ついに『ラ・ラ・ランド』を観て、たいへん感動した
2016年は、空前の映画ブームだった。
私の中で。
その年は、『君の名は。』、『シン・ゴジラ』、『怒り』など、
話題作が多く上映された。
私が私の中で「映画ブーム」と称するのは、世間の話題の波に乗ってしっかり映画館に足を運んだためである。
当時は、映画よりも演劇を観に行く回数の方が多かった。
学生だったし、料金も(演劇に比べて)安いし、椅子もフカフカで気持ちいい。
そんな気持ちで、毎月映画鑑賞を楽しんだのが、私の「映画ブーム」だった。
しかし、見逃した作品も多くあった。
『ラ・ラ・ランド』
は、その1つだ。
「評判良いから、上映期間長いし、いつか観に行こう」
そう思っていたら、いつのまにか日にちが経ち、上映期間は終了していた。
しかし超話題作ということもあり、周りの友人の評判をふんわり聞いた。
「ミュージカル好きじゃなかったけどちょっと好きになった」
「あのラストはどうだろう、考えさせられる」
今年の4月、
『グレイテスト・ショーマン』を観に行った時は、
「ラ・ラ・ランドと比べると、ハッピーエンドだったね」
という話も聞いた。
私は予告編やテレビのCMなどでしか『ラ・ラ・ランド』を知らない。ネタバレは避けていた。
顔だけ知っているあの女優、俳優、シーンで、それとなく物語を想像して、それとなく満足していた。
そのためだろうか、
高音質のリバイバル上映の情報が手に入っても、わざわざ足を運びたいとまでは思っていなかった。
「観てみたい」という気持ちが心の底にあるにも関わらず…。
と、ここまで長々と私の映画鑑賞に対する悪癖を語ってしまったが、
先日、ついに『ラ・ラ・ランド』を鑑賞する事ができ、見事にその世界に魅了されたため、こうして何か書いておきたいと思った次第である。
夏休み最終日、映画館でなく自室で芋けんぴを食べながらの状態で観た。
(アマゾンプライムありがとう。)
聞いていた評判は先述の通りなので、
冒頭からハラハラしながら観ていた。
嫌な予感がするあたりから結構泣いた。
「予告編でこのシーン、観たことあるなぁ」というシーンがだいたいラストシーンだった。
こんな使われ方をしていたなんて。
いい意味で立派な予告編詐欺だったんだ。
王道、と評される事が多々あるようだが
嫌な王道と良い王道があると思う。
「このパターンね」と物語が先読みできて興ざめする王道と、
「このパターンになってほしくない!」な物語を先読みしたくない王道。
この作品は明らかに後者だった。
演出、衣装、キャラクター、その全てに魅了されたことが要因だろう。
あまりにも綺麗な余韻に身体がついてゆけず、「あ〜」という奇声を発しながらApple musicでサントラをダウンロードした。
月曜日、出勤しながらサントラを聴く。
職場に着き、PCに向かう。
ふと、
「ずっと愛しているわ」
美しいエマ・ストーンの顔が思い浮かぶ。
そして、脳内で例のラストシーンが展開され、
切なさで胸がいっぱいになり、
その時やらされていた先輩のミスの尻拭いなどどうでもよくなるのだ。
今日もそんな場面がある気がする。
このような形で、『ラ・ラ・ランド』の余韻による幸せは、仕事の辛さに比例して、しばらく続くだろう。
サポート、めちゃくちゃ励みになります。よりよい創作活動を目指していきます。