見出し画像

ハートのマーク(シンボル)はどこから生まれた?

みなさんは、ハートマークはご存知ですよね。あらゆるシーンで使われるハートのマーク、これっていつから使われているのかってご存知ですか?
なぜ愛を表したりするハートマークがこの形になったのか、デザイナーとしてちょっと気になったので調べてまとめてみました。

ハートのマークが生まれたきっかけ(起源・由来)

Place aux Herbes(プラース・オウ・エルブス)より引用

心臓の形のイメージが強いハートですが、モチーフの元になったのは植物の種だそうです。
紀元前7世紀頃のギリシャ人の植民地で栽培されていたシルフィウムというハーブの種がハート型をしていたことから、当時発行された銀貨に刻印され、モチーフが広まったといわれています。
ただし、これも起源の一説として取り上げられています。
しかし、残念ながら幻のハーブとされていてすでにもう絶滅してしまっているそうです。
ハートのモチーフの起源になったのにもう存在しないのは寂しいですね。

しかし、ハート=心臓として描写されるようになったのは中世からと言われています。
中世では心臓は感情を司る器官であるとされていたことから、愛情表現として多くのハートモチーフが描かれていました。
特に14世紀半ばから15世紀にかけての絵画で多く描かれているのは、ハートを誰かに捧げるというイメージだったそうです。

相手に心臓を捧げることは愛情の証であるとされ、絵画だけでなく、詩や物語にも心臓を捧げる、心臓を食べて心をひとつにするといった描写が出てくるようになりました。
また宗教画でも、信仰への愛の証として心臓をモチーフにした画が多く描かれています。
ちなみに日本の建築などでみられる同様の形の文様や透かし彫りは猪目と呼ばれます。日本の神社などで見られる猪目(いのめ)は猪の目をモチーフした紋様で、魔除けや、福を呼ぶ護符とされてきました。

起源には実は異論が結構ある

一般的には心臓を表したものとされていますが、これには異論もあるそうです。女性の臀部や胸の輪郭、陰部などを表現したものだとする説もあるそうです。確かに言われてみればそういうのが起源になっていてもおかしくないですよね。
カイロのエジプト考古学博物館には、ハートマークをあしらった古代エジプトの女性用ミイラマスクも所蔵されているそうです。

日本でも猪目として描かれていたハートマーク

ハートのマークってなんとなく西洋のイメージがありますが、実は日本でも猪目として古い書物にも使われていたそうです。

江戸時代の伊藤若冲の『動植綵絵』の内「老松白鳳図」(引用元:Wikipedia)

なんとなく今見るとすごいモダンな感じがしてかっこいいですよね。RPGのボスで出てきそうなくらい格好良いです。

ハートのマークが使われるシーン・用途

ハートのシンボルは、心やバレンタインデー、キスを表現する他、愛や恋などの恋愛感情や、対象に好感を持っている事を示すために用いられることが多いです。
恋に落ちたときの表現としては矢が刺さったハート、恋が破局したときには割れたハートなどのバリエーションもあって用途は多種多様。
最近だとスマホのハートマークだけでもかなり多くの種類がありますよね。
絵文字は機種依存なので「v」、「<3」が代用として使われることがあります。
絵や漫画などでは単なるハートをアイコンとして利用することが多く、漫画などでは恋愛感情を絵の中で、ハートマークを人物の周りに付加したり、目をハートマークで表現することも見たことある方も多いんじゃないでしょうか?
デザイナーとしては、母の日、誕生日(主に女性)、バレンタインデーなど女性がターゲットになるようなイベントごとではついついハートを使ってしまうことがありますね。

ハートのマークの意味が国によって違う?

絵文字も国によっては違う意味を持つことってありますよね。例えば急ぎます!みたいなときに使う煙みたいな絵文字も海外ではオナラっていう意味なので外国の人には驚かれることもあります。

海外ではオナラを意味する絵文字

なんで急ぎます!オナラ!?みたいな感じになってしまうそうです。
そこで今回はハートのマークも国によって違うという一例をご紹介します。

ハートの白は過去の気持ちを伝えるモチーフ?

英語圏では過去の気持ちを伝えるものですが、韓国では「空っぽの愛」を表すのに使われています。
英語圏の場合は、「あなたのことが好きでした」という、今は恋愛対象ではないということを伝えるのに使われたりします。

日本ではあまり色に左右されないけど英語圏など海外では違う

日本では色々な色のハートを自由に使われることがあります。好きな色を使っている人も多いですし、推しカラーと同じ色のハートを使う人も多いでしょう。
しかし、海外ではその色に結構意味があるので黒は「あなたのことが嫌い」だったり、茶色は「親友だよ」っていう意味だったり…
そのハートの色には結構意味があるので文化が違う人に送るときは少し気にしてから使うほうが良さそうです。
僕も以前デザインで青のハートを使ったデザインを作っていましたが、「揺るぐことのない愛」「信頼」という意味があるそうです。
ホワイトデーのデザインだったので、別に問題なさそうですがルーツをちゃんと知ってからデザインしないとなあと改めて思いました。

まとめ

いかがでしたか?実はハートのモチーフ、マークの起源は諸説あってどれが本当に起源になったかはまだわかっていません。
心臓=ハートが一般的になったのが個人的には無理があるだろ!って思いました。
どうみても心臓って楕円じゃないの…?と思ったりしませんか?
それはそれとして色によって意味があることを調べて学ぶことができましたし、日本にも猪目というハートモチーフの柄があったことにも少し驚きました。
ルーツを知ってデザインに起用するとまたデザインの幅が広がりそうだなって思いました。

▼デザイナー向けのブログはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?