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観光旅行は絶好のお仕事日和 〜東海道編 後編〜

早いもので、もう9月も半ばを過ぎてしまったが、皆様はいかがお過ごしであろうか。
このドタバタ弥次喜多珍道中も長文にも関わらず、お読みいただいている方に心からお礼申し上げたいと思う。中身についてであるが、筆者が本職の風景写真を載せるばかりでなく記念写真や記録写真などを織り交ぜた紀行文として捉えていただけると幸いである。

さてさて、清水に至るまでの東海道中で悪天候に見舞われたのと、食い道楽が空振りしたのが原因でテンション低めの2人であるが、それは2日目の朝を迎えると朝食が期待に変わる。
さあ、いざ焼津へ行こうではないか。

静岡市内では、こんな所にも徳川家のゆかりある地をアピール。

焼津には9時頃に到着。目指すは漁港めしが食べられる所へ!
「ここの焼津さかなセンターがいいんじゃね?」
OK!丼ものを食べられるお店もたくさんある事だし。行こう!

まいった。悩ましい。どこのお店を見ても美味しそう。
2人で探すものの、結局自分たちの時間ギリギリになって得られた処でマグロとカツオを合成に載せた丼をいただいた。
何てったって産地直送、生きの良さが違う。

何ということでしょう!
今まで叩きじゃなかったら食べられないと思っていたカツオがマグロより美味しい!!
最後にお味噌汁を啜ってお会計をすると、店主にご挨拶をして外に出た。
さぁー、美味しい朝食で元気になった2人は、東海道を直走る。
(キャッシュな弥次喜多ですみません汗)

静岡県は意外と広かった。
そこで、道の駅で小休憩。
さすがお茶の産地である。美味しい掛川茶がタダで飲める。
有難く「掛川で一杯」と風情に浸る。

そうして国道に戻るのであるが、昼ご飯に予定している所に間に合うか、結構じーなはドキドキしていた。
しかし、その心境を更に崖から落っことすかのように

「掛川城がある!行こうぜー!(来た来た、城マニア)」

結構、立派なお城で驚いた。
中も保存状態が良い。
日本の建築の良い所に浸れて良かった。
和の静寂を感じる。

掛川城は趣を楽しめて良かった。しかし時間の余裕がない。
いいよなー、純粋に楽しめる人は。
ツアコンはハラハラしてそれどころではなかった。(仕事用の写真だけは撮った。)

前年もそうだったが、じーなが組んだ歴史探訪プラスα(食い道楽)のある旅程には、夫が満足してテンションが上がるのはいいのだが、そのテンションで予想外のサプライズを起こしてくれるので、心臓に悪い。

昼食の予定が押している。
掛川城で非情なお昼休みを告げるサイレンが鳴る。
どーしてくれんのよ!とハリセンでツッコミたくなる瞬間であった。
掛川でのお昼ご飯の誘いを必死で食い止める。

次は浜松市でうなぎ食べるんだから、それまで我慢して!

途端に車に戻る夫。ほら、言わんこっちゃない。
「早く言えー!!」

全く、急いでねと言っている意味がやっとわかったようだ。
今回の食い道楽は今まで沼津と焼津が当たりだっただけだ。
食い道楽的に欠かせぬポイント、浜松市。
では、大急ぎでランチに間に合うように行くよー!!

急ぐと言っても、流れがあるから無茶は禁物。
休憩を取る暇が無くなっただけである。

やっとの思いで14時台で浜松市に入る。
彼は候補地の中で一番車が空いていそうなところをチョイス。
ナビしてお店に辿り着く。

隣の駐車場で人が待っている。
ランチ、本当に食べられるのかな?お勘定が心配になってきた。
結構、知る人ぞ知る高級店に見えなくもない。

順番が来たようで恐る恐る入ってみる。
(お勘定が0一桁違ったらどうしよう)
奥に案内されると、小上がりの座敷だった。

・・・怖い、お財布的に大丈夫?

メニューを見ると普通の鰻屋さんで良かった。ただし、板前さんが本格的な料亭の方だそうだ。
「お前なー、ランチタイムじゃなかったらどうする気だったんだ。」
まあまあ、そう言わずに。普通の鰻重の値段でしょ?
納得していただけたようで、ランチで白焼定食があったので2名分注文する。
(白焼のお重にしては安かった。良心的だった。)

昼の営業の最後の客だったらしく、ゆったりと味わいながら過ごすことができた。
仲居さんの応対があったので、やはり高級ではあるようだ。
2人で1諭吉さん以内だったので、ホッとした。ハラハラが続く。

さて、城マニアさん、浜松と言えば、ここを見ない訳にはいかないでしょ??

家康公ゆかりの最大のスポットでもある。
お城の裏門から入ってしまったようだ。どうせだったら、正門から入りたかった。
見事な焼杉の下見張り。

たらふく鰻を堪能した我々は、宿のチェックインまでどこかで過ごそうということになる。
さあ、浜松城行くよー!

「浜松に城あったっけ?(こら!)」

ということで、一気に城マニアさんのまたテンション上がり、浜松城公園のお散歩タイム。
「急がば回れというじゃーん!」
だから、急いで行かないと閉館しちゃうでしょ!

軽く汗をかくぐらいの距離でぐるりと一周すると裏門から入場する。
公園とあるくらいだから、城に入らなければ料金は発生しない模様。
(市の所有らしく、お財布にやさしくて助かったー)
中の展示を見歩くだけで歴史を感じる。400年祭にちなんだ日程はここでエンド。

隣の市役所から閉庁時間の鐘がなる。(江戸の風情もそこで台無しになる。)
それじゃ、宿へ行こうか。

宿へ戻るやいなや、夜のお食事の打ち合わせ。
旅行雑誌に載ってない隠れ名店のホテルのご案内が嬉しい。
それによって行った居酒屋は宿のそばだが、餃子も食べられるお得なお店だった。
「浜松の餃子はこれで満足だな。」
ほんと、昼は鰻、夜は餃子で食い道楽冥利に尽きたらしく、機嫌よく地酒が進んだ呑兵衛さんであった。

_________ 明くる朝 _____

満足してよく眠ったせいか、翌日は寝坊もせず準備を進める。
しかし、外は大雨。予定はここから名所巡りへと移るのだが、強行軍で出て良いものか悩ましいほどだった。
だが進まねば、次の宿まで辿り着けない。
かくして次の観光スポットへと重い足取りで車を出す。

ところどころ車のギリギリまで水が溜まった箇所もあったが、何とかたどり着いた。

入館してこれだ。思わず敬礼したくなる。

航空自衛隊浜松基地にあるエアパーク航空自衛隊、浜松広報館。
酷い天候だったため、貸切状態で見ることができた。
本当ならスズキ歴史館にも行く予定だったのだが、大雨洪水警報中で浸水地区のため、行くことが出来なかったのだ。(絶対行いが悪い人がいるに違いない。)
それほどの悪天候だ。大雨の地区を急ぎ抜けておこうということになり、貸切の恩恵もそこそこに見学を急足で回る。

JAPANカラーはこういう所にも発揮されているのか。
お子様連れには人気なんだろうな。
一番分かりやすい比較ディスプレイ。(民間機と対比)

全部終わったかな?と思いきや、順路の最後が圧巻だった。

実際に乗り込むことも出来る実物大のレプリカとリタイアの現存機展示室。

大雨の最中に無理して行って損はなかった施設であった。
いいぞ、浜松。また来よう。

さて、大雨で国道が不通にならないうちに一目散に西へ西へ。
途中で雨足が弱まったので、国道沿いの観光スポットにて小休止を取る。
現存する唯一の関所、新居関所跡である。

比較的新しい建物に見えるくらいに状態が良い。
中は至って武家を感じる質素な造り。

「おーい!あっちに何か旅籠があって観られるって!」
へぇー!旅籠かー。さすが街道の分岐点。(展示の資料はよく読んどくもんだ。)

御三家と所縁が深い旅籠だったのか。
質素ながらも、味わい深い。
時が止まっているような錯覚を受ける。

江戸の情緒にたんまり浸り切った我々は、一路名古屋までの道をひたすら走る。
天気が天気なだけに、ここから先は止まるべきポイントが無く、夕方までには名古屋市内へ辿り着く。

チェックイン時間を早めに予定していたお陰様で、名古屋のど真ん中、名古屋タワーが目の前の立地が良いホテルまで無理なく行くことができたのは幸いだった。
さーて、これから栄の繁華街を歩きますか。

味噌おでん屋さんの前に、モーニング食べたーい!!

居酒屋メニューではさほど箸が伸びなくなるのではなかろうか、とかは考えずに、ただ単にモーニング発祥のお店に行ってみたかったのだ。
今回の食でじーながこだわりを見せた「じーなだけの」食い道楽メニューである。
ちょうどワンブロック先で近くにあった、モーニング発祥のコメダ珈琲店さんにお邪魔する。(ラッキー!)

紫煙を燻らせ、JAZZの心地良い音に浸りながらお楽しみのメニューを待つ。
呑兵衛さんは明日からの中山道の旅程に想いを馳せつつ、ひたすらメニューを覗き込む。
_____ 来た!これがそうかー!
「どえりゃあー」厚切りの小倉トーストに、珈琲のいい匂い。
「ぶっ! お前なー、それ今からおでんの前に食うのかよ。」
いいんだもーん、これは別腹だもんねー!

・・・これだから、食い道楽ツアーを兼ねると帰ったら2〜3kg増えるのだ。

はてさて、美味しくモーニングで大満足した私と、これからの味噌おでん屋さんでの名古屋めしに期待に胸躍らせた2人は、栄の街中へと消えてゆくのであった。
(当然、味噌おでんは最高であったことを付け置く。)



__________ 続く。To be continued next day’s trip.



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