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(アカウンティング⑪)アカウンティング×デザイン ~会計からのブランディング

デザインの章の「(デザイン⑭ 最終章)会計におけるデザイン ~デザインの役割」でふれた “会計からのブランディング” を、改めてここでもふれることに。内容は全く同じです。

私はこの数年、「どのようにすれば気づきを行動に移すことができるのか」について研究してきた。「気づいたことを行動に移すことができるならば、社会はよりよくなる」という信念のもと研究をしてきた。

2016年、あるアーティストの言葉から研究テーマの答えが突然顕れた。答えは、「安心安全があれば」
続いて、「何があれば安心安全になれるのか」について研究をした。答えは、「共感と信頼がそこにあれば」。
さらに、「どうすれば共感や信頼を得られるか」について研究を続けた。答えは、「共感は美しさから、信頼は正しさから得られる」。

そう、イルミネートで示した “正しさと美しさ” は、この研究からきている。

「経営における美しさや正しさをどう表すか。」

経営における美しさは、理想とする “目的” や会社の “存在価値”、そして理念やミッションの “言葉” の中にある。主観的な想いの中に、美しさはある。
対して、経営における正しさは、 “結果(業績)” が正しいかではなく、理念やミッションに基づいた正しい “経営活動(行動)” をしているかにある。この正しさを客観的な情報から示せると考える。

しかし、理念やミッションに基づいた経営活動をしてきたかどうかという行動の正しさを、会社は示さない。会社が示すのは、正しさを示さない会計情報。

デザインからみた会計の問題でもふれたが、示される会計情報からは信用は生まれない。どうすれば行動の正しさを示せるかについて思索した。

私たちは美しい言葉に共感し、正しい行動に信頼をおく。正しい行動とは、美しい言葉を実現するために行動したこと
従来のブランディングは美しい言葉で表現していたが、「美しい言葉の実現に向けて、実行していること(正しい行動)を示すことができれば、ブランディングを強化できるのではないか」と気づいた。

「正しい行動(実現に向けて、実行していること)を何で示すか」と考えた時に浮かんだのが、会計だった。会計は会社の経営を表したもので、本来は正しく示さなければならない。しかし実際は、不正や粉飾などが起きているように、正しく示されていない。

会計とは、本来会社の正しさを示すツールである。会計の語源を遡っていく中で、“計” という漢字には、「言を正確にする」という意味があることを知った。
「言を正確にする」、この言葉から「言ったこと(目的・理念など)を正しく行動する」という意味に受けとめて、正しさをみることを “会計視点” と呼ぶことにした。

「美しい目的の実現性と理念やミッションの実行性を会計視点でみせる」、これがブランディングになる。ブランディングという言葉に意識が向くと、今まで気づかなかったことがみえてきた。

価値の評価が、ブランディングにつながっている。数字で会社の価値を評価してきたから、不正や粉飾などが起きてきた。不正や粉飾などが起きないようにするためにも、数字だけではない抽象的な指標(美しさと正しさ)での評価を通して、会社の価値とは何かを問い直す必要がある。

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