組織のタコツボ化こそUXの敵

タコツボ化は、ある程度大きな組織に属した人なら誰でも経験すること。担当者にとっては自分の担当分野だけが世界のすべてになってしまいがちです。それはユーザーとのタッチポイントのごく一部にすぎないとたとえわかっていても、「自分にはどうしようもない」として考えないようにしている人も多いのではないでしょうか。

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しかし、自分が消費者になった時はそんな風には見てないです。タッチポイントのうちに一つでも不満があれば、そのサービス、プロダクトの評価を下げてしまいます。

自分の担当外の領域で顧客満足度が下がることをどう考えるか。考えてもムダとあきらめるのか、少しでも関与して改善しようとするか。

後者の態度を「社員が事業の『オーナーシップ』を持っている」といったりしますね。スタートアップ企業では、大体事業が一つしかなくて、担当者が1人3役4役を果たすことも珍しくないので、自然と社員がそうした考え方になりやすい。だからスタートアップのサービスのUXや世界観は一貫していて、消費者から見てウソがない。

一方、大きな組織で、よその部門の仕事にまで首をつっこもうとするとかなりの勇気とパワーが求められます。体質の古い会社でそれをやるには、強い動機付けと、組織的な工夫が必要になります。全社視点と、自分の担当分野の視点を自由に行き来できればいいんでしょうね。

「そんな大変なこと自分には無理」と思ってあきらめてやり過ごしていると、今度はそのモヤモヤのせいで自分の仕事満足度が下がります。難しくてもチャレンジした方が精神衛生上は良いんじゃないかと思います。