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2024年3月22日の日記

 3月ももう終盤なのに、水っ気の多い雪に見舞われた。「三寒四温」とは実によくできた言葉で、語呂の良さもさることながら、冬のこの時期の危うい気温の推移を見事に表現した素晴らしい言葉だと思う。

 祝日でお休みだったので、実家に帰省。冒頭の雪のくだりは、父と母と私の3人で神戸の北の方にドライブに行った折の話。3月ってこんなに雨降ってたっけ?
 国道沿いの寂れたレストインで定食ランチを食べて、キツネの嫁入りのような空の下で春を待った。風は強さを増して、雪はほとんど雨になった。俗にいう"逆山下達郎現象"が起こった。低気圧ボーイとは私のこと。

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 都市部に住んでいると、駅間が長い電車に乗ることが有料特急や新幹線にでも乗らない限り減っていき、短期間で車内の顔触れが目まぐるしく変わっていくことにも慣れる。
 だから駅間がやや長い電車に乗ると、本当に次の駅に着くのか心配になることがある。諦めないなら焦ることもないのだが、スローなバラードを聴いているときと同じ、間延びした心に不安を覚えるような気持ちになる。

 あれ、この電車もしかして、異世界に入ってない? きさらぎ駅に着くんじゃない?
 私は多分、変わらないということに安心できない人間。
 いつも聞いているラジオのニュースのコーナーで、アナウンサーが噛むか噛まないかソワソワしながら聞いている。完璧であってほしくない気持ちがどこかにある。
 


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