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エッセイ:大ちゃんは○○である74

簡潔に言うならば恋心の暴走だった。
クラスの中で最年少だった男の子が、
同じクラスの既婚女性に恋してしまい、
一悶着が起きてしまったのだ。
当時の彼は女性とお付き合いをした経験が一度もなかったらしく、
「あんなに優しく自分と接してくれた女性は今までいなかった。」
と言っていたのを思い出す。
人を好きになるのに理屈なんてないし、
好きになってしまう気持ちは責められるものでもないと思うが、
恋は相手ありきのものであって相手が迷惑しているのに
自分の気持ちばかりを押しつけているとなると話は違ってくる。
ましてや相手は既婚女性。
最初のうちは授業内容の会話だったり、
休憩時間の他愛ない会話を楽しんでいたようだったが、
メールアドレス交換をしたのをきっかけに、
彼のメールでの求愛が徐々に度を超す内容のものになっていったようだ。
終いには既婚女性の方は完全に彼を拒絶するようになり、
その態度たるや何も知らなかった僕たち周りの人間でさえ
二人の異変に気づくようになってしまった。
既婚女性はご主人にまで相談をして、
当事者3人での話し合いの時間まで持たれたということだったから
よっぽどのことだったのだろう。

つづく

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