母のこと。
今日、仕事に向かう車の中でふと母親のことを思い出した。
私の母親は元保育士。
短大をでた後、5年ほど保育所で働いていたようだ。
結婚と出産を機に退職。(私の生まれる頃なのでおおよそ50年も前になる)
私は幼稚園出身。
母親が専業主婦だったのとおばあちゃん、ひいばあちゃんが私の世話を見てくれる環境にあったので保育園の対象ではなかった。
でも、母親は保育園を毛嫌いしていた。(保育士で働いていたのに)
小さい頃は人に預けたりせずにできるだけ家庭で育てるのがいい
保育園になんか行かしたら愛情不足で子どもが荒れる
それが口ぐせだった。
私に娘が生まれた時も
0歳保育に行かせることを反対したりなにかというと
『母親が側にいないとだめだ』と口出しされた。
なぜ自分が保育士の仕事を辞めたかについては
『あんた(私)が早産しそうだったから。もうちょっと仕事続けられるはずだったけど、あんたが逆子で早産しかけたからやめた』
と、なんとも聴き手の私の立場ではムカつく理由を平然と話してくれた。
自分の担当ケースのように思い出した母親。
短大卒後、保育園に保育士として就職。25歳で見合い結婚。すぐに第一子を妊娠するも早産の恐れあり退職。
4人兄姉の末っ子、三女として出生。
時期は不明だが親戚夫婦の元に養子に出されたもののその家庭で夫婦からのいじめにあい実家に逃げ帰ったとのこと。
こんなエピソードを持つ25歳の保育士。
色々な家庭から色々な事情の子どもを預かりかかわることで過去のトラウマや満たされなかったこと、抑圧した感情に翻弄されたであろうことは想像に難くない。
自身の保育観や子育ての持論はあっても
きっと自分自身の感情には気がつかないまま時は経過したのではないだろうか。
お前を早産しそうになって具合が悪くなったから仕事もやめたんだ
その発言の裏には
本当は子どもとその家庭とにかかわりきれない
かかわることにくたびれて辞めたかった想いもあったのではないだろうかとも思う。
素直に表現できたらよかったのにね。
娘にお前のせいで仕事辞めたみたいな愚痴を言わなくても
保育所の制度を批判せずとも
私はしんどかったし辛かったって言えたらよかったのにね。
いつもなら母親のことと怒りや寂しさ、悲しみが一緒になって思い出されるのだけれども今日は感情が揺れることなく淡々と思い出すことができた。
ひとつの
私の
思い出語り。
私から見た
母親語り。
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