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(デザイン⑦)意味づくりとしてのデザイン ~その他の視点

更にいろいろ探究を進めていくと、私の考えるデザインの概念が立体的になって顕れ出した。センスメイキングという新しい視点に加え、三つの視点(文化人類学/自然・生物・進化/東洋思想)を組み合わせたことでより立体的になった。

この三つの視点は、20世紀のビジネスでは全くといっていい程重視されなかった。それは恐らく、学問としては面白くても学んだ学問を活かす場がどこにもなかったからだと思う。私自身大学に進学する時、一番得意な数学か一番好きな歴史(考古学)かで悩み、卒業後の進路(就職)のことを考えて数学を専攻した。

しかし近年、新しいマネジメントの事例などで、三つの視点などについて目にするようになった。デザインファームなどでも、文化人類学者や歴史学者、芸術家などビジネスとは関係なかった人たちがコンサルティングを一緒にしている話を耳にする。

「なぜ、マネジメントとは関係ない学問がデザイン思考に求められるようになったのか。」

今までふれてきた “西洋思考だけのマネジメントの限界” や “目に見えない情報をどう感じて観るか” などのマネジメントの課題から、答えを導く学問よりも問いや意味を探究する学問が求められるようになったからだと考える。このことについては、多くの人が指摘している。

今多くの問題が私たちの周りで起こっている、これからも起きていく。しかし、目の前に起こっている問題の解決策の答えが見つからず、答え探しをしている。問題を解決した時には新しい問題が見つかり新しい答えを探すという、終わりのない答え探しをし続けている。

このことに違和感を覚えた人たちは、あることに気づいた。終わりのある答えが見つからないのは、本質的な問題がみえていないからだと。そこで問題を問い直すことの重要性から、問いや意味を探究する学問が求められるようになった。

問いや意味を探ることが、現代社会やビジネスにおける問題を解決できる有効なアプローチになっていった

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