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世間は狭い、いやちゃうね。案外世界が狭いのよ

人から言われた言葉で
忘れられない言葉というのがわたしにはたくさんあって
その人たちの言葉がふと
何かの拍子にふっとおりてくることがある

今回紹介したいのは、
19歳の時に出会った人生の先輩から言われたこのひとこと

出会いはタイだった

当時の私は19歳で
初めての海外一人旅の真っ最中

わたしはそのとき、
チェンマイというタイの北部にある観光地から
首都のバンコクに戻ってきていた

一度タイに行ったことがある人なら
ご存知かもしれないが、
向こうの交通というのはとてもいい加減で、

そのときも朝の9時に到着予定が、
スピード狂の運転士によって
朝の5時にバンコクについてしまった

行く宛もない私は
とりあえず、その日泊まる予定のゲストハウスがある
バンコクのカオサン通りに向かってひとり移動することにした

10時ぐらいまで暇を潰そうと、
カオサン通りにあるマクドナルドに入った

流石に朝の5時ということもあり、
人もまばら、私を入れて2、3人しか店内にいなかった

そのあと、1時間ほど経った時に
一人の女性が入ってきた

「もしかして日本人?」
気さくに声をかけてくれたその人は見た目が現地化していて
流暢な日本語を話さねければ一見日本人には見えないような
そんな女性だった

その人と私はしばらく談笑することになった

お互い、こんなところで、というかこんな時間に
日本人に会えたことがうれしくて
「ラッキーだったわ。私もバスが早くつき過ぎてどうしようかと思ってここにきたんだけど、もしかしてあなたも?笑」

そんな感じで同じ境遇だった私たちは
一気に意気投合しマクドでしばし話をしていた

50代くらいのその方は
娘さんもいる主婦の方だった
娘さんはもう結婚されていて
日本では近くに住んでいるらしい

今は暇を見つけては海外に行っている生活をしている
と、話をしていた

自然と、「そういえば日本だとどこに住んでるの?」
とそんな話になった

そして、お互い大阪だということがわかり、
さらに話が弾んだ

「ちなみに、大阪のどこなん?」と、聞かれ何気なく
「〇〇市です」と答えると、そのお姉さまは笑いながら
「わたしもなんやけど」とケラケラ笑い出した

「ちなみに〇〇?って知ってる?」と
地元の人しか通じないようなとてつもなくローカルな話をして
お互い盛り上がった

最終的にその方とは、
〇〇市〇〇台まで住居が一緒だったことがわかった

まさか、こんなタイの街角のマクドナルで
こんな地元の人に会うなんて!

わたしは初めての経験にとてつもなく
テンションが上がっていた

「世間って案外狭いんですね」と、照れ臭そそうに私がいうと

そのお姉さまは
「世間は狭い、いやちゃうね。世界が案外狭いのよ笑」

と、カッコつけるわけでもなくサラッとそんな台詞を
わたしに言ってくれた

この時の言葉がずっとわすれられない

「世間が狭いのではなく、世界が狭い」

だなんて言える
その言葉に説得力のあるこの人は
この女性はどんな人生を歩んできたのだろうか

当時19歳
学生で世間知らずの私はその言葉に圧倒された

それと当時に「いつか、彼女みたいな世界が狭い」だなんて言える

そんな人になりたいと思ったことを

今でも覚えている

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彼女と出会ってから、私は度々、
「こんなところでこんな人と会えるなんて!」と思える出来事があった

例えば、タイの道のど真ん中で、知人と数年越しに再会したり

オーストラリアで働いているときに、かつてのお客さんに再会したり

これまた、オーストラリアで働いているときに、やってきたお客さんが友人の地元の親友だったり

大阪の難波の居酒屋で働いてるときに仲良くなったお客さんが実は、名古屋で知り合った友人(北海道)の地元の連れだったり

そういえば最近住み始めたシェアハウスでも、7.8年ぶりに

友人に再会したり、かつて同じ大学の合宿にいっていた同級生と再会したり

そんな出来事があった

そのたび、ふとタイで出会った彼女を思い出さずにはいられない

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「ね。世界は案外狭かったでしょ?」

彼女ならこう言いそうだ




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