【妄想】このギャルはなぜ清潔なのか?|「病弱なヤンキーの漫画」(3)
前回までのあらすじ
三葉と清水は傑作マンガを発見し、幸せな時間を過ごしたのだった!第1回、第2回(読んでいなくても大丈夫です)。
ケム木村「病弱なヤンキーの漫画」
※pixivでも同じマンガをご覧になれます。
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三葉「最後に1つ、清水さんとディスカッションしてみたいテーマがありまして」
清水「何でしょう」
三葉「ズバリ……『なぜこのギャルはこれほどまでに清潔なのか?』ということです」
清水「『清潔』?」
三葉「ええ」
清水「……汚ギャルがお好みで?」
三葉「いや、そうではなくて……だって長期間入院している設定ですよね。病院だから毎日は入浴できないはずです。どうしたって小奇麗さは失われていきますよ。それなのにこのギャル、超清潔なんですよ」
清水「なるほど。そう考えると、髪の毛がきれいに染まっているのも気になりますね」
三葉「確かに!長期間入院しているなら、当然根元は黒くなっているはずですよね」
清水「ええ」
三葉「で、最初の質問に戻りますが、なぜこんなに清潔なんだと思います?」
清水「そりゃあまぁ、マンガですからねぇ……」
三葉「いや、そうなんですけど……あんた、それを言っちゃおしまいですよ!」
清水「ふむ……」
三葉「『マンガだから』なんて言うつまらない大人にはなりたくないですね!」
清水「んー、私もあなたももう三十路すぎですけどね。……わかりました。『なぜ清潔なのか?』、その理由をお伺いしましょう」
【妄想】ギャルは隠れて努力する
三葉「それではお答えしますが……これは要するに、少年がやって来るにあたってギャルが身だしなみを整えているのではないかと思うんですよ」
清水「ほぉ」
三葉「例えば風呂。運よく前日が入浴の日ならまだしも、そうでない場合には……」
清水「『そうでない場合には』?」
三葉「前日の深夜、こっそり水道で髪や体を洗っているのです」
清水「……ん?」
三葉「想像してみてください。病院……草木も眠る丑三つ時……どこからともなく聞こえてくる水道の音……看護師が様子を見に行くと……ギャルが全裸で体を洗っている!」
清水「……怪談ですか?」
三葉「いえ、恋する乙女ですね」
清水「……」
三葉「当然看護師に怒られ、さらに風邪なんか引いちゃって、『畜生、あの看護師め。まだ尻を洗っている途中だったのによぉ……くしゅん!』とかね」
清水「……」
三葉「金髪にしたってそうですよ」
清水「……」
三葉「彼女は常識をわきまえたギャルですからね、他の患者の迷惑になることはしません。深夜、こっそりと屋上へ向かい、真っ暗闇の中でブリーチするわけです」
清水「ふーむ……」
三葉「運悪く強風の日もあるでしょう。『畜生!風!髪がなびくだろ!止め、風!』とかね」
清水「……」
三葉「こうした苦労の結果として、あの清潔さが保たれているわけです。しかし、彼女はそんなことはおくびにも出さない。……いかがです?彼女のいじらしさに胸がキュンとしませんか?」
清水「……うーん、『キュン』というか何というか」
三葉「で、肝心の少年の方ですが……あの野郎は気がつかないんですよ。彼女が必死に洗い、必死に染め、そして必死にブローしているんですよ。『髪、きれいだね』の一言くらいあってもよいじゃないか!」
清水「……」
三葉「それが心ある人間ってもんだろ!最低限度のマナーってもんだろ!」
清水「……」
三葉「ところがこの少年は何も知らない。何も気づかない。クソが!」
清水「……まぁ、ほら、彼は中高生でしょう?中学、高校頃の男にそんな気遣いは難しいものですよ」
三葉「まぁそうなんですけど……彼女のいじらしさを思うと、胸が張り裂けそうですよ!」
清水「……いやまぁ気持ちはわかりますが……それ、全部あなたの妄想ですからね。そうムキにならないで……」
三葉「……と、まぁね、そんな展開になっても面白いのかなと思った次第です」
清水「……」
三葉「いかがです?」
清水「……ギャルが体を洗っていると本当に幽霊が登場したり、お節介な看護師から恋のアドバイスを受けたり、話は様々膨らみそうですね」
三葉「今後に期待ですね!」
清水「……いや、たぶん作者のケムさんはそんな方向に話を進めないと思いますけど……まぁ、何にしても続きが楽しみですね」
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(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)
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