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私を形作ったもの 第五弾 BLACKLAGOON PART3


 前回の続きはこちらとなっております。

第四節 各章振り返りコーナー

El Baile de la muerte(ロベルタ編)

 BLACKLAGOONで最も長いエピソードであり、恐らく一番人気が高いであろうロベルタ編。
 序盤に出て来たガルシアが再登場。しかし、彼の家はアメリカ軍によって、攻撃され、父親を失うこととなってしまいます。。
 その結果、最強のメイドこと、「フローレンシアの猟犬」と渾名されたコロンビア革命軍(FARC)の凄腕テロリストと呼ばれた女・ロベルタを覚醒させ、やがて、ロアナプラを巻き込む一大抗争に。
 大人になりたくはなかったが、なるしかなかったガルシア。ロックは、彼の姿を鷲峰雪緒と重ねてしまいます。
 彼を救う為、ロベルタを止める為、傍観者だったロックが、暗躍
 ロックのギャンブルは、光の道を歩むガルシア達を巻き込み、それは徐々に大きくなり、バラライカや張を巻き込む程の大きな事態に発展します
 
 アメリカ軍、キューバ海軍、ホテルモスクワ、CIAと言ったそれぞれの思惑を翻弄するように、暴走するロベルタ。
 ロベルタの無双ぶりや、それを止めたい人、殺したい人、追い出したい人等、それぞれが動けば動く程、大きく絡まり、話がどんどん複雑になっていくのが、このロベルタ編最大の魅力です。
 ラストも衝撃的なんですけど、ロックが闇堕ちするのが、とにかく辛い。それまでの過去を乗り越えるはずが、そっち側のやり方に堕ちてしまい、レヴィが滅茶苦茶、ヒロインしてる事態を誰が予想出来たことか。

 この章最大の魅力は、何と言っても、レヴィ達を喰らい尽くす勢いのロベルタの暴走と彼を止めたいガルシアと彼のメイドこと、ファビオラの成長模様があげられると思います。
 終盤のロベルタとNSAとの戦いは作中最大にして、最高峰の呼び声の高い回となっています。アニメの方は原作より、シビアになっていますが、結構ハードなので、お覚悟のうえでご視聴の程。
 個人的に、エダのチンピラが最高にカッコ良すぎるので、是非とも読んで欲しいエピソードとなっていますが、中々に話が複雑で一度観ただけでは、理解出来ないと思うので、何度も観たり、アニメ見たりするとより一層、解像度が増すと思います。

The Wired Red Wild Card(フォン編)

 ガルシアとの一件で燻るロックでしたが、そんな彼の前に現れたのは、偽札編で登場したジェーンの組織に追われた中国人のフォン。
 彼女は、中国人民解放軍の優秀なハッカーで、ジェーンの組織を追い詰めるつもりが、逆に彼女の罠に嵌り、組織にも国にも追われる羽目に。
 やがて、フォンの命を狙い、謎の四兄弟が現れ、大乱闘。その陰に潜む謎を解く為、ロック達は奔走することになっていきます。

 闇堕ちしたかと思っていたロックにとって、フォンとの出会いは燻っていた彼を変えて行くこととなるきっかけの章。
 この出会いと通して、成長するロック。彼の頭脳と経験が一人の女性を救うことに。
 明らかとなる事実や倍返し、独りだけ、散々な目に遭うレヴィ等、ロベルタ編から、暗かった空気を入れ替えるような爽快感のあるのが、このフォン編の特徴。
 他にも、コーサ・ノストラの新ボスこと、ロニーが意外と優秀だったりとこれからに期待が持てる内容も多かったりとまだまだ広がりを見せるBLACKLAGOONの新しい一面も見られたりします。
 僕個人の感想として、本当にフォンやるなら、伊藤静さん辺りがいいなって、ずっと妄想してしまいます。アニメまたやってくんないかなぁ?

 これが発売されるまで、凄い時間が掛かってしまい、いつも叩かれる広江先生。何とも胸が痛むばかりです。
 広江先生自身も、結構エゴサしては戦っているみたいですけども。
 何で、人間って、愚かなんでしょうね?本当に、この風潮嫌いです。

L'homme sombre(五本指編)

 ロアナプラで謎の黒人狩りが横行し、再び危機が訪れます。
 しかも、それを行ったのが、女性5人組というのだから、末恐ろしい。
 謎の5人組を追っていくロックとレヴィ。その背景には、ダッチの過去が絡んでいた。
 やがて、5本指の一人・ルマジュールを捕まえ、彼女達の目的を知ることになり、彼等の狙いがダッチであることが明らかに。
 そして、ロックはロアナプラの為、ルマジュールを裏切るように仕向け、5本指を一網打尽にする計画を考えます。

 これまで、明らかにされることの無かったダッチの過去、過去を乗り越え、成長したロックがロアナプラを動かす姿等、変化していくこの作品を象徴するようなお話となっております。
 このルマジュールって、キャラが凄く可愛いんですよ。今までの今作では考えられなかった位、愛嬌が良くて、いい空気感を醸すキャラで凄く好感を持てて、すぐ死ぬ世界観の本作にとって、どうか、生き抜いてと願うキャラの一人です。

この後の後日談が、本当にBLACKLAGOONですか?あんなに人殺しまくった作品とは思えない位、気持ちのいいので、是非とも読んで貰えると嬉しいです。
 ネタバレなんですけど、結局のところ、ダッチに何が起きたかはわかりませんが、何だって掘り返せばいいわけじゃないし、こういうのは知らない方が身のため。
 ネットでなんでも調べたら、出て来る時代だからこそ、考える余白や想像することの大事さとか、人には知られたくない過去の一つや2つはあるから、詮索することはいつだって、吉じゃないという暗示なんでしょうか?

 因みに何で5本指が女性だったかと言えば、広江先生曰くおっさんばかりで、書き疲れたとか・・・・。オダッチも映画で伝説のじじいばかりやるのに疲れたと言っているので、時代は女性を求めているのかもしれません。

 以上が現在、BLACKLAGOONの全章となっております。
 本当はまだまだ書くことが沢山あって、その中で僕の心に響いた部分を抜粋したものとなっているので、是非ともお手に取って、読んで貰えると嬉しい限りです。

最終節 まとめ

 今回のBLACKLAGOONは如何でしたでしょうか?
 読み始めて、時間は立ちましたが、未だに好きな作品で、新刊が出る日をいつも心待ちにしている自分がいます。
 それでも、広江先生の体調もあるので、文句は言えません。どうか、お体にご自愛の上、これからも楽しい作品に期待しております。
 
 BLACKLAGOONが始まって、随分と時間は流れましたが、未だに面白いと思えるのは、偏に広江先生の描く世界観が大好きだからというのと漫画という世界の中で変化しながらも、自分だけは揺るがない人々の人間模様にいつだって、心躍っている自分とこんな反社会勢力のやべぇヤツにはなってはいけませんが、どんな世界であっても、戦い続ける人々の芯の強さは生きる上で参考にしたいなと思うばかりです。

 BLACKLAGOONは様々な媒体で配信中なので、是非とも、この機会にご視聴頂けると嬉しいです。
 それでは、次回の第六回は「ソードアート・オンライン アリシゼーション  war of underworld」でお目にかかりましょう。

おまけ 名言コーナー

 ……まったく、とんでもねえ野郎を拾っちまったなァ。
イカれてるとしか思えねえぜ。
だが面白え。
面白えってのは大事なことだぜ、ロック。
やったろうじゃねえか。

BLACKLAGOON 第1巻 ダッチより

俺はね、もう死んでるんですよ。
あんたがそう言った。
俺の名は、ロックだ。

BLACKLAGOON 第1巻 ロックより

馬糞野郎よく聞けよ、聞くことなど何もない、
知りたいことは知っている。祈れ。
生きてる間にお前ができるのはそれだけだ。

BLACKLAGOON 第1巻 バラライカより

ロック、言っとくがな、
同情ってならねえ話だぜ。
不憫だろうよ、どっかの変態の慰み物になるか――
内臓抜かれるかしか先はねえからな。
でもな、うちの商売の足しにさえなってりゃあ、
そいつは問題なしだ、わかるか? 
ノー・プロブレムだよ。
正義がなくとも地球は回るぜ?

BLACKLAGOON 第1巻 レヴィより

カン違いしないでね? 
お願いじゃないの、命令。

BLACKLAGOON 第1巻 バラライカより

神もいねえ中国人のメスガキに
頼れるものはいったいなんだ?
そいつは金だ。そして銃だ。
この二つがありゃ天下太平だ。

BLACKLAGOON 第2巻 レヴィより

…金は、神か?
力、さ。神よりゃよほど役に立つ。

BLACKLAGOON 第2巻 レヴィより

一ついいことおせえてやるよ。
こんなもんはな、撃てて当たりゃいいんだよ。

BLACKLAGOON 第2巻 レヴィより

ロビン・フッドがいねェなら、
ロビン・ブッドになればいい。
泣き寝入りして文句たれて生きてるよりゃ、
よっぽどマシな生き方だ!

BLACKLAGOON 第2巻 ロックより
 

俺には道徳やら正義ってものは、肌に合わん。
その手の言葉と、尻から出るヤツは、
びっくりするほど似てやがる。
そのガキ共に同情するのは、
ミサイル売って平和を訴えてるど阿呆共とどっこいだ。

BLACKLAGOON 第2巻 張維新より

同士諸君、ベロッキオファミリーが襲撃を受けた。
だが――予定に変更はない。全て想定どおりだ。
現刻より状況を開始する。
勇敢なる同志諸君、我らにとってサハロフ上等兵、
メニショフ伍長はかけがえのない戦友だった。
鎮魂の灯明は我々こそが灯すべきもの、
亡き戦友の魂で、我らの銃は復讐の女神となる。
カラシニコフの裁きのもと、
5.45ミリ弾で奴らの顎を喰いちぎれ!!

BLACKLAGOON 第3巻 バラライカより

本当に残念だわ、坊やには悪いけど――
あなた、ここでお終いなのよ。
でもその前においたのことは謝ってもらわないと。
ねえ坊や。とりあえず、そこに跪きなさいな。
そんなこといって――
跪け。

BLACKLAGOON 第3巻 バラライカより

あの子を養うか? 無理だ。
あの子は殺しをやめられないよ。
……誰かが、ほんの少し優しければあの子たちは――
学校に通い、友達を作って、幸せに暮らしただろう。
でも、そうはならなかった。
ならなかったんだよ、ロック。

だから―――この話はここでお終いなんだ。

BLACKLAGOON 第3巻 ベニーより

こういうのはな、びびったら、負けだ。

BLACKLAGOON 第3巻 張維新より

意志と目的がありゃ、負けとは言えねえよ。

BLACKLAGOON 第3巻 タケナカより

俺もお前も後ろしか見てなくて――
そうしてる限りは何も変わらん。
変えられんことは譲れないことか。……まったく。
だがな、今となっちゃあどうでもいい話だが――
お前はいい仲間だった。
酷い話だな、イブラハ。

BLACKLAGOON 第3巻 タケナカより

そうだおじさん! お仕事は何を?
“お仕事”か、…そうだな。やっと吹っきれた。
俺の仕事はな、”公共の敵”さ。

BLACKLAGOON 第4巻 タケナカより

人ってね、賽子と同じだって、
あるフランス人が言ってるんです。
自分でね、自分を投げるんです。
自分が決めた方向に。
それができるから、人は自由なんですって。
みんな境遇は違ってて――でも、どんなに小さな選択でも、
自分を投げ込むことだけはできるんです。
それは偶然とか成りゆきじゃないんですよ。
自分で選んだその結果、ですよね。どうでしょうか?

BLACKLAGOON 第4巻 鷲峰雪緒より

“曽我の助六”が遊びに来やしたよ。さァて………
“鬚の意休”はどちらにおいでで?

BLACKLAGOON 第4巻 松崎銀次より

大事なことを忘れてたよ――ここじゃあたしは、あんたの銃だ。
あたしの役目はあんたの生命(ライフ)を護ることで――
あンたの生き方(ライフ)を邪魔することじゃねェものな。
だから――ついていくよ、マスター。

BLACKLAGOON 第4巻 レヴィより

“死に急ぐ”? ”死に急ぐ”だって?
大変な勘違いさ、
あたしたちは――歩く死人なんだぜ、ロック。

BLACKLAGOON 第5巻 レヴィより

悪党だな、ロック。正しい判断だ。
いい悪党になるぞ、…お前は。

BLACKLAGOON 第5巻 バラライカより

お前、生きようとしたな。
遅いぜ、遅い。
あたしらの行きつく果てはな、泥の棺桶、だけだ。

BLACKLAGOON 第5巻 レヴィより

神は天にいまし、世はこともなし、だ

BLACKLAGOON 第6巻 エダより

私の会社を舐めるなよ?チンピラ。

BLACKLAGOON 第6巻 エダより

そうだ、部下がキャンベンディシュの一味と知らず……
この村の人たちを見殺しにしてしまった、
臆病者の大間抜けだ。おまけにどうやら、
俺にはトントすらいないらしい。
だが……この子だけは残った、だから――俺は……
俺は、ローン・レンジャーになるしかないんだ。

BLACKLAGOON 第9巻 シェーン・J・キャクストンより

――逆に質問するわ。
今の私は何? 私はいったい誰?
私は中国人? 不是。仕事は? 不是。
これまで積み重ねてきた人生や関係性? 不是。
過去も故郷も、国も資格も――綺麗さっぱり奪われた、
かつてのあなたと同じようにね。
でも――生きてる私だけは、確かにここにいる。
殺されるのも、野たれ死ぬのも、死に方を、
そして――生き方を、
私だけが、選んで決められる。
私だけが、選んで決められる。
最高じゃない、最ッ高に――猛るじゃないよ。

BLACKLAGOON 第10巻 フォンより

我々が互いに猜疑し、己が利のみを追求した結果、最後にリングに立つのは誰だと思う? ……そこには誰もいねえのさ、諸君。俺も、お前らも、そしてリングもだ

BLACKLAGOON 第7巻 張維新より

どっちの結末をお前は選ぶ。命は一つだ。二つは取れないぜ

BLACKLAGOON 第8巻 張維新より

この世に信奉すべきは剛力のみ、ただ独つ。俺達の流儀にして、唯一の戒律。

BLACKLAGOON 第巻 張維新より

 してやる?してやるじゃねぇ。
 てめぇがあたしにファック、されるンだよ。

BLACKLAGOON 第11巻 レヴィより

 敬意ってのは、大事だぜ、特にこの業界じゃな。
 言葉一つで首から上がすっ飛ぶこともある。覚えとけ。

BLACKLAGOON 第11巻 ロニーより

 その人がやがて迎える・・・・
 いえ、迎えざるを得ないー
 運命が、物語が、結末が見たいのよ

BLACKLAGOON 第11巻 フォンより

 何処に居たって、孤独は毒だ。
 それにー
 信用と信頼は似ているが、少し違う。
 頼るのは、好かないし、頼られるのも、困る。

BLACKLAGOON 第13巻 レヴィより

 俺が采配することでー
 かつての俺のように、不要と指された誰かを掬い上げられるかも。
 ひょっとしたら、この街の凡てが。
 (中略)
 捨て身でかかれば、この世の果てがきっと見える
 「見るべきほどの事は見つ」
 俺は最後の瞬間にそう言うつもりです。

BLACKLAGOON 第13巻 ロックより

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