小笠原鳥類(生物多様性と現代詩)

本『吉岡実を読め!』(ライトバース出版、2024)を、吉岡実の詩を読んで、書きました …

小笠原鳥類(生物多様性と現代詩)

本『吉岡実を読め!』(ライトバース出版、2024)を、吉岡実の詩を読んで、書きました ブログは https://tomo-dati.jugem.jp/

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「週刊俳句」と『吉岡実を読め!』

ウェブマガジン「週刊俳句」(2024年5月5日) 篠原梵の俳句を読んで書きました 「週刊俳句」(2024年4月14日) 小笠原鳥類『吉岡実を読め!』宣伝 正誤表(2024年4月14日) 『吉岡実を読め!』に誤記がありました。訂正します 96ページ2行目 (誤)「こわしかったのではなかった。」→(正)「こわしたかったのではなかった。」 392ページ2行目 (誤)「おおかしくないのではないか。」→(正)「おかしくないのではないか。」 「週刊俳句」(2024年2月11日)

    • あやしげ

      J・K・ユイスマンス『さかしま』(澁澤龍彥訳、河出文庫、2002)、91~92ページ、ロドルフ・ブレスダンが描いた、細かいものたちが、びっしり描かれている版画が登場してきて、フクロウやミミズクなど鳥たちもいて、「あやしげなアルブレヒト・デューラーの絵でもあるかのようだった。」あやしげな絵でなければならない

      • 野兎

        新潮美術文庫、第6巻『デューラー』(1975)。版画は、いくつかが、小さく印刷されていて、しかし、小さすぎるので、版画を見る本であるとは、言えない。もっと大きく印刷されている油彩を、多く見ることが、できる。油彩と同じような大きさで、印刷されている水彩が、いくつか――「野兎」が、いる。

        • 大喜び

          高校の美術の教科書、『美術・その精神と表現』(現代美術社、1994)。安野光雅の文章「遠近法の話」(29ページ)。「デューラーは、遠近法に則した画面に、不思議な実在感があることをまのあたりにしてきっと大喜びしたに違いな」い。このページの、文章の上に、デューラーの木版画「リュートの素描家(遠近法の実施例・測量教程より)」、楽器を描いている。楽器は、音を出さなくても、見るだけでも、大喜び

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        • デューラーの版画、それから、動物
          21本
        • 丸山薫を読む
          38本
        • 蕪村を読む
          11本
        • 山村暮鳥を読む
          30本
        • 大手拓次を読む
          13本
        • 鳥の本の、たくさんの鳥
          10本

        記事

          駒井哲郎 編集・解説『ルドン 素描と版画』(岩崎美術社、「新装・版画と素描」の1冊、1994)。素描と版画、版画と素描。石版画集「エドガー・ポーに」の1枚、「生命を導く息吹きもまた球の中にある」について、「作品解説」の9ページで「この作品は今まで見て来た作品には無かった幾何学的な発想と構成がある。」「これは明らかにデューラーの銅版画「メランコリア」から学んだものだという。」そして、この解説の文の上に、デューラー「メランコリア」も、印刷されている。デューラーも、ルドンも、球を描

          うさぎ、かえる、サイ、うさぎ、うさぎ

          ジョン・バーガー(日本語訳はMitsuyo Nakamura。英語のページが多い本である)『デューラー』(TASCHEN、2005)は「水彩と素描」の本で(表紙が、うさぎである)、関連する版画(28、50ページ。動物たちが、いる)も、少し見ることができる。建物がある風景を描いた、水彩の絵(14~17、23~25ページ)。かえる(76ページ)。インクで描いたサイの絵(80~81ページ)。素描の、うさぎ(86ページ)、水彩の、うさぎ(87ページ)。それから、動物たち

          うさぎ、かえる、サイ、うさぎ、うさぎ

          版画のサイ、水彩のウサギ

          デアゴスティーニの「週刊アートギャラリー」NO.27『デューラー』(1999)。シリーズの1冊目からページを数えているのだろうか、833~864ページの、32ページがある本。「木版画」の技法の説明が841ページ(サイの絵もある)、「銅版画(エングレーヴィング)」の技法の説明が842ページ。そして843ページ、「これほど有名な画家が、制作活動の大半を版画制作に捧げたのもデューラーが最初である。」「デューラーは、長年の間、絵画作品ではなく、むしろ版画で評価されていた。」版画、いい

          版画のサイ、水彩のウサギ

          関連

          前川誠郎 編集・解説『デューラーの素描』(岩崎美術社の「新装・版画と素描」の1冊、1994)は、素描の本であって、版画の本ではないのだろうか、しかし、素描の絵についての「作品解説」のページに、関連する版画の数々が、小さく印刷されている。

          サイの2枚の絵(版画と素描)

          「ユリイカ」1993年1月号(青土社)、特集「幻想の博物誌」。258~267ページ、T・H・クラーク(武田雅哉訳)「〈デューラー・サイ〉の誕生」、デューラーが描いたサイ。259ページ「図2 アルブレヒト・デューラー『サイ』。木版。初刷。1515年。」ある研究者の言葉を、T・H・クラークは引用している、261ページ「「おそらく、ほかのどの動物画も、美術に対してこれほど深い影響を及ぼしてはいないだろう。」」それから260ページ「図3 アルブレヒト・デューラー『サイ』。茶色のインク

          サイの2枚の絵(版画と素描)

          高階秀爾『名画を見る眼』(岩波新書、1969。表紙が暗い青)、「Ⅴ デューラー「メレンコリア・Ⅰ」――光と闇の世界――」(49~60ページ)。絵が50ページにあって、そして51ページ「わけのわからないものが多過ぎる。」そこには「何のためかわからないが毬のような球体と不規則なかたちの多面体」も、ある。たくさんのものがあって「こまかく見れば、まだまだほかにもあるかもしれない。」(52ページ)いくつかの解説、そして「まだまだ多くの謎が残っている。」(60ページ)今では、岩波新書の『

          いざなわれる

          同朋舎出版の「週刊グレート・アーティスト 分冊百科・西洋絵画の巨匠たち」、第48号『デューラー』(中山公男 監修、1991)。「デューラーは魚市場で見かけたカニを水彩で細部まで細かに描いた。」(6ページ、絵も見られる)。アオサギであるような《鷺》(10ページ)は、「数多く描かれた鳥、動物、植物の水彩画の1点」。水彩とグワッシュの《野兎》(18ページ)、「デューラーの作品のなかでもとりわけ人気があるのもうなずける」うさぎ。それから銅版画《メランコリアⅠ》(25ページ)、「思考が

          記憶

          諸川春樹 監修『カラー版 西洋絵画史WHO’S WHO』(美術出版社、1996)、この年に私は大学に入学して、授業の教科書ではなかったけれど、小さく印刷された絵と、画家たちの名前を記憶していった。すべてを記憶してはいないのだが、まったく何も記憶していないのでもない。モンス・デジデリオ(124ページ)という名前を、記憶した。デューラーは(この本の、さまざまな画家の絵が並んでいるカバーにも、油彩の自画像があって、そして、)73ページ、油彩3枚と、銅版画「メランコリアⅠ」

          再会

          40年前から見ていた本、『大図典view』(講談社、1984)は、カラーの絵や写真が、たくさん見られる、たのしい1冊の百科事典。「版画」1254~1255ページ、2つのページに、たくさんの版画。画家の名前は、こどものころ、ほとんど記憶していなくて、あとで、このキツネ(1254ページ)は長谷川潔の版画だったのか、小さく印刷されている絵だけでも記憶すれば、どこかで再会することもありえる。そして「版画」の、2つのページの最後、1255ページの右下にコラム「版画芸術の祖 アルブレヒト

          金属と木

          西村書店の「アート・ライブラリー」の1冊、マーティン・ベイリー(岡部紘三訳)『デューラー』(2001)。油彩が多いが、版画もあり、そして水彩の「針金工場」(35ページ)、解説(34ページ)に「いくつかの細部に並はずれた注意をはらう。」細い線で描かれている建物が、木であると思う

          幻たちの動物

          詩の雑誌「幻代詩アンソロジー」Vol.2(ライトバース出版、2024)に出てきた動物たちを、いくつか「」に引用。( )作者、数字はページ 「鱗は言う」(黒崎晴臣)7 そして壁は、セミ(虫)のような昆虫だ・肩 「穴を掘ってただ尊顔をこちらに向けている獣には都の記憶がある」(佐々木漣)9 畳を、人形である恐竜が、背であると思っているカニ 「うまいと評判の牡蠣ラーメンを食べに行くことにした。」(鈴木奥)16 タラ(魚……)わたしと、犬が、元気だ・体操と健康とウニ 「いかるがは その

          せいうち

          岩波文庫のデューラー(前川誠郎訳)、2冊。『ネーデルラント旅日記』(2007)、『自伝と書簡』(2009)。図版が多い。版画もある。旅日記の本に、ペンで描かれた「せいうち」(11ページ、図版11)、頭を描いているが、前川誠郎は「図版解説」で「私は本図の他にも全身を描いたものがあったろうと思っている。」238ページ