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子どもに徹底していること

頭がいいよね、しっかりしてるよねと言われることが度々あります。
相手は私の経歴や仕事を知りません。

その理由は小学生の頃から変わっていません。


私は昔から「頭がいいフリ」が得意です。
こう言うと、いやいやそれは本当に頭がいいからフリが出来るのであって実際頭がいいんだよ、なんてことを言われるのですが、自信を持って否定します。

何しろ夫や長年の友人や歴代の仕事の相勤者には「結構抜けてるよね?」と高確率で言われます。
たまにすごいミスするよね、と。
ええ、ほんと、申し訳ありません。
なんせ賢いフリというメッキなんで。
ステンレスのフリをする塩ビみたいなもんで。
実態は凡ミスは日常茶飯事だし、デカいミスもちゃんとするし、信じられないミスもたまにする人間です。


頭がいいフリは簡単です。
たった一つ気をつけるだけで、私は35年間しっかり者を気取ってきました。
その方法はただ一つ。

ちゃんと返事をする。


これだけです。


名前を呼ばれたとき、相槌など返事の種類は色々あるのですが特に「はい」と返事をするときは気をつけています。

はーい!ではなく、はいっ!
小さな「っ」を入れる感じ。

小学生の頃、父によく言われました。
 返事がいいだけで、こいつはできるやつだ
 と思われる
 他のことが下手でもいいから
 返事だけはきちんとしなさい
 挙手はまっすぐに
 お父さんは外では返事だけの人間だ
父親の威厳を躊躇なく捨てた教えが私の心には素直に響きました。

ちなみに兄も同じことを父から言われているので素晴らしく返事がいいです。

そんな家庭教育が実を結び、近所の人や学校の先生からは兄と私は賢い兄妹と思われることが多々ありました。

2人とも優秀ですね
しっかりしてるから心配いらないですね

と両親が(お世辞を含めて)言われている場面を目にしたのは一度や二度ではありません。
その度に両親は
 ウチは返事だけはいいんで!!
 下駄履かせてるんで!!

と真実を話していました。それを横で聞きながら
 その通り!!
と私も思っていました。そして家に帰って
 あんた賢いフリ上手なのね
 まぁね

という会話をするのが当たり前でした。


だって本当にちゃんと返事をしてるだけなのです。
勉強もスポーツも飛び抜けてできたことなんて一度もありません。
1を聞いて頑張って0.5理解できる頭です。
賞状の類をもらったこともない。

ただ、シンプルに大人に話しかけられた時に「はいっ!」と返事をしているだけ。


特に反抗期の返事の良さの効果は絶大でした。

目につくもの全てに殺意を抱く反抗期。
教師に自分の名前を呼ばれようもんなら、不快指数が跳ね上がり、
"天地よ、我が名を口にする愚者に死を与えん"
なんて詠唱しながら、心の中で教師をサイバイマンに倒されたヤムチャにしてました。
この頃発症した厨二病は未だに完治してません。

中年男性教師なんて女子中学生からすれば息をしてるだけで罪人。シカトがデフォルト。

そんな中私は常に朗らかに返事をしていました。

出欠はもちろん諸用、意思確認や質問など校内で呼び止められたときの返事だけは明瞭。
どの教師が相手でもです。
しかし返事がいいだけであとは他の子と同じように愛想が死んでました。

にも関わらず教師からの評価はよかったです。
内申書もよかった。
説教もすぐ終わる。
そもそも目をつけられにくい。

「先生に贔屓されてる」と言われたこともありますが「ちゃんと返事してるだけだよ」と言ってもあまり納得してもらえませんでした。

「教師がウザいならちゃんと返事せぇよ、シカトすんなよ、かまってちゃんかよ、私はウゼェから返事してんだよ」
というのが私の理屈でした。


そういう学生時代を経て就職し、新人研修では喉が切れて血が出るくらい返事の練習をさせられるような職場ですが、しっかり者のフリは未だに続けられています。
スキルや社会常識が全く伴っていないので初対面以降は好印象株価の急落は避けられませんが、「返事もまともに出来ない奴」という烙印はやっぱり避けられます。



という人生経験から、子どもたちには徹底して躾けようと思っています。

返事だけはきちんとしなさい。
お母さんは外では返事だけの人間よ。





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