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「めまぐるしく変化する無数の輝き」
ネルヴァル「オーレリア」(稲生永訳。中央公論社の「新集 世界の文学」第8巻『ネルヴァル ボードレール』1970、207~285ページ)。214ページ、「――人間が、空中を苦しげに飛び、まるで厚い雲の中でもがいているようであった。」「一瞬私はその姿を凝視した。」その人は「真紅に彩られ、その両の翼は、めまぐるしく変化する無数の輝きを帯びていた。古代襞〔1字ルビ ひだ〕のついた長い衣を身にまとったこの人
もっとみる自画像
講談社の「最新保存版 週刊 世界の美術館」NO.40「アルテ・ピナコテーク」(2009)、表紙がデューラー「自画像」(1500年)、まじめなデューラーの言葉「ただ真実のみが永遠に残る。」(自画像が語っているように、表紙に引用されている)。他の画家たちの絵もあるが、デューラーの絵が多い1冊(版画は少ない)。水彩の「野兎」(31ページ)がある
順番
『ブリタニカ国際大百科事典』の「小項目事典」第4巻(ティビーエス・ブリタニカ、1974)、「デューラー」596ページ。1500年の自画像を、写真で、見ることができる。1490年代に「木版の制作に励む。」それから「銅版画を試みはじめる。」木版画それから銅版画
怪物を描いている
倉本四郎『怪物の王国』(筑摩書房、「ちくまプリマーブックス」の1冊、1988)、怪物を描いている絵の話が多い。文章の1つ「竜〔ルビ りゆう〕のすみかは太古の森ふかく」(20~23ページ)。「森のかなた」に城があって、「デューラーは、その情景を描〔ルビ えが〕いてみせた。そこでは、城へむかう騎士のゆくてに、怪物〔ルビ かいぶつ〕たちが立ちふさがっている。」この文の下に、デューラーの版画
あやしげ
J・K・ユイスマンス『さかしま』(澁澤龍彥訳、河出文庫、2002)、91~92ページ、ロドルフ・ブレスダンが描いた、細かいものたちが、びっしり描かれている版画が登場してきて、フクロウやミミズクなど鳥たちもいて、「あやしげなアルブレヒト・デューラーの絵でもあるかのようだった。」あやしげな絵でなければならない
野兎
新潮美術文庫、第6巻『デューラー』(1975)。版画は、いくつかが、小さく印刷されていて、しかし、小さすぎるので、版画を見る本であるとは、言えない。もっと大きく印刷されている油彩を、多く見ることが、できる。油彩と同じような大きさで、印刷されている水彩が、いくつか――「野兎」が、いる。