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敵Aとの近接戦闘中に、敵Bがやってきた→「先に敵Bを始末しよう」と優先順位をつける→関節技で敵Aの動きを封じ、その間に敵Bを射殺する→それから悠々と敵Aも撃ち殺す

敵「ううっ!」

映画「ジョン・ウィック:チャプター2」


◆概要

「銃器を用いた近接戦闘」という戦闘スタイルがある。

具体的には「近距離での銃撃戦」や「ガンアクションと近接格闘術を組み合わせた戦闘」などであり、例えば「ガン=カタ」「ガン・フー」はよく知られている。

【敵Aとの近接戦闘中に、敵Bがやってきた→「先に敵Bを始末しよう」と優先順位をつける→関節技で敵Aの動きを封じ、その間に敵Bを射殺する→それから悠々と敵Aも撃ち殺す】はその一例。


◆事例研究

◇事例:映画「ジョン・ウィック:チャプター2」

▶1

本作の主人公は、ジョン・ウィック(男性、30-40代頃)。

彼は伝説の暗殺者だ。一時的に裏社会を離れていたものの、ゆえあって再び銃を握ることになった。


▶2

ジョンは「ガンアクションと近接格闘術を組み合わせた戦闘」のプロである。

作中には、目を見張る戦闘シーンがたくさんある。ここでは特に私が好きなシーンをご紹介したい。


いろいろあってある日、たくさんの敵と戦うことになったジョン

・Step1:彼は拳銃を握り、臨戦態勢で前進していった。

・Step2:ふいに、曲がり角から敵(以下「敵A」)が現れた。 →敵Aが登場

・Step3:敵Aはすかさずジョンに向けて発砲しようとした。危うしジョン!!……が、彼は冷静である。素早く腕を伸ばすと、敵Aの手首の辺りをグイっと上から押さえつけた。かくして敵Aの拳銃の銃口は床を向く。したがって、直後敵Aが発砲するが、その銃弾は床に向かって飛んでいった。 →まずは敵Aの攻撃を回避する


とそこに、

・Step4:新たな敵(以下「敵B」)が登場。 →2人目の敵が登場

・Step5:嗚呼、まだ敵Aを始末していないのにもう次の敵が来てしまうとは!大ピンチである。……が、ジョンはやはり冷静だ。彼は敵Aの腕を引っ張りぐるっとひねると、自らの腋を使って敵Aのひじを固定、その関節を極めた。おそらくはこれ「腕挫腋固」(うでひしぎわきがため)と呼ばれる技だろう。敵Aが悲鳴をあげる「ううっ!」。 →まずは関節技で敵Aの動きを封じる

・Step6:敵Aが苦痛にもがく。その間に、ジョンは敵Bに向けて発砲した。腹の辺りに1発、さらに頭部に1発。敵Bは絶命した。 →次に敵Bを始末する

・Step7:続いてジョンは敵Aの顔面にひじ鉄を食わせた。敵Aがひるむ。その一瞬の隙にジョンは関節技を解き、そして素早く足払い。敵Aが床にひっくり返る。直後ジョンは敵Aの頭部に向けて発砲した。見事命中。敵Aが死ぬ。 →その後、悠々と敵Aを始末する


▶3

まずご注目いただきたいのは、Step4-5である。

目の前の敵(敵A)を始末する前に、次の敵(敵B)が現れてしまった!普通なら焦るところだろう。慌てて敵Aを殺そうとしてしくじったり、あるいはパニックを起こしたりしてもおかしくない場面だ。

ところがジョンは違う。

彼は、①一瞬の内に「まずは敵Bを片付けよう」と優先順位をつけた。かくして②敵Aに関節技をかけて動きを封じると、その隙に③敵Bを射殺。④それから悠々と敵Aも始末したのだった。

嗚呼、プロフェッショナル!!


▶4

また、Step7でいきなり敵Aを射殺するのではなく、一度床に転がしてから発砲した点も注目に値する。

なぜ床に転がしたのか。

ずばり、密着している相手を撃つのは難しいからだ。狙いをつけづらいし、腕を掴まれたり銃を奪い取られたりする危険もある。相手を確実に射殺するには銃撃に必要な距離を取る必要があるのだ。

つまり、「敵を床に転がしてから撃つ」というこの行動もまたプロフェッショナルならではの合理的なものなのである。


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