲歩 思惑 腹芸 不倫(これは
)があったわけで 多忙なことこの上ない
かと思えばそうでもなく どちらかと言えば
記述に関する考えを常に持てるほど余裕が
あったともいえないこともないわけで
それらの日々が懐かしいと言えば懐かしい

通読しておもったがぼやかせる 抽象化する              というのは詩の大きな要素の一つかと思った              ならば                               その逆を行くものを 試みたらどうだろう                とはおそらく誰もが
思いつくか

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