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世界歴史を変えた食材

以前フィッシュ&チップスの魚に関する物語を紹介しましたが、今回はもう片方のじゃがいもに関する昔話をします。

今ではじゃがいもが恐らく最も多い一般的な食材ですが、実は欧州そして全世界の歴史にも非常に重要な役割を持っています。じゃがいもは世界を変えた食材と言っても過言ではありません。

じゃがいもの原産地はアメリカ大陸、大昔から原住民は食用しています、しかもじゃかいもを神のように崇拝しています。新大陸が発見されてから、スペイン人も食べるようになりました。じゃがいもが長期保存できるため、長期航海にはぴったりです。

しかし、当時一般の欧州人はじゃがいもをあまり食べなかった、見たことがないのは最もな理由ですが、じゃがいもが食べられる部分は地下に埋められているため、悪魔のりんごと言われていました。

食べるようになったのも戦争の影響で、戦争が起きると軍隊が食糧を確保するためによく農民から徴収(強奪)します、小麦など地上見ればわかるような食糧がすぐ奪われてしまいますが、見たことのないじゃがいも、しかも地上部分葉っぱしかないため、よく残されていました。

またスペインがアメリカ大陸から大量なじゃがいもを輸入し、当時のオランダ、フランス北部は全てスペインの勢力範囲のため、一気に欧州北部に普及させました。当時の欧州北部は今と真っ逆で非常に貧しかった、地中海沿岸こそ最も裕福な地域です。今のスペイン、ギリシャ、イタリアの料理が美味しいのに、イギリス、ドイツがあまり評価できないのも歴史上貧しかったため、豪華な料理を作る伝統と条件がありませんでした。

イギリスを含むアルプス山脈より北の地域、気候は寒く湿気が高いため農作物がほとんど育たない。そのため、中世紀の欧州北部の市民は食べるのに精一杯になっていました。

じゃがいもの出現により世界が一変しました。寒冷地域でも育てるし、長期保存もできます、一番いいのは満腹しやすい。17世紀オランダから欧州の北部に普及し、食糧問題が解決できました。イギリス、フランス、ドイツどれもこの時期から少しずつ発展してきました。

工業革命時代、機械を操縦する労働者の仕事量が多く、肉も高価な食材で普通には買えません、最も適したのはじゃがいも。それに北海の漁業開発により、魚とじゃがいものセットが最も労働者に歓迎されていました、低価格の上カロリーも高く、本日になってフィッシュ&チップスはイギリスの国民料理までとなっています。

イギリスのフィッシュ&チップスは新聞紙包まれて販売されているところがありますが、これも工業革命時代からの伝統です。

実は欧州のみならず、古代中国においてじゃがいもの影響も非常に大きいです。中国人口が世界一位、この記録が最近のものではなく、数千年間ずっと続いてきました。それでも人口の爆発時期がありました、それは明王朝末清王朝の初期、つまりじゃがいもが伝来した時期です。

当時の世界覇者スペインがアメリカ大陸からじゃがいもを世界中に普及させ、アジアの拠点はフィリピンです(スペインの植民地)、当地の華僑はじゃがいもを中国大陸に持込、福建省から一気に全国まで普及させました。もし20年早めに普及できでいれば、明王朝最後の農民一揆も起きないでしょう、王朝自体ももう少し長くなるかもしれません。

これに対して、清王朝において大きな農民一揆が発生しなかったのはじゃがいもの大量普及にあります。古代中国の人口上限は6000万人、漢王朝も唐王朝もこれ以上になると必ず戦争が起き(食糧足りない)、再び人口が減ります。しかし、清王朝になると、人口が1億、2億、3億、4億まで急速に伸びたのはじゃがいもの力です。


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