1周して戻ってくる

「お母さん今日出掛けてくるから、お昼は自分で作って食べて!」
一人で留守番をすることになった小学生の鱸少年。
「よし!帰ってくるまでファミコンだ!」
出掛ける母を見送りながら心の中でガッツポーズ。
そして母がいない日のお昼は決まってインスタントラーメン。
最近、作れるようになった。以前、兄が器を使わず、作るのに使った鍋を器代わりに食べているのを見て、ずっと真似したいとおもっていた鱸少年。
ワクワクしながら実行してみた。スープを飲もうと鍋に口をつけてみたら、
やっぱり鍋は熱かった。

最初はオーソドックスで作り方通りに作るのだが、作り慣れてくると、いろいろちょい足しやらアレンジがしたくなる。鱸家でも常備され始めた桃屋のキムチの素を入れてみたり、前日余った野菜炒めを入れてみたり…手軽に作れるインスタントラーメンでも楽しみ方がいろいろあって、自分好みにカスタマイズができるんだとそれなりに学習し、またそれを楽しんでいた。

ちなみに鱸家に常備してあるインスタントラーメン。
当時は決まって、明星食品のチャルメラだった。
多くのラインナップがあり、どれにするかは買い物をする母のセンスに委ねられるのだが、鱸家ではチャルメラ。母曰く「昔ながらで懐かしい感じが良い」との事。そんな影響もあって、個人的にインスタントラーメンの原点はチャルメラになる。そして今でもたまに食べたくなる。

最近はシンプルにチャルメラを楽しむ方向に変化してきた。
昔あれだけいろいろちょい足しをしたり具を入れたりしていたのにだ。
年齢とともに価値観が変わったのか何なのか…そこは謎のままである。
食べる度に言うお馴染みのセリフ「やっぱりこの味だよね!」とか「そうそう!これこれ!」とか「この味懐かしいな~」とチャルメラを堪能しつつ当時の思い出を懐古する。何とも幸せな時間…こういう感覚になるのは私も歳をとったんだろう…そして今日のお昼もチャルメラである。


#料理はたのしい

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