褒められた時に謙遜したり照れたりするのではなく、軽いジョークで応じる ~映画「バービー」の場合
◆概要
【褒められた時に謙遜したり照れたりするのではなく、軽いジョークで応じる】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「バービー」
▶1
本作の主人公はバービー(若い女性)。
彼女は、バービーワールドという世界の住人である。
しかしいろいろあってある日、
・Step1:バービーが人間界にやってきた時のことだ。
・Step2:彼女はベンチに座り、興味深げに辺りを見回した。
やがて、
・Step3:すぐ傍に老婆が座っていることに気がついた。
・Step4:バービーは老婆の顔をまじまじと見つめて「……あなたきれい」。
・Step5:すると老婆はいたって真面目な顔で「ええ、知っている」。
・Step6:直後、2人は顔を見合わせて笑った。
▶2
ご注目いただきたいのは、「ええ、知っている」という老婆のセリフである。Step6を見ればこれがジョークだとわかるだろう。
要するに彼女は、「あなたきれいね」と褒められた時に謙遜したり照れたりするのではなく、軽いジョークで応じたわけだ。
これがいい。
第1に、老婆がユーモアセンスを持ち合わせた魅力的な人物だと伝わってくる(本作のテーマ上、年老いた女性を魅力的に描くのは重要なことだ)。
第2に、この老婆は(作品のテーマ上は重要キャラであるものの、しかしあくまでも)端役であって、彼女が謙遜したり照れたりする様子をじっくり描いても意味がない。物語が停滞するだけだ。軽いジョークで処理したことで、テンポよく次のシーンに進めたといえるだろう。
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