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獣の命と人間の命と。

昨日夜中、運転中に突如狸が飛び出してきた。ドライバーは全力で急ブレーキを踏んだが、間に合わなかった。命を轢いた音がした。命とは、こんなにも容易く喪われるものだという事実を突きつけられる出来事だった。狸からすれば、森は棲家であり家に帰ろうとしただけなのに、通り魔に遭ったのと同じだ。

彼はただ家に帰ろうとしただけだったのに。こんな風に突然命を奪われた。どうして逃げてくれなかったのかと悔しかった。かなしかった。だけど、恐怖で凍りつき反応が起こり動けなかったのかもしれない。怖かったよね、痛かったよね、ごめんね。 ヒトは便利を追求し、自然にとって走る凶器を生みだした。

物理的な凶器だけではない。感情という狂気もある。自ら死を選ぶという行為の背景を、重みを想像しようとしない。狂気は狂気だ。狸だけじゃない、人間だって容易く死ぬ。事実だけを見て、過程は見ないのか。悪意はまるで名前のない怪物のようだ。 闇夜の中ビームに照らされた狸の姿が頭から離れない。

昨日の苦しかった出来事を整理するためにツィッターに書いたことを引用する。

くかなしい。くやしい。くるしい。

忘れろと言われるけれど、きっと忘れられないだろう。
命とはかくも儚く、かくも尊い。

あなた→わたし→誰か→ほかの誰か