オデッサの階段 ~映画「アンタッチャブル」の場合
◆概要
【オデッサの階段】は、映画「戦艦ポチョムキン」の中の6分ほどのシーンのことだ。打倒帝政を叫ぶ民衆が兵士によって虐殺される様子が描かれている。
これは映画の歴史にとって極めて重要かつ有名なシーンであり、多くの作品でオマージュやパロディが行われている。
本記事では、映画「アンタッチャブル」内のオマージュシーンを取り上げる。
◆事例研究
◇事例:映画「アンタッチャブル」
主人公ネスは捜査官チームのリーダーだ。その使命は、極悪ギャングをぶっ潰すことである。
ある時、ネスたちは作戦を立てた。すなわち、ギャングの親玉アル・カポネを脱税の罪で起訴してやろうというのだ。だがそのためには証拠がいる。ギャングの帳簿係をひっ捕らえ、脱税の証拠を押さえよう!
やがてネスたちは、「帳簿係が列車で逃走を図ろうとしているようだ」という情報を入手した。
逃がしてなるものか!
ネスとストーン(捜査官チームの一員、銃の名手)は駅に向かった。
・Step1:2人は駅構内の大きな階段の傍で、帳簿係の到着を待つことにした。深夜ゆえ人影はまばらである。
・Step2:しばらくして1人の女性が姿を見せた。彼女は一段一段階段を上りながら、乳母車を引き上げていく。乳母車の中には赤ん坊がいる。乳母車が重いのだろう、女性の動きは遅い。
・Step3:女性と赤ん坊が捕り物の巻き添えになっては大変だ。ネスは女性に駆け寄り、乳母車を引き上げるのを手伝ってやることにした。
・Step4:そしてネスが女性を手伝っていると……嗚呼!帳簿係がギャング数人とともに姿を現した。ネスの顔がこわばる。これはまずいぞ。というのも、ギャングたちはネスのことを知っているのだ。ネスがここにいると気がつけば、連中は容赦なく攻撃を仕掛けてくるに違いない。
・Step5:ネスはすぐに腹を決めた。こうなったらやられる前にやるしかない!彼は乳母車から手を放すと、コートの下に隠していたショットガンを取り出した。そして傍にいたギャングに向かって発砲!
・Step6:かくして、銃撃戦が始まった。
・Step7:一方、大変だ!ネスの手を離れた乳母車は階段を落ちていった。ネスはギャングを次々と撃ち殺しながら乳母車を追う。
・Step8:間もなく、ストーンが駆けつけてきた。彼はスライディングし、床に激突する寸前の乳母車をキャッチ。赤ん坊は無傷で助かった。
・Step9:さらにだ。ストーンは、床に寝転んで乳母車を支えたままの体勢から発砲。ギャングの最後の1人を見事に撃ち殺した。
・Step10:こうしてネスとストーンは市民を守りつつギャングをぶちのめし、さらに帳簿係を確保することに成功したのだった。
以上、「複数の敵と銃撃戦を繰り広げながら、階段を落ちていく乳母車を追いかけてキャッチする」という緊迫のシーンをご紹介した。
◇注目ポイント
上記を、映画「戦艦ポチョムキン」の当該シーンと比較してみよう。
状況(虐殺 v.s 銃撃戦)こそ大きく異なるが、それ以外の点ではよく似ていることがわかる。
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