芸人を諦めるには

まるで芸人だった時期があるような題ですが、「辞める」ではなく「諦める」理由です。

目指すのを諦めるための努力をしています。


関西生まれ関西育ち、吉本が大好きです。
中学高校の間、演劇部に入って漫才やコント、50分ほどの脚本を書き続けました。

学校行事で10分ほどのコントをやれば爆笑の嵐
後日同級生は
「体育館の外にいたけど笑い声につられて見に入った。めちゃくちゃ面白かった。」
と言ってくれ、全然知らない生徒や教師にも呼び止められ誉められました。
一丁前にトークも必要だと考え、エピソードの練習をし、複数の友達に話して誰にでもウケたものは書き留めました。
更に、プロの方々と同じ内容を話し、どうすれば本家のように面白いまま〝自分の言葉〟で伝えられるかの練習もしました。

そうしているうちに、狭い学校内でコント・トーク・弁論文などを生徒や教師にまで下手に誉められ続けてしまい、高校演劇の脚本では小さい賞ながら受賞。
完全に調子に乗っていました。

そんな学生時代に芸人を諦めました。
理由は
才能が無い
と感じたことでした。

自分の書いたものを読み返して〝自分の才能には限界がある〟と気付いたときに大きなショックを受けたのです。

これはお金をもらえるレベルではない。
プロの漫才はこんなに面白いのに、自分の書いた漫才は全然面白くない。

たかが一般の高校生が身内でウケていただけのことです。プロより面白くないのは当然でした。
ですが、面白いと思って書いて周りに誉められ続けていたものに対して、その気付きは非常につらいものでした。
どうすれば面白くなれるのかも自力で分からず、進学校だったため受験勉強に切り替わってしまい大学に進みました。
どうしても、冷静かつ純粋にプロのネタを楽しむことができず、大学の4年間はお笑いから距離を置きました。

いま思えばネタが面白くなる努力もしていない上に努力の方法を探しもせず諦めています。夢見がちなばかりでとても怠惰でした。

どこかで見た、
ただ繰り返し練習するだけで上達するなら字が書ける全員が達筆でないとおかしい。」
という言葉が胸に刺さります。

さて、大学を出ると家族の影響でお笑い文化に戻りました。
4年の間に鈍った勘は、働きながら取り戻そうとしていました。
すぐ養成所に行かなかったのは理由があります。
尊敬する芸人の一人であるオール巨人師匠は最近、ある動画でこうおっしゃっていました。

「 夢を持って入ってくるのは良いけど
準備をしてからにした方がええね。

僕が養成所入るとき、3年は働かなくても良いくらいお金貯めた。

バイトなんかしなくて良い。
お笑いに没頭して
面白いことを24時間探しなさい。
面白いことが突然降りてくることなんてないねん。

当時はこの動画はまだ出ていませんでしたが、この旨は他の芸人さんも何人も言っていましたので養成所の授業料とその先3年のお金を貯めようと私は一旦社会に出ました。

しかしここで二度目の挫折です。

幼少期からの虐待で自分の心体はボロボロでした。

まだ10代だった高校生時分、調子に乗っていましたが既に過労で倒れたこともありました。
それまで笑いとアドレナリンと根性でなんとかなってきたので、そのまま乗り越えられると思っていました。
社会に出て、〝この先3年分稼ぐ〟どころか普通に働くことすらできない弱さをつくづく知り絶望しました。

これではお金をもらえるパフォーマンスが出来る訳がない。

ということで、
去年から表現者を諦めようと努力しています。

やりたいことをやりながら心身を守るにはどう進めば良いか。
noteやTwitterで意見をいただきながら暗中模索の日々です。

もう25なので出来るだけ後悔したくありません。
今のところバイトをしながらお笑いに関係する作家を目指そうとしています。
ただ、作家の養成所以外の選択肢を知りません。
勉強はしたいのでそれでも構わないのですが、養成所以外の方法も、もしご存じの方がおられればご教示ください


以下、ラーメンズ小林賢太郎さんの『僕がコントや演劇のために考えていること』を読んで
〝こういうことが面白くなるために必要な努力だったのか〟
と知ったことをまとめています。

正直、この本は高校生か大学生の時に読みたかった…。
実績を残している人が書いたこういう本を高校生の頃に読めてたらめちゃくちゃ参考にして努力したよ…自分で方法を見つけられるのが天才なのだろうけども…( ;∀;)
と悔しくなるくらい為になる本です。

納得できる部分が多くて面白いので、〝面白くなりたい〟とか関係なくお笑いが好きだったりラーメンズやKKPがお好きな方は楽しめる本だと思います。(回し者みたい)

ほぼ私の考えを書いているだけですが、そのためには本の内容に触れてしまうので有料にしておきます。
吉本大好きなので吉本の関西にある劇場の話も少し触れています。

本を読み返したり推敲し直したりして私なりに読んでいただけるレベルにしたつもりです。
有料である価値がありますように。

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