地図にないのに存在する町・地図にあるのに存在しない町
多くの噂はあれど地図にも載らず、存在するかどうかもわからない村。
杉沢村、下多島村、巨頭オ・・・
昨今の都市伝説では定番となったネタではあるが、今回はちょっと趣向を変えて、存在しているのに事情があって地図に載らなかった町や、存在しないはずなのに地図に載ってしまった町、架空の町だったのに実在することになってしまった町など、少し変わった町を紹介したい。
実在していた『地図にない都市』
トムスク-7
ロシアのトムスク州にあるセヴェルスクという町は、かつて『トムスク-7』と呼ばれ、地図に載っておらず、その存在さえも知られていなかった。
このトムスク7が広く知られるようになったのは1993年、ある工場にあったタンクの爆発が原因だ。
この爆発では放射性物質が放出された。そう、この町には1950年頃から、世界初の核兵器工場を含む軍事工場が建設されていたのだ。そのため、秘密都市として地図に載らなかったのである。
スターシティ
『スターシティ』と名前だけ見ると、なんともロマンを感じるが、こちらもロシアに存在し、かつては地図に載っていない町だった。
スターシティには有名なガガーリン宇宙飛行士訓練センターがある。
この町もまた、軍の研究施設や訓練施設があったため、厳重に警備され、外界から隔離された秘密都市だったのだ。
今もある閉鎖都市
トムスク-7やスターシティのように、かつては地図に載っていなかった町も、ソ連が崩壊した後には正式な地名が付けられたが、ロシアには今もなお複数の閉鎖都市が存在し、確認されていない都市が約15もあるというのだから驚きだ。
ロシアの広大な土地だからこそ、といったところだろうか。
日本にもあった!地図にない島
瀬戸内海に位置する広島県の大久野島は、今でこそウサギの島として有名になりったが、戦争中には毒ガス開発の島として地図に載っていなかったことは有名だ。
地図にあるのに存在しない町
アーグルトン(Argleton)
2009年に地図が訂正されるまで、Googleマップに『アーグルトン(Argleton)』という町が表示されていた。
イギリスのランカシャー州に存在(?)したアーグルトンという町は、Webでは色々な情報がヒットするにも関わらず、実際には広大な空き地が広がっているだけの土地だった。
興味を持った人が現地で調べてからメディアで取り上げられ、世界中で有名になったのだ。
Googleはただの誤りとしているが、実際には著作権トラップだったのではないかとも言われている。
(※著作権トラップとは、他の地図製作会社に地図を転用された場合に、著作権侵害の証拠とするため、あえて架空の地名などを表示させるというもの)
架空の町が実在する町に・・・『Agloe』
一方こちらは架空の町が実在する町になってしまった非常にレアなエピソードだ。
かつて、アメリカの大手地図出版会社「ゼネラル・ドラフティング社」の地図に『Agloe』という地名が記載されていた。
これは上述の著作権トラップであり、地名も同社の役員や秘書のイニシャルから作られたものだった。
しかしその数年後、ランド・マクナリー社という地図出版社から出版された地図に『Agloe』の文字が掲載されていたのだ。
まんまと著作権トラップに引っかかったランド・マクナリー社を訴えたゼネラル・ドラフティング社。
ゼネラル・ドラフティング社、余裕の勝利かと思われたが、ランド・マクナリー社は転用を全面的に否定し、実際に現地を訪れ調査をした結果だとして対決の姿勢を取ったのだ。
結果、ランド・マクナリー社の主張は正しいものだった。
一体どいういうことか。
なんと、現地に雑貨店をオープンさせた人が、土地の名前を店名に入れようと思い見た地図がゼネラル・ドラフティング社の地図だったのだ。
そして実際に『Agloe General Store』というお店が爆誕。
架空の町が実在する町になった瞬間だった。
ちなみにGoogleマップで「Agloe」と検索すると、今もその名前を確認することができる。
地図は楽しい
世界にはロシアの閉鎖都市を代表に、地図に載っていない町が実際に存在していた。
また、アーグルトンやAgloeのように変わったエピソードを持つ地名も存在している。
杉沢村などの都市伝説もとても面白いものだが、ちょっと視点を変えて地図を見てみるのも楽しいかもしれない。
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