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高校生は偏っていいから何かに全力になれ

今から4年前、僕は大学のオープンキャンパスで登壇した。

高校生に向けて、大学生活のこと、就活のこと、
高校時代の過ごし方のことなどをトークセッションで話した。

その際に、とある高校生からこんな質問を受けた。
「高校時代にやっておくべきことって何ですか?」

今回は、高校生と大学生の過ごし方について、
僕の経験に基づいた持論を述べていきたい。

高校生と大学生の環境の違い

高校生と大学生では、前提となる環境が全く異なる。
この違いを、まずは認識しておく必要がある。

【高校生】
・交友関係が狭い、つくりづらい
 :コミュニティが狭い、少ない。クラス、部活、塾くらい。
・自由度が低い
 :勉強、部活が主。拘束時間が長い。規則も厳しい。
・求められるコミットメント量が大きい
 :部活、大学受験ともに、本気でやることが求められる。

【大学生】
・様々なバックグラウンド、様々な属性の人と交友関係ができやすい
 :コミュニティを簡単に増やせる、切れる。
・自由度が高い
 :学業以外は選択肢無限大。自分でやることを選べる。規則も少ない。
・求められるコミットメント量が少ない
 :良くも悪くも、義務として求められる期待値は低い(学業、バイト等)。

高校生は、何か全力経験をして自信をつけろ

高校時代は、様々なことに広くチャレンジするよりも、
何か特定の分野に全力になることに適した時期だと思う。

多くの人にとって、部活、大学受験といった、
負荷が高く、レッドオーシャンの戦いに臨む時期だろう。

それに全力になって何の意味があるのかと思う人もいるかもしれない。

運動部でいくら死にもの狂いで頑張っても、
プロのスポーツ選手になれる人は、全国で一握りだ。

また、勉強を頑張っても、その後の人生で使わない知識も多いし、
勉強ができても社会じゃ通用しないとも言われる。
生き方や働き方が多様化した今、学歴至上主義が崩れてきており、
受験勉強を頑張る必要性も薄れてきているかもしれない。

だが、極論、そんなのどうだっていいと思うのだ。

何か一つのことにがむしゃらにフルコミットした経験のある人は、
その後の人生を生きていく上で武器となる、自信を手にすることができる。

自分は限界値までいけばこれだけ頑張れるんだという自信があれば、
その後多少辛いことや大変なことがあったとして、屁に思えてくるものだ。

勉強でも部活でも、他の何かでもよい。
盲信的に何かに打ち込める高校時代に、何かをやり切るという、
「全力経験」を積むべきである。

高校生は、偏っていていい

高校時代は、コミュニティが狭く少ない。
行動範囲が学校内に収まることが多いので、
校風や、友達ノリなどに価値観も左右されがちである。

僕は、中高一貫の男子校に通っていた。
ガチガチの進学校で、かなり偏った環境だったと思う。

高い成績を取ること、難関大学に進むことが正義の超競争社会で、
成績の低い人、教え方が下手な教員は侮られていた。
反面、非常にモチベーションが高く、切磋琢磨できる環境でもあった。

別の面でいうと、6年間男子だけの環境だったので、男子校ノリがあり、
母親と先生以外の異性と話す機会のない人が大半を締めていた。
まあ恋愛沙汰や男女のいざこざ、他社目線やスクールカーストに左右されず
勉強にフルコミットできる環境だったとも言えるかもしれない。

だから、大学に入ってすぐは、苦労したものだ。
男子校ノリ、内輪ノリで接すれば、怪訝そうな顔をされたし、
交際経験がないと言うだけで異常者扱いされたときは面食らった。
正直、大学時代の序盤はあまり楽しくなかった。

でも、大丈夫。
高校時代に偏った価値観も、
大学生活で揉まれるうちに、徐々にほぐされていった。

後から修正の機会はあるので、
高校時代は心置きなく、目の前のことに思いっきり打ち込めばいいのだ。

大学生は、広く世の中に接し、知ること

一転、大学生は凝り固まらず様々な分野に接してみよう。

高校時代に比べ、格段に交友関係を広げやすいし、
関われる人たちの属性も、多種多様となる。

高校時代に凝り固まり、偏った価値観をぶっ壊し、
世の中の広さ、多様性を知るまたとないチャンスである。

だからこそ、今まで自分の接してこなかった属性の人達や、
敢えて飛び込んでみる、接点を持ってみることが重要である。

様々な場に身を置くことで、
環境に左右されない自分の趣向を探ることができる。

また、世の中には様々な人がいる、様々な価値観があるということを、
好き嫌いは一旦置いておいて、知れるということも大きい。

意外とこの雰囲気、嫌いじゃないぞみたいな発見もできるし、
本当に居心地が悪くなったら関係を切ってしまえばいいのだ。

逆に、大学でも偏った過ごし方をすると、
本当に偏ったまま社会に出ていくことになってしまう。
そうすると、偏った価値観のまま生きていくことになる確率が上がる。

だから、昨今、感染症の関係で
まともな大学生活が送れない人が増えていることは懸念事項である。
オンラインでもいいから、
人との関わり、コミュニティのバリエーションを
増やしたほうがいいと思う。

その時期に得られるものを、糧にしていけばいい

尚、大学卒業後、社会に出ていくことになるのだが、
社会人としてのスタンスは、社会人になってから身につければいいと思う。
正直、学生が想像でそこを補おうとしても無理だし、
どの道就職してしばらくすれば身につくものである。

今の環境に全てを求め、全てを手にしようとする必要はない。
人生生きていく中で、そのときはいつか訪れる。
訪れたときに、訪れたものを糧にしていけばいいのだ。


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