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波乱含みの

特筆すべきこともなく日々が過ぎて春が近づく
晴れて風の強い春先は南寄りの風ならばほのか
に好きだ 試験が終わってあとは卒業と進学
そんなほっとしたような気持ちと新生活の期待
不安をないまぜに などと何をありきたりを言って
いるのか このところ何度か車に乗って遠出と
まで行かない外出を何度かしたが 作物のうわ
っていない畑から立ち上る土ぼこりの中を走って
落花生畑が広がる千葉県八街での外回りを
思い出した 通称やち埃という土嵐がこの時期
頻繁に出現して停めた車も洗濯物もみんな土
まみれになってしまう 家にも当然細かい土が
吹き付けられてざらざらと薄くコーティングされ
それが積み重なるとそのうちに土の層が剥がれ
落ちる その音が時にどさっ どさっと響くのが
あの地域での春の風物詩となる というのは嘘

虚実ないまぜ 強い風は北風だから冷たくて
しかしおそらく北が土手になっているのだろう
ホソの水際にまで風が届かない ひと月前に
ここへ来た時は東風だったのか 雑木林のほう
から吹き向かって来てろくすっぽ釣りにならなか
った 今回は釣りにはなっているが水が冷たくて
活性が低いうえにいつもの場所に先客がいて
更に無理に連れてきた妻と娘が土手の上で凍
えているから気がうわずってやはりろくな釣りに
ならなかった もう少し先にならないと快く釣りが
楽しめない 半ば家から引きはがすように連れて
きた娘はただでさえの無口に磨きがかかり とき
おり単語を短く発してそれ以外は楽しいのかつ
まらないのか怒っているのか放心しているのか
無表情でわからない マスクをして妻と並ぶと
目と眉毛が同様の形象になっている それは
妻の父 義父に連なる形だと思う そこに娘の
めはわずかに私のぼおっとした目が重なる

始めたころからのnote友 エイチさんから 今の
株高についてどう思うかというご質問を頂いた

半導体で上げている相場かと思います AI関連の盛り上がりですね  三月にいったん少し下げて 年末に41000円くらいかと見ています  その間 二回ぐらい1000円以上下げる局面があるかと思います そこで配当狙いの銘柄に投資したいと思っています 2025年までは順調 そのあと何年か低迷すると見ています そのときに高配当銘柄が生きてきます  しかしながら予想というのはまず当たりませんので というかむしろ逆を行きますので自分の考えにこだわるのが一番危険なんだと投資二十年を経てつくづく思います 相場は歴史を繰り返し 歴史も歴史を繰り返すものと思います 学ばないのが人間 などと・・・

と答えてから こういう即物的なことではなく
何か哲学的に 現象としてどう見ているのかと
いうもっと高次な質問なのではないかと思えて
きたが そのまま受け取る というのが私という
単純 直情の性質の人間だから一つ考えを浮
かそうとしたもののすぐさまやめた

相場の仕事のだいたいは待つことだと思う 買
ったら待つ それが値を上げるまで待つ 値を
下げたら値が上がるまで待つ 三十数年ぶり
に最高値を更新した日経平均もそれだけの時間
がかかったが待つことで報われた 生きている
間には高値は超えないと思っていたのに もっと
言えば 生き続けることが仕事だ それだけで
だから相場で暮らすというのは死なないことだと
相場師の尾崎是定は言った そもそもこの世に
はいないので相場師でもないそんな人 それら
しく苗字と言葉を合わせてみた

そういえばひととき現代詩界隈で 引用 が爆発
的に流行ったことがあった 「」や<>に引用する
文句を入れて 私はあれが人の力を借りるよう
でいやだった 誰もかれもが安易にそれに乗る
のも嫌だった あれは一つには現代詩のキメ
のフレーズ偏重から来ているのかもしれないと
思った 全体像はどうであれ一行戦慄すべき
詩句が含まれていれば凄い という それは
戦後詩的な態度に思われる というのもすべて
読み得た物からの借用に基づく思い至りで そ
う言えばやたらに  / とか記号を使うのも流行っ
た そうだった/そうではなかった といった
感じで 重層性を持たせたかったのだろうか
その当時はそれが新鮮に見えた そういったも
のは後から見て気恥ずかしくなりがちかもしれ
ない もっとものめり込んでいれば恥ずかしさなど
感じない

いずれにしても何らかの流れの中にいるのは
確かで その流れの正体はあとからわかるかも
しれない/わからないかもしれない 流れにさか
らっていい事はあまりない 日経平均の上げに
懐疑をもって空売りでまたじりじりと焼かれている
恩恵にあずかれていない 希望的観測含めて
来週あたりから波乱含みの展開を予想している


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