「○○したら××するぞ/××になってしまうぞ」と言う代わりに、「○○か××のどちらかだ」とわざわざ選択肢・候補を並べる ~映画「マトリックス」の場合 #1
◆概要
【「○○したら××するぞ/××になってしまうぞ」と言う代わりに、「○○か××のどちらかだ」とわざわざ選択肢・候補を並べる】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「マトリックス」
▶1
本作の主人公は、アンダーソン(男性30代。後に「ネオ」と呼ばれることになる人物)。
彼は、大手ソフトウェア会社に勤務する会社員である。
ある日、
・Step1:うっかり寝坊してしまったアンダーソン。
・Step2:かくして彼は上司から説教を食らうことになった。上司はまずは「ハァ」と大げさにため息をつくと、「きみは会社というものがわかっていないようだな」「うちは世界でもトップクラスのソフトウェアメーカーだ。社員には自分がその一部だという自覚が必要だ」。
・Step3:上司の説教は続く「そろそろ決めてもらおうか、アンダーソンくん。今後は必ず時間通りに自分のデスクに着いているか、他の仕事を探すか、そのどちらかだ。意味はわかるな?」。
・Step4:アンダーソンは神妙な顔つきで「よくわかりました、ラインハートさん」。
▶2
ご注目いただきたいのは、「今後は必ず時間通りに自分のデスクに着いているか、他の仕事を探すか、そのどちらかだ」という上司のセリフである。
要するに「次に遅刻したらクビにするぞ」という意味だが――ストレートにそう言ってしまっては面白みを欠く。
そこで【「○○したら××するぞ/××になってしまうぞ」と言う代わりに、「○○か××のどちらかだ」とわざわざ選択肢・候補を並べる】という技法の出番だ。「次に遅刻したらクビにするぞ」を「今後は必ず時間通りに自分のデスクに着いているか、他の仕事を探すか、そのどちらかだ」と選択肢提示型に置き換えたことでユニークなセリフになったといえるだろう。
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