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公務員になった話 ③警察行政と県警を受験

10年ちょっと前、地元の警察行政と県警(警察官)を受験しました。
地方の某県警の話であり、現在の試験内容とは異なりますので受験を考えている方は決して参考にはしないで下さい。
あくまで私個人の体験談です。


警察行政の一次試験はギリギリ合格。
県警の一次試験も無事合格。
どちらも二次試験(面接)を受けることになりました。
その年の二次試験から合格までの日程は
 警察行政二次試験(面接)
 ↓
 県警二次試験(体力)
 ↓
 警察行政合格発表
 ↓
 県警二次試験(面接)
 ↓
 県警合格発表
でした。
 
そしてどちらも面接官は同じ人(県警職員)です。
……そう、同じ人(警察官)なのです。

警察行政と県警を両方受けている人は公務員予備校でも何人かいました。
でもみんな第一志望は県警です。
他には県警と消防を併願してる人が多かったです。受かるならどっちでもいいみたいな。

面接官にはおそらく警察行政と県警を併願してることはバレてる。
そして面接官が聞きたいのはどっちが本命と答えるか、そしてそれが本心かどうかだ。
警察行政の試験でバカ正直に本命は県警で警察行政は第二志望ですなんて言おうもんなら真っ先に落とされるだろう。
県警が本命の人は正直落ちてもいい試験なんだから適当に上手くやりすごせばいい。
面接官は本業の警察官だ。これは面接という名の取り調べだ。
私は素直に堂々と警察行政が第一志望ですと言えばいい。本当なんだから。
県警の試験は願書出しただけで警察のお仕事にどんな形でも関わりたいんですよ、という下心だ。フリだ。ポーズだ。ただのアピールだ。
もしも聞かれたら、確かに併願してますが本命は警察行政です、と答えればいい。


そして警察行政の面接を受ける日が来ました。
会場は大学の教室。面接は午前と午後の2回。
受験生控室はほんのり緊張感に包まれていました。
私はめちゃくちゃ緊張していました。
予備校で何度も面接の練習はした。
やれることはやったからあとは落ち着いて答えればいい。
いざ、勝負。

午前の面接では予想していた質問をいくつか聞かれました。
そして、圧迫面接でした。

令和になった今の時代に圧迫面接なんてしようもんなら問題になると思います。
しかし当時は一般企業でも圧迫面接は珍しくありませんでした。
SNSもあったけれど今ほど個人の経験が即座に共有され、理不尽な行いや企業名が晒される世の中ではありませんでした。
そして、リーマンショックの余波が残る不景気の中の就職活動は求職者側が圧倒的に弱者です。
雇ってもらえるなら多少の理不尽には文句は言えないのです。

警察官の圧迫面接、死ぬほど怖い。
                      面接中は緊張感が理性を支えていましたが、
面接が終わり部屋を出た瞬間大号泣しました。
そしてぐっしゃぐしゃの泣き顔で控室に帰ってきた私を見て他の受験生がドン引きしていました。
私は受験番号が早い方だったので私より後の受験生は私を見て相当ビビってたと思います。
                      うわぁ…あの子面接で何言われたんだろう。
うそ、圧迫面接だったのかな。
あの子何の業種の受験生なんだろ。
え、警察行政?うそー怖ー。         
                      そんな声が周りからほのかに聞こえてきましたがそんな事よりも私の頭の中は
あー落ちたなー終わったなーまだニート生活が続くのかー
で一杯でした。

午後の面接は気持ち的にもはや消化試合でした。
午前の面接官とは別の面接官でしたがこちらもやはり警察官です。
顔と雰囲気は怖いけど(失礼)、さすがに午後も圧迫面接ではないだろうと思っていたら予想通り普通の面接でした。
そしてやはり、第一志望はどちらかと聞かれました。

私は即答で警察行政ですと答え、更に
警察行政に受かったら県警の二次試験は受けません
と宣言しました。面接官は
え、県警受けないの?
と少し驚いていました。
その後いくつか別の質問を聞かれ、最後に
採用されたら一生懸命頑張ります
と精一杯のアピールの言葉を並べて終わりました。

その後、警察行政の合格発表の前に県警の二次試験(体力試験)を受けました。
面接試験は合格発表の後です。
腕立て伏せとシャトルランがきつかったです。

この頃、もしも警察行政に落ちたらどうしようかなと考えていました。
県警の面接は圧迫面接をした面接官です。
正直二度と会いたくない。クソ怖い。
そもそも面接を受けたとしても受かる気がしない。
万一受かったとしても警察官なんて仕事出来るわけがない。
じゃあ何で受けたんだと言われればやる気アピールで受けただけだ。
でも他の公務員試験は受けていない。
このままニートを続けるのも困る。
県警の試験は受けたくないけど受けざるを得ず、かつ受かっても落ちても困るのです。
八方塞がりでした。
予備校で面接対策をする気にもなれず、ひたすら警察行政の合格だけを願う日々でした。

そして合格発表の日。


結果は不合格でした。


これで私は県警の二次試験(面接)を受けることになりました。



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