マガジンのカバー画像

☆あの日のオルゴール (過去日記ほか)

6
ゆきの昔の日記やブログにも、今と変わらない思いがあって。(完読無料or100円の試み。もし響くものがあったら)
運営しているクリエイター

記事一覧

短歌結社の記憶より

20年くらい前から7年ほど短歌結社に入っていた頃に、多くの学びを頂いた中で今も気に入っているものや、お褒めを頂いた歌、それらに混じる後年のいく首か。なんとなくずつ、思い出したものをぽつぽつと。

「あぜ道を腰曲げてゆくひとは昔オオミタカラと呼ばれたるらし」

「神がその色を染めたる環礁に人は失くせり天上の青」

「漆黒を背負うさくらの花のふち波打ち際のごとく泡だつ」

「神はあるただそれだけが暗き

もっとみる

五行歌

ふつふつと

電線に鳥が並ぶ

平和を願う

世界の

千人針のように

佳作になったと話したら、
「千人針って何?」と聞かれた。
あぁそうか。時代だ。

千人針は、戦地に赴く大切な人の無事を願い、
晒に、玉結びを縫ってもらったもの。
砲弾避け。
ひとりの手ではなく、多くの人がひとつずつ縫い、
無事を祈念する。

もちろん、その数にはいたらないが、
できるだけ多くの人に結んでもらうため、道には、

もっとみる

古いノートから

病みて幻聴幻覚という、なればなり恋に幻象ありき

うたかたの光拾はむがにほつり爪這いくだり光る糸屑

「青い鳥籠」

小さな窓からは、ほろほろと崩れる粉菓子の堆積のような光の溜まり。
斜めに伸びて少しずつ消えていく影法師、さっきから何かが動いている。

くるくる、くるくる、と影絵のおもちゃみたいに。

あれ、そこには鳥籠があるだけなのに。
鳥のいない、鳥籠があるだけなのに。

くるくる、くるくる

ハンモックのように伸びた影の真ん中で、くるくる、動いている。
鳥籠の中から、何かを知らせようとするみたいに。

不思

もっとみる

大人のランドセル

あなたが今、抱えている、と感じている荷物は、本当に「荷物」でしょうか。それはただ重さを湛えているから、荷物のように思えるだけではないでしょうか。

今、あなたが負担だと感じるものの正体の多くは、実はあなたの財産であるはずです。私たちは、自分では財産だと思っていない、重荷だと思っている、それらのほとんどが、実は大いなる「宝もの」だと気づく必要があるのです。

私たちはあの頃、小さな体に大きなランドセ

もっとみる

缶詰の中にも愛は宿る

顔の見える生産者による産物を、心をこめて作られたものを、

とは、昨今、よく聞く言葉ですね。

でも私は思うのです。

もしかしたら、ライン生産の品物を作るときだって、

愛を送っている人もいるんじゃないかなって。

私も、かつてライン生産の中にいました。

そのとき、私はいつも祈っていました。

「この機械に関わる全ての人に祝福がありますように」と。。

だから、私は思うのです。

この缶詰を作

もっとみる