モバイルアプリのデータ分析プラットフォーム「Sensor Tower」は4月の中国モバイルゲームメーカーの世界App StoreとGoogle Playの収入ランキングを発表した。
統計によると、今期、中国のモバイルゲームメーカー39社が世界のモバイルゲーム発行会社収入ランキングTOP100にランクインし、売上高は22億8000万ドルを超え、世界TOP100メーカーの収入の39.5%を占めた。

テンセントは相変わらず安定の中国で最も儲けているモバイルゲーム会社となり、再び首位をキープしネットイース（荒野行動の開発会社）が2位となった。
「原神」で大ヒットしたmiHoYoは今回予想外に順位を下げて5位にランクイン。

miHoYo
上海市に本拠を置くソーシャルゲームの開発、運営を手がける企業。正式名称は上海米哈游網絡科技股份有限公司。
世界で2000万人以上のユーザーを獲得した崩壊学園を開発・運営していることで知られている。2015年には東京都に日本支社を開設。

原神
miHoYoによって開発および運営されるオンラインゲーム。
 内容は基本プレイ無料スタイルのオープンワールド型アクションRPGで、アニメのようなハイクオリティーの3Dグラフィックが特徴。テイルズシリーズに若干似ている印象。

また、「YOOZOO Games(游族網絡)」が19位、「パーフェクト ワールド(完美世界)」が25位にランクイン。
このレポートはパブリッシャーの収益のみ集計しており、中国地域のサードパーティ製Androidチャネルは含まれていないことに注意。

特筆すべきは、リリス(莉莉丝)傘下の戦争を題材にしたSLGモバイルゲーム「Warpath」の収益が前月比62%増加し、4月の売上高が1000万ドルを超えたことだ。
中国モバイルゲーム会社のグローバル収益ランキングテンセントがトップ、miHoYoは5位に転落し、今回の統計でリリスの収益は前月比18%増収となり、中国モバイルゲームのパブリッシャー収益ランキングの上位3位に戻り、世界パブリッシャー収益ランキングの8位にランクインした。

また、沐瞳科技(ByteDance子会社)傘下のMOBAモバイルゲーム「モバイルレジェンド：Bang Bang」とRPGモバイルゲーム「モバイルレジェンド：Adventure」の今期の収益はいずれも大幅に増加し、パブリッシャーの収益は前月比38%増加。

Sensor Towerによると、Bilibiliは4月末に韓国を風靡したピクセル風RPGスマホゲーム『Guardian Tales(坎特伯雷公主与骑士唤醒冠军之剑的奇幻冒险)』を発売。
発売から4日後、同ゲームは中国のiPhoneダウンロードランキングで2度トップに立ち、収入は前月比117%増となり、中国のスマートフォン向けゲームパブリッシャー収益ランキングで34位にランクインした。

このほか、2021年4月の中国App Storeスマホゲームの収入トップ3は、「王者栄耀(Honor of Kings)」、「Game for Peace(和平精英)」、「Fantasy Westward Journey (梦幻西游)」の順だった。
中国モバイルゲーム会社の世界収入ランキングテンセントがトップ、米哈游は5位に転落。​

テンセントの最大の収益源はゲーム事業であり、一般的に想像する996(9時から21時を週6日間）や007(24時間7日間)の働き方の典型例。日本ではこの所謂ブラックな労働環境で必ず叩かれてしまうが、テンセントのゲーム開発のエンジニアはインセンティブが魅力的で大ヒットすれば数ヶ月、うまくいけば数年分の給与分の報酬額を一気に獲得することができる。アメとムチの使い分けがしっかりされている企業の印象がある。
テンセントゲームで勤務する中国の知人も休みがないことを嘆く一方、一括千金を狙ったり、その後のキャリアに繋げるための踏み台にしているとは言っているが、まさにチャイニーズドリームが詰まった会社である。
一方、中国社会では中高生にもスマホが普及した関係上勉強せずにゲームにハマってしまう負の影響が生じてしまっている。私自身も元々根っからのゲーマーで授業が終われば家に帰ってすぐにゲームと向き合っていた時期が何年も続いていたので気持ちはわからんではないが、科挙の文化を背景を持つ中国では大学受験への悪影響で、厳しい競争環境で勝ち残るための足かせとなってしまっている。
そのため未成年に対してゲームの使用時間の制限を掛けて対策を行っている。しかし、「上に政策あり、下に対策あり」の国民性を持つ中国ではイタチごっこのようにあの手この手でルールの穴を見つけてはゲームに時間を注いでいることが予想される。