短編小説 「建設現場のポニーテール」
その日は、梅雨が明けたのかと思うほど、お日様が憎たらしく輝いていた。雲ひとつない、空はとにかく青かった。いつもなら、そんなお日様や空を見れば嫌なことや悩みごとがスッと消えていくものだが、その日は違った。お日様と空が、この世からなくなればいいと思った。だけど、それを思ったのはその日が最後だった。
大学生の僕は建設現場の短期バイトをしていた。人手不足で、仕事はきつくて、口の悪いオッサンばかりで、汚かったけれど、金を稼ぐにはうってつけの場所だ。ただ重たい道具や資材を運ぶだけで、一