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ハードボイルド・広島旅行

序章:或る酒場

やあ、またあんたかい。まあ座りなよ。
注文は……なんて、聞くのも野暮だったね。
今日はどんな旅だったんだい? なに、こうも寂れた店をやってるとね、あんたみたいな人から聞く土産話くらいしか楽しみがないんだ。
さあ聞かせてくれ。あんたの冒険のことをさ。

1日目

羽田発広島行き

というわけで皆さんこんにちは!!!!!
ZUMA文庫プレゼンツ「ハードボイルド旅行記・広島編」です。

まずは羽田空港から国内線へ乗って広島空港へ。24歳にして人生で初めて1人で飛行機に乗るの。チケット買う時点で既に緊張するよね。
だけど金払ったら一山超えた感が出るのね、こういうのって。直前まで「んまぁおっけーっしょ笑なんとかなるなんとかなる笑笑」で過ごし、んで前日になってエグい緊張感。
震える手でWebチェックインしたり友達と通話して広島の話聞いたりJリーグの第1節見たりして過ごしました。

空港でこういう写真撮るやつカッペくせえと思ってたけどいざ来ると撮りたくなっちゃうわ俺もカッペだわ

そんで当日。
余裕を持って2時間前に羽田空港に到着。普通にチェックインして保安検査場を通り、途中でカバンからライターが4本出てきて唖然としてる間に3本没収されたりして、膨大な時間を余らせることになりました。
売店でロースカツサンドを食べたり「忍者と極道」読んだりして出発を待つ。

おくいあむ(@maiandkoh)さんの缶バッジ
日本列島を飛行機が!!!

↑↑別に珍しくはないか

そんなこんなで普通に飛行機に乗って普通に広島へ。
飛行機ってすごいね、1時間半で広島に着くんだね。着陸が近付くに連れて、瀬戸内海を取り囲む中国・四国地方が見えてくる--のを乗客の誰一人として見てないから感動してる俺がバカみたいでした。なんでだよもっと見ろよ西日本を。

フライト時間の大半を寝て過ごした俺はスッキリした頭で広島着。

いまJALに乗ればディズニーのステッカーが付いてくる!
こいつしか歓迎してくれなかった
こんな自販機があるんかい

ティミッド&アウェイもよろしくな。

路線バスで空港から三原市へ行き、そこから電車で尾道を目指します。
バスに乗っている間に信長の野望・出陣を開くと、中国地方のご当地武将である尼子経久が出てきました。

三原市ってこんな感じらしい

いよいよ本格的に始まる広島旅行。
最初の目的地は尾道なのだ。

尾道へ

ONOMICHI

芸術の街・尾道に、芸術の男・東蒼司がやって来た。この非常事態に天は裂け地は沈み海は溢れるこれぞ驚天動地のビッグバン。
コインロッカーが空いてなかったので、キャリーケースを引きながら駅前を5往復くらいしました。挙句、最終的には改札内のロッカーを使うことに。入場料取られないならはじめからそうしてたわ!!!

セブンイレブンでお茶を買ったりしつつ、Discordサーバーで苦楽を共にしている同志と待ち合わせ。
初日は同志と共に尾道を俺たちの芸術で染め上げるのだ。

駅前の景色!綺麗だね~。いや別に普通じゃね??日本探せばこんな感じの駅前ってそこそこあるよね?別に珍しくはないよね????みんなはどう思う????ねえねえどう思う????ねえ、ねえってば!!!!!!!!!!

結局尾道って何する街なの?って感じです。
同志は「時間と心に余裕のある人が歩く街」と言ってました。
ともすると生き急ぐ心の狭い私には息苦しい街に違いないのです。

というわけで私が普段持っている効率重視のマインドを捨て心の汚れを取り除き、落ち着き払ったジェントルマン(=刹那の休みのルサンチマン)として尾道を謳歌します。

ジブリみたいなパン屋のジブリみたいなバイク
田舎あるあるで1番痺れるやつ
バリ固の焼き菓子なんだけどこれ名前何だっけ?
人間にビビらない野良猫
尾道プリン

いや女子か俺は。
もっと野郎らしい野蛮な写真がないかと思ったのですが、ありませんでした。なんてお上品な時間を過ごしちゃったのかしらあたしったら。ウフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ。

もっとサブカルっぽい場所をイメージしてましたが、高円寺や下北沢に比べてウルフカットの男がいないですね。ウルフカットの割合を増やしてこそサブカルの街っすよ。

その後はジブリみたいなパン屋で買ったパン(パンはジブリみたいではない)を海沿いで食べました。

なんて綺麗な海なんでしょ

瀬戸内海は島が近い!と思ってたら普通に陸続きでした。

同志とパン食べてたら見知らぬおじさんに「俺のクルーズ船乗ってくか?」と訊ねられるましたが、アングラ漫画読んだばかりの私には無人島に拉致されることを恐れてやんわりお断り。
というかクルーズ船はどう見ても漁船だったのですがあれマジでどういうこと???
パンをムシャムシャ食べながら海景色を堪能。

その後は商店街を歩いてグルメ巡り。

白あんの大判焼き
名物の尾道ラーメン

尾道ラーメンの店には池田エライザとか藤原紀香とかのサインがあってマジの名店っぽかったです。

お腹パンパンにさせながらロープウェイ乗り場へ。高いところから景色を臨む……それだけでええねん。何故なら時間と心に余裕があるから。

ロープウェイ乗り場。高いねえ。
これマジで上の写真と同じ時間だからね
シャッターの奥のウルトラマンA

そんなこんなでバスの時間がきたので尾道は終わり!
同志と別れ、高速バスフラワーライナーで広島市へ向かいます。2時間くらい揺られるので、また信長の野望・出陣で時間を潰しました。

広島市到着

広島バスセンターに到着したのが19:30頃。
ここでスマホのバッテリーが切れるハプニングが発生。写真撮りまくった挙句に信長の野望・出陣もやりまくってたからなんですね。

穴が空くほど眺めたGoogleマップの記憶を頼りに、勘で宿へ向かいました。
文明の利器を使わないサバイバルにはマジで死を覚悟。命からがらなんとか旅の拠点に到着です。

文学フリマへ持っていくキャリーケースを持って4階の部屋までえっちらおっちら。
エレベーターがないの大変だねムキムキになっちゃうよ。そういえば広島行ってから筋肉モリモリになった気がするわ。いややっぱ気のせいかもしれない。

浴衣フィンガーハート
古き良き旅の風情

昔ながらの旅館に「こういうので良いんだよ……!」と感涙を噛み締めました。

さて、今回は素泊まりなので夕食は外で食べなければなりません。
もちろんお好み焼きを食べたかったですよ。だけどダラダラしてる内に近隣の店がガシャンガシャン営業終了していきました。やべえ。
というわけで私に残されたのは地域密着型の個人居酒屋のみ。勇気を振り絞ってお店に入り、持ち前のコミュ力を持って楽しく賑やかに飲みました。
いやコミュ力とか関係なく店員さんも常連客の皆さんも優しく迎えてくれたので、広島は割とそういうサービス精神旺盛な街なのかもしれません。なにそれ最高じゃん。
まあまあちゃんと酔っ払いながら部屋に戻り、風呂に入って就寝。こうして1日目は終わりましたとさ。

油断してたら浴槽にお湯がなみなみ……
ああああああああああああ

2日目

2日目はほぼ丸一日文学フリマ広島!
心地よい目覚めのままに会場へ向かいます

移動手段はそりゃあ路面電車よ

路面電車乗るのむずくね??
PASMOどこにタッチすればいいのこれ。

でけえ川とか写真撮りたくなるよね

文学フリマ広島6

文学フリマ広島6の話は割愛!

こっちもよろしくな。

夜の散歩

なんやかんやで2日目の夜です。日中の大半は文学フリマだったからね。

昼と夜のスキマ時間

ここで大切な問題があります。私はまだ帰りのチケットを買っていません。今から飛行機は間に合わないので(時間的にも精神的にも)駅で新幹線のチケットを買います。
そう、これこそ夜の散歩でございます。

駅前の夜景
ギラついたカラオケ屋

自由席のチケットを買うことなんて造作もありません。なんなら時間あるからバスで広島城とか広島東照宮とか行っちゃおっかな〜っていうノリになったレベル。
ですがここで調子に乗ると宿の門限に間に合わなくてやらかす未来しか見えない。引き際が大事なのよね。

というわけで、2日目はこんなんで終わり!

浴衣ギャルピース

3日目

素敵な朝

朝飯は楽なほどいい

インスタント中華そばで迎える朝。広島最終日。

私服片手ハート

ラヴィットを観ながらカップラーメンを食べてチェックアウトします。
風情ある古めかしい宿を出て、まずは広島駅へ。コインロッカーにキャリーケースを預けて身軽になりました。

広島市を巡る観光路線バスめいぷるーぷを利用して、広島城経由で平和記念公園を目指すことに。

……と、ここでトラブル発生。
めいぷるーぷの路線を間違えて、広島城を経由せず最短で平和記念公園へ向かうバスに乗ってしまいました。

てなわけで予定変更。まずは平和記念公園へ行きましょう。この柔軟性が成功の秘訣なんですね。
いや俺は成功者だし。俺を人生の失敗者だと思いたい罰当たりな連中はかかってこい。

平和記念公園/広島平和記念資料館/原爆ドーム

広島平和記念資料館
平和記念碑のアーチ。直線の先に原爆ドームが見える。
元安川の向こうに見る原爆ドーム
負の世界遺産

本当は文章残さない予定でした。茶化す文体で語ることでもないし。
でもここを避けるのもわざとらしいよなーと思うと、やはり正直に触れておこうと思いました。

元々私は日本人として訪れなければならない場所のひとつに原爆ドームを挙げていました。
そしてその考えは間違っていなかったのだと確信しています。

原爆の悲惨さ云々とか、核廃絶に向けた云々とか。そういうのは専門外なので敢えて触れないですよ。
率直な感想として「本物」の強さです。事実は小説よりも奇なりとかいう使い古された言い回しあるけど本当にそんな感じ。ここではフィクションの持つ力は非常に弱いんだろうと思います。

被爆者の人生がいくつも掲載されていて、8/6に何をしていてどこで亡くなったかが端的でいて具にまとめられています。
その情報をかき集める熱意が凄まじいし、その熱意が人を寄せ付けて現在でも資料や情報が集まっている事実も凄まじい。
100%の熱意は人を引きつける力があるんですね。

資料館内や原爆ドームを眺めながら込み上げる無力感たるや。母国で起きた事実に対して私ができることって何もないんですね。
何もできない自分がそれでも何かをするには祈るしかないんだと思います。行き場のないまま感情を揺すられるのはやるせないです。
史跡を巡った感想を要約すると、やるせないって表現になります。私にできることは何もないし。
その現実を同じ時代/目の前で見せられた人々は何を思ってたんでしょうか。

これを機に自分の生活や思考が劇的に変わるわけではないし、それは原爆の存在が身近に迫る--誤解を恐れずに言えば自分の居住地に投下されるその時まで本当に理解はできないんだと思います。

ただし何も変わらなかったことはありません。
原爆の脅威にはある種の理系的な視点があって、脅威に晒された人々に対してはある種の文系的な視点があると仮定します。前者を即物的、後者を観念的と言い換えられるかもしれません。
今後の人生で、例えば理系的に知識を得た場合に私の観念的な捉え方に影響を及ぼす、あるいは文系的に物語を得た場合に即物的な理解に影響を及ぼす、そういった可能性はあると思います。
その意味では、ここで変わったわずかな潮流が長い目で見たときに私の潮流を大きく変えている可能性はあります。

私が行くべき場所へ行って私の中の何かが多かれ少なかれ変わった。それは間違いありません。

広島城

原爆ドームから広島城って歩いていけんのね。俺死ぬほどビビったわマジで。
広島マジですげえから主要な観光名所は地下歩道で繋いでんの。だから看板通りに道なりに進めば広島城なんてピュビュンのビュンよ。

東京喰種に出てきそうな地下通路

なんて歩きやすい街なんだ広島。すごいぜ広島。

カモとかコイとか

あっという間に水堀へ到着。テンション上がって写真撮ったけど別に珍しい魚でも鳥でもないよね。

ユーカリってそんなあちこちにあるんですか?
派手さはないけど渋い見た目がイカしてる

広島城は毛利元就の孫である毛利輝元が築城した城です。関ヶ原の戦いで西軍の総大将だった人ね。
んで徳川家康が関ヶ原の戦いで勝ったもんだから、城主の座を引きずり落されて、代わりに入城したのが福島正則です。

歴史知らない人にとっては終始「誰?」って感じだよね。一線級のメジャーな武将ってわけでもないし。

池田勇人の像

武将じゃなくて内閣総理大臣がいた。

宮島

広島にあるもうひとつの世界遺産といえば?そう厳島神社です。
ここまで来て宮島に行かないわけがなくね??????????

原爆ドームの近くにある元安桟橋から船が出ているというので乗船券を購入。はじめは往復券を買おうとしましたが、海面が荒れるので午後の便はほぼ欠航していました。わしゃ東京に帰れんのけ??
そしたら宮島口行きの船で帰ればいいんだが?と店員さんに完全論破されました。

チケットを買ってから出航までの15分でランチタイム。

辛いタイプのジンジャーエール
窯焼きドッグは最高に美味かった

めちゃくちゃカタカナの飲み物が原爆ドームの前で売られてる意外性分かる?

そして間もなく乗船のお時間です。

小雨降りしきる広島市を出発

長旅の疲れから船の中で眠りこける俺。

船内アナウンスに目を覚ますと……

なあーんていい天気!

え、ドチャクソ晴れてるしなにこのいい景色。

最高の眺めかよ!

宮島のいいところは船降りてすぐに喫煙所があるところ。一服しながらも目に映るのはあえかなる景色。

というわけで宮島編は最高にいい景色の写真を羅列します。

平清盛象

「鎌倉殿の13人」では松平健がやってましたね。でもこれ平成28年とかそのへんに建てられたらしい。なんだよ年下じゃねえかw

日本三景

そっか宮島は日本三景なのか。いやその風格あるわ。てかあと2つなに?松島と天橋立だっけ??

砂浜

ひとり旅で嬉々として海の写真撮ってるの俺だけだったわ。

そして見えました

例の大鳥居!すごーい!!
遠くからの写真なのは良いフォトスポットが混雑しまくってたからです。おのれインバウンド。

社殿から撮るとこんな感じ

映えるわ~。

干潮のときに現れる湧き水
風情しかない太鼓橋
こっちは毛利元就が再建したらしい

お前広島城は建ててないのに橋はやってんのかよ!
海に浮かぶ大鳥居がアイコンの厳島神社ですが社殿の方も瀟洒で素晴らしいです。今まで行った神社の中で1番かも。八坂神社とか伏見稲荷大社とかも良かったけど、厳島神社は海辺にあるのが荘厳に爽やかでした。

厳島神社を出た後は島内を散策しました。

↓後は街並みをお楽しみください↓

住みてえ
せせらぎってる
奈良の次に鹿がいる
千畳閣前にある五重の塔
もう普通の山も良く見えるもんね
千畳閣の中はこんな感じ

原爆ドームもそうだけど昔の景色が残ってる場所ってシャレオツですよね。

凶かよ。

宮島のトンネル

港へ戻る際は宮島商店街を通りました。魅力的なお土産に目を奪われつつ食べ歩き。

あ、そうそう。宮島は牡蛎と穴子丼が名物らしいですよ。まあ俺はどっちも苦手なんで食べなかったんですけど。

もみじまんじゅう+お茶。最高かよ。
木刀買いたくなっちゃう。オスだもん。ホモサピエンスのオスは木刀を好むからね。
こんな昼間からいいんですか!?

いいよ。

飽きるほど見た鹿

なんていう感じでブラブラ歩きながら宮島も終わりの時間。
16時頃の船で本土へ戻ります。

こんないい天気なのに帰らなきゃいけないんですか?

時間は有限なのです。ざっけんなボケ。
いい景色に見送られながら泣く泣く宮島を後にしました。

余談ですが宮島口から広島駅まで電車で1時間ほど。この旅行で俺は何時間を移動時間に費やしたんだ。

さよなら広島

キャリーバッグを回収して新幹線乗り場。
楽しいときは去り、先へ続くは帰路ばかり。ああ嫌だなあ。なんかの間違いでもう一泊できねえかなあ。

できねえよ

全然関係ないけど家に帰って嗅いだらこのコンバース臭かった。

夕食は駅弁

駅弁はいつ食べても美味いね。たまんないね。
広島名物のもみじ弁当を食べました。どれが広島名物でどれがスタンダード枠なのか分からないけど名物は名物なのです!

新幹線の中で文学フリマ広島の振り返りとか書きつつ。電車に揺られて4時間。
は?4時間??いやいやいやいや長くね????長すぎんだろ。長距離移動は飛行機とかにしよう……もしくは新幹線は指定席にしよう……。

しかも何が最悪ってさー新幹線もうじき喫煙ルームなくなるじゃん。もうマジで最悪なんだけど。どこで吸えばいいんですか?席で吸っていいんですか??ダメっしょ???じゃあやめようよ、そういうの。

ぶちギレながら東京に帰ってきました。

懐かしみの東京駅

以上、広島旅行記でした!

あ、お土産です↓↓

図録

忘れたくないことってあるよね。

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