毎週テーマを決めて、みんなでnoteを発信するキャリコンサロン編集部マガジン
の日曜日担当荒巻です。
今回のお題は＃夏の思い出
最後までお楽しみいただけたら幸いです。

夏の終わりに

8月最終週。夏休みもいよいよ終わり。
と、言っても、今年は夏休みの感覚があまりない。
暑くて、いろんなことが起こった夏だったけれど、「夏の思い出」と呼べるほど、眩しくて鮮烈で甘酸っぱいようなことは起こらなかったな。

そう、わたしが考える「夏の思い出」は、
暑さにも煽られて、楽しかったり悔しかったり夢中だけれど、同時に、もう２度とそこには戻らないことを知っている切ない気持ちがない混ぜになっているような複雑な記憶だ。
多分、甲子園球児やサザンの楽曲をイメージしているのかもww

そう考えたところで、はて？今まで、どのくらいそんな劇的な「夏」があったのかしら？と自問自答してみる。

自慢ではないが、記憶にあるだけでも50回近い夏を経験している。
もちろん全部を覚えているわけではないけれど、いくつかの忘れられない夏がある。

子供の頃の思い出

わたしの中の一番古い夏の思い出は、小学生の頃。
4年生から6年生まで、ソフトボール部に所属していた。（大人になってからの友人にこの話をすると、十中八九意外な顔をされる。）
わたしの通っていた小学校は、ソフトボールでは割と名前の知られた学校で、毎年名古屋市大会で上位に食い込む成績を残していた。
体が小さくて、ただ足だけは速かったので、セカンドで2番バッターを務め、5年生からはずっとレギュラーで試合に出場していた。

なので、卒業までの2年間、夏休みは毎日練習だった。
その当時は、そういう夏休みしか知らなかったのでなんとも思わなかったが、朝から晩まで、走ったり打ったり投げたり。10歳そこそこだったけれど、昨日より上手くなることだけを信じて練習した。
当然、昭和の運動部の練習なので、休憩中に水を飲むのは禁止。監督の機嫌が悪いと、校庭で兎跳びもさせられた。ありえない。
真っ黒に日焼けしてヘトヘトで、それでも部活帰りにみんなで駄菓子屋さんに寄って棒アイスを食べるのが最高に楽しかったな。

今、自分の中に「根性」の２文字を探すのは難しいけれど、あの頃あれだけ頑張れた自分の姿は忘れないでいる。

その後の夏休み

そんなわたしも大学生になり、夏休みの過ごし方は全く変わった。
まず、宿題がない。部活もない。とやかく言う親もいない。
そして、時代は昭和が終わりバブルがはじける直前。
何よりも遊んでいることが偉かったあの頃は、今思うと絶対おかしかったけれど、文字通り、ふわふわキラキラしていた。

旅行したりドライブしたり、笑ったり泣いたり、出会ったり別れたり。
あんまり勉強はしなかったな（笑）

しかし、なぜだか、あまり鮮明な記憶がない。
あの頃の空気感だけで、行った場所や出会った人たちの名前もはっきり覚えていないことに驚く。これは記憶力のせいかもしれないけれど。
時々ドキュメンタリーで流れる、90年代の様子みたいに、ただキラキラして騒がしいイメージだけが残っている。令和の若者には伝わりづらい空気感だと思う。

あの時何かに打ち込んでいたのなら、もっと鮮明な思い出として残ったのだろうか。

息子たちの夏の風景

自分自身の夏の記憶はあまり鮮明ではないけれど、子供たちが生まれてからの夏休みは、俄然輪郭がくっきりとしている。

一日中、庭で水遊びをする声や、
浜辺の花火大会で、大の字になって天を仰ぎ、瞬きを我慢して大きな花火を見ていた小さな顔。
自転車に乗れるようになった頃、兄に置いていかれて道の真ん中で仁王立ちになり泣き叫ぶ様子。
夜、真っ暗な中を川を上流へ登り、ホタルの大群に囲まれた時のびっくりした表情や「いっぱいだねぇ」という声も、不思議なくらいはっきりと覚えている。

宿題、かき氷、カブトムシ、水族館、バーベキュー、流れ星、

部活で疲れ切って不機嫌になったり、
試合でゴールを決めてチームメイトと喜び合う姿も。

記憶というものは不思議だ。
体験している当事者ではなくて、それを見ている人の方が鮮明にその有様を覚えている。俯瞰して見られる、ということだろうか。
自分の出来事だと、その時の感情に頭がいってしまって周りの景色は見えていなかったのかもしれない。
どちらが良いとか正しいとかではなくて、そういうものなのかもしれない。

長い時間、息子たちの夏の風景を見てきた。
自分の目の前で起こっている彼らの出来事を、本人とは違う視点で観察し、時には本人以上に心振るわせて、わたし自身の思い出にしてきたんだな、と気づく。

高校生になった頃から、息子たちの夏の思い出をライブで共有することは無くなった。
くっきりとした記憶には残らなくても、きっと、嬉しかったり切なかったり、今しか味わえない夏の思い出を作っているんだと思う。

もうすぐ9月。
明日もまた暑くなりそうだ。
まだまだ終わらないよーーー、夏！

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