ショートショート㊷「凶悪犯のなる木」(234字)
その木の怖いところは3つある。
1つ目は、栗の木とよく似ているというところ。秋になると、イガイガしたあの実を落とすのはもちろんのこと、ふさふさして生ぐさい、あの花を咲かすところまでそっくりにやるところ。
2つ目は、だいたい1つの実に2~3人、
それぞれ4センチほどの凶悪犯が裸でうずくまり、眠って入っているというところ。そして鳥の声やチャイムの音で、そのぎらぎらした目がつぎつぎ覚めていくところ。
3つ目は、その木がなぜか、 保育園や幼稚園の近くへよく生えているというところ。
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