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読書記録「虚夢」

〜今日の1冊〜

今日は薬丸岳さんの作品を紹介したいと思います。

通り魔事件によって娘の命は奪われた。だが犯人は「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった。心に大きな傷を負った男は妻とも別れてしまう。そして事件から4年、元妻から突然、「あの男」を街で見たと告げられる。娘を殺めた男に近づこうとするが……。人の心の脆さと強さに踏み込んだ感動作。

Amazonより

〜読後の感想〜

通り魔事件で娘を殺されたが、犯人は「心神喪失」状態で罪には問われなかった…精神障害という難しい題材を取り上げた作品で、内容的には重たいんですが、読みやすかったです。
話の後半にいくにつれて、次々に明らかになっていく事実に「そう来るか!」…と終始驚きっぱなしでした。
私はこの話を読みながら、被害者目線・加害者目線の両方から語られる言葉は、それぞれが間違っていないと思いました。
被害者目線から見れば、犯人を許されないと思うのは当然のことだと思います。
しかし、加害者目線で見ていっても、加害者の苦悩だったり、心の葛藤があって、それを知ると、「殺人」を許してはいけないけれど、加害者がなぜそこまで追い詰められたのかを考え、複雑な気持ちになりました。
毎回言わせていただいていますが、薬丸さんの作品は考えさせられることが多いです。
そして、加害者目線も書かれることが多いため、双方の苦悩・葛藤を知ることができます。
話のテーマが毎回難しいし、テーマに対して自分なりに答えを探しながら読み進めるんですが、結局最終的に答えがでないということが多いです。
この作品も、色々なことを考えさせられましたが、読んでよかった1冊でした。


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