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人生を変えた一冊

私は読書が好きな子供だった。
中学生のとき、森博嗣の小説にはまった。

後にドラマ化する、
「すべてがFになる」のシリーズ。
「理系ミステリー」として人気があった。

当時、森博嗣は名古屋大の教授。
主人公は森自身の投影のような設定で、
「理系の研究室」が物語の舞台である。

田舎の中学生だった私は、
「クレーバーな研究室生活」に憧れ、
名古屋大の工学部に進学すると決意した。

高校に入学してからも森博嗣熱はあったが、
肝心の勉強のほうはイマイチ。
テスト前も勉強せず漫画ばかり読んでいた。

当時、父親が料理漫画を異常に集めていた。
特に「美味しんぼ」は
当時の全巻を中古で揃えていた。

それらをテスト前に読破すると誓った私は、
テストで散々な結果となり、
担任との面談が行われることとなった。

「このままだと行ける大学ないぞ」
「そもそも、お前は何に興味があるんだ」

そこで「美味しんぼです」
とはさすがに言えず、とっさに
「食に興味があります」と答えた。

「じゃあお前は農学部を目指せ」

農業に興味はないと言う私に、
担任は農学部とは何かを教えてくれた。

こうして名古屋大工学部を諦めた私は、
全く関係ない大学の農学部に入学した。
クレーバーではない研究室生活を送り、
食品会社に就職した。

以上より私の人生を変えた一冊は
「美味しんぼ」ということになります。
とても薄っぺらい人生に思えてきた。
ONE PIECE読んで海賊に就職するよりはマシか。

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