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詩集 いつまでも終わらない歌がここにある

終わらない歌

一滴の血と、
一雫の涙と、
一編の詩と、
満たされぬ想いと、
ひとつの喜びと、
ひとつの悲しみと、
ひとつの言葉と、
ひとつの祈りと、
ひとつの音楽と、
ひとつの静寂と、
ひとつの希望と、
ひとつの絶望と、
ひとつの出会いと、
ひとつの別れと、
ひとつの愛と、
ひとつの幸福と、
終わりのない始まりと、
いつまでも
終わらない歌が
ここにある。


静寂な場所での
ひそひそ声
遠くへ呼びかける
大きな声
気の知れた人との
話し声
どこかから聞こえる子どもの
泣き声
楽しい時が流れる
笑い声
ひとりからいつしかたくさんの
歌う声
大好きなあなたの
甘い声

様々な声が
日常に溢れている
今日もどこかで
ひとつの声が
広がり始め
やがて
たくさんの声が
ひとりひとりの心を
満たしてゆく


言葉に
音が付いて
歌が生まれる

歌は
嬉しい時
悲しい時
苦しい時
楽しい時
いつも心に
寄り添ってくれる

そして
ひとつひとつの時を
彩る歌たちは
欠かせないものとなってゆく

それは
絶えることなく
人々の心に
寄り添い続ける


うたを あなたに

うたが聞こえる

ひとりぼっち
寂しくて
悲しい時は
耳をすます

どんな状況にあっても
音は
この空間を
駆け回っている

ほら
耳をすますと
どこかから
うたが
聞こえてくる

歌の輪

私が
歌うと
誰かが
歌う

誰かが
歌うと
私が
歌う

次第に
歌の輪は
広がり
笑顔が溢れ
幸せな気持ちになる

歌の輪が
広がることで
人々の
心は
より豊かになる

歌は希望
歌は喜び
歌は平和への
第一歩

うたを歌えなくなったら

もしも
うたを歌えなくなったら
ぼくに
何が残る

もしも
うたを歌えなくなったら
ぼくは
何を思う

もしも
うたを歌えなくなったら
あなたに
何を伝えられるだろうか

うたは結ぶ

うたを
歌うと
心が
安らぐ

うたを
歌うと
苦しみを
忘れる

うたを
歌うと
気持ちが
伝わる

うたは言葉
うたは心
うたは愛
うたはメッセージ

うたは
わたしと
あなたを
結ぶ

うたを あなたに

いま
うたを うたう

あなたの
心へ
うたを届ける

それが
私から
あなたへの
''ありがとう''

いま
うたを あなたに


あなたは歌え

喜びを歌え
怒りを歌え
哀しみを歌え
楽しさを歌え

悔しさに苛まれる時ほど歌え
優しさに包まれた時ほど歌え
諦めかけてしまう時ほど歌え
出会いに恵まれた時ほど歌え

心を歌え
命を歌え
魂を歌え
愛を歌え

自分自身のために歌え
そして
誰かのために歌え
だから
あなたは歌え


思い出のメロディー

思い出の近くには
いつも
メロディーが
側にある

祖母が歌ってくれた
子守唄

母が良く歌っていた
演歌

帰宅を促すチャイムの
夕焼小焼

ピアノ教室で聴いた
モーツァルトのソナタ

学生時代に歌った
宗教音楽

弱った心を奮い立たせた
応援ソング

好きな人が聴いていた
アイドルソング

心に留まった
泣け歌

好きなアーティストの
ヒットソング

思い出の側で
メロディーは
いつも寄り添ってくれた

生まれてからの
人生で
幾度も
心地好いメロディーに
めぐり逢う

どこかで聴いた
メロディーが
思い出を
蘇らせてくれるのだ


ふと歌を・・・

ふと歌を
口ずさみたくなるときがある
たとえば
風呂に入っているとき
温かい湯に浸かりながら
思い切り
一人の世界に入り込んで

ふと歌を
口ずさみたくなるときがある
たとえば
酔っているとき
酒の心地良さに浸りながら
何も考えず
人目も気にしないで

ふと歌を
口ずさみたくなるときがある
たとえば
嬉しいとき
スキップでもしながら
ルンルンと
嬉しかったことを思い浮かべて

ふと歌を
口ずさみたくなるときがある
たとえば
悲しいとき
空を見上げて
ぼんやりと
密やかな声で

歌は
いつも どのようなときでも
心に寄り添ってくれている

今日もまた
ふと歌を
口ずさみたくなるだろう


歌姫への二章

歌姫が持つ感性のナイフ

歌姫は
2020年の状況を
自身が持つ
感性の鋭いナイフで
綺麗に切り取った

切り取った
2020年は
断片となって
歌姫のもとへと
落ちてゆく

次に
歌姫は
2020年の
断片から
言葉と音を
紡ぎ出した

こうして
2020年が
歌姫のもとで
ひとつの
アルバムとして
まるで
歴史を書き記したような
音楽作品を
生み出したのだ

歌姫の声が
歌姫の音が
歌姫の言葉が

聴く者の
耳から心へと
共鳴していく

だが
これは
今に始まった事ではない

歌姫の持つ
感性のナイフは
いつの時代も
捉えていた
過去も
現在も

そして
未来も
見据えているかのように・・・

歌姫は
歴史を作品に宿し
後世へと
歌い残していくのだろう

歌姫の創り出す世界

歌姫が
ステージに現れ 歌い始めた時
オーディエンスは
たちまち
歓声と拍手をあげる

歌姫のバックには
豪華な舞台セットと
プロプレイヤーたちが構えている
それを見て
オーディエンスは
より気持ちが昂っていく

曲が終わり
歌姫が話し出すと
オーディエンスは
歌姫の声に 耳を傾け
様々なアクションで応える

オーディエンスは
既に歌姫の虜になっている
歌姫の声に、歌に、姿に、
何も考える必要はなかった
ただ歌姫に
身を委ねていれば
それだけで心地好い時間が流れる

ステージが
全て終われば
オーディエンスは
まだ 歌姫の世界に浸りたく
アンコールを求める
拍手と歓声で会場を満たす
歌姫が
再び 姿を現すと
拍手と歓声は
最高潮を迎える

歌姫は
舞台への想いを語りながら
感謝の言葉と
時折流す涙に
オーディエンスも誘われる
歌姫が
アンコールに選んだ名曲に
オーディエンスも歌い出し
たちまち合唱になる

歌姫の創り出す世界に
一体となり
いつしか 会場は
温かい雰囲気に包まれていた

アンコールも終わり
歌姫の姿を見送ると
オーディエンスも
また歌姫に会える時を楽しみに待ち
会場を後にする

これまで
第一線を走ってきた
歌姫の創り出す世界は
いくつ時が過ぎても
人々の思い出となり
焼き付いている


やがて、ひとりの声は・・・

わたしの声は
小さいかも知れないけれど
みんなの声を
耳で聞いて 心で感じて
混ざり合わせる

小さかった
わたしの声は
みんなの声とともに
膨らんでゆき
ひとりでは
奏でることの出来ない
ハーモニーへと
変わっていった

ひとり
またひとりと
声が重なる度に
ひとりの声は広がり
やがて 合唱となって
この空間を
いっぱいに満たしてゆく

わたしは
みんなと歌いたい

命を 祈りを 願いを 夢を

そして
やって来る未来のために


歌は始まる


それは 癒すもの


それは 慰めるもの


それは 力を与えるもの


それは 寄り添ってくれるもの


それは 人と人とを繋ぐもの


それは 心から溢れ出るもの


それは いつまでも終わらないもの

あなたが歌い出せば
どんな時でも
どんな場所でも
歌は
何度でも始まる



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