神様

昔から、辛いこと、嫌なことは時間が浄化してくれる体質だった。

毎回毎回、辛い思いをして、

今回こそは立ち直れないと思っても、


気づけば友達と馬鹿なことをして、

腹を抱えて笑っている自分がいる。

幸せなことかもしれない。


この失恋だって、親友を失うものだった。


人生において3本の指に入るほどつらいものであることは間違いない。


でも、


いやだ。忘れたくない。


ずっと辛いままでいい。 

あいつとのいい思い出も、楽しい思い出も、

悲しい思い出も、涙も、

全て俺のアクセサリーになる。



一生背負い続けたい悲しみだって、

ひとつくらいあってもいいだろう。


心の傷は、時に人に儚さを感じさせ、


だからこそ、人の美しさを際立たせる。



神様はなんて皮肉な生き物をお造りになったのだろう。


神様、あなたが造ったとある人間は、

残酷なアイロニーに屈することなく、


明日からも生きていくよ。



だから、本当のおねがいだよ。


他に何も求めない。

あいつのそばに居させてくれ。

いつか俺の心ににまた光を拝ませてくれ。




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