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ソーセージ手作り体験。ドイツ生活のぼやき - 13

ドイツと言えばソーセージ。先日ソーセージ作りを趣味にしている方のお家で、初めてのソーセージづくり体験をしてきました。実際にお会いしてみると、趣味どころではなくかなり専門的にソーセージ作りを学んでいるのが分かりました。

「きほんのソーセージ」ということで、初心者にも作りやすいシンプルなレシピということでしたが、道具も必要ですし、何より細かい箇所でテクニックが必要なため、経験者の助けなしには難しいと感じました。これを一人でやり始めた彼女は素晴らしい!

今回も写真が多めになっています。

ひき肉に塩・胡椒・砂糖を加えた状態

500グラムのひき肉と調味料を手で素早く捏ねます。これで手のひらサイズのソーセージが5~7本できるんです!コツは、低温を保つこと。そして、捏ねて捏ねて捏ねまくって、「ネチョネチョ感」を出すことだそうです。

次の写真には「腸」が出てきます。苦手な方は目を閉じて、シュッとスクロールしてください。

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いいですか?

腸です!

通常、塩漬けされたものと、水につけられたものの2種類があるそうで、こちらは後者の水に浸しただけのものだそうです。ドイツで腸を入手する際は、数は減少しつつもまだまだたくさん存在する個人経営のお肉屋さん(MetzgereiやFleischerei)で購入できるのだとか。日本だとアマゾンなどで塩漬けのものが買えるそうです。

腸にもいろいろとサイズがあるそうで、それによって出来上がるソーセージの太さが変わることを学びました。今回は1人あたり1.5mほど使用しました。

そしてこの腸を「スタッファー」という道具にはめていきます。

腸をスタッファーという道具にはめていく工程

これはスタッファーという道具の一部です。つなげると小さなバズーカ砲のようなかたちになります。量産する際は、もっと大きな機械を用いるそうですが、家庭で楽しむ分にはこれくらいのサイズがちょうどいいようです。腸をはめる筒部分にもいくつかサイズがあって、作りたい太さによって使い分けるんですって。

スタッファー。奥に見える部品をつけると完全体になります

ところで、腸のニオイは一般的には「ケモノ臭」と表現するようなのですが、わたしには日本で暮らす愛犬の手の香りに感じました。ワークショップ中にそれを言ったら、それもケモノでは?と突っ込みが入りました。たしかに……!

腸詰めの工程

スタッファーの出口よりちょこっと太くなるように、お肉を押し出していくのが重要と教わりました。詰めすぎると破れてしまいそうと不安になりますが、思ったよりもむちむちにしてしまって大丈夫でした。ソーセージの先だけ結んであって、あとはお肉がなくなるまで詰めていくだけです。

冷水を張ったボウルに落としていきます

低温を保つことが大切なので、お肉が詰められた部分はどんどん冷水にじゃぽん。すべて詰め終わるとこのような見た目になります。

詰め切ったソーセージの赤ちゃん

真ん中にあるのは、スタッファーに余ったお肉を丸めたものです。こちらも調理して美味しく頂きます。

余った腸はどうするのだろうと思っていたら、ようやくここでステレオタイプ的な工程がやってきました。名前は分かりませんが、区切りをつけていく作業です。

腸をねじって区切る工程

こうやって区切ってみると、ますますソーセージらしくなりますよね。

たしかこの前に、気泡を割って見た目を整える工程もあったような気がします。小さな穴なら、肉は外に溢れ出てこないので、ピンでいくつか穴をあけて空気を逃がしました。

この状態になったら、次は沸騰したお湯にいれて、火を止め、40分ほど待ちます。本来は温度管理が難しいそうなのですが、初心者コースなので火を止めてしまうのが一番簡単で確実なのだそう。

お湯につけている間、講師や他の参加者さんとおしゃべりを楽しみ……

ゆであがったソーセージと肉団子

40分後にお鍋からソーセージを取り出したら、こんなに真っ白に!ちょっぴりバイエルンのヴァイスヴルストみたい。余ったお肉で作った肉団子を半分に切って、中が赤くないか見ることで、火の通りを確認できます。

火が通っていればこのままでも食べられるそうで、実際に肉団子を味見してたところ、調味料が塩・胡椒・砂糖だけとは思えない豊かな風味で、甘さも際立っており、感激しました。それでも焼いた方がなお美味しいとのことで、フライパンでこんがり焼きました。

焼かれるソーセージ

焼いている間に、ソーセージにゆで汁を飲んでみました。お肉のうまみが身体に染み渡って美味しいんです!講師の方は、ゆで汁を野菜スープに使うことが多いのだそうです。お汁を持って帰れないのが残念なくらい、本当に優しい味で気に入りました。

両面しっかり焼いたら完成です。

焦げ目が美味しそう

こちらがワークショップの最後に試食会の様子です。出来立てを作ったみんなで食べるのって最高!

試食会
レシピまで綺麗に作ってくださいました
拡大図

わたしは全部で5本作ったので、1本を試食会で食べて、残りの4本を家に持ち帰りました。夫は料理が上手ですが、生肉を触るのがあまり得意ではないので、一緒には参加せず、食べる専門です。

2本はその日のお夕食で焼いて食べました。ちょっとこんがりしすぎたでしょうか。

小さいのは半分にした肉団子

単純に考えると1本あたり100グラムくらいはあるので、ソーセージと付け合わせだけでお腹いっぱいになれます。

翌日は少し気分を変えるために、クリームシチューにソーセージを加えてみました。小麦粉とミルクとバターで簡単に作れるし、からだもぽかぽかになる素敵なレシピです。

お野菜たっぷりソーセージクリームシチュー

にんじん、玉ねぎ、ほうれん草、ズッキーニ、そして手作りソーセージが入っています。全部、たまたま家にあった食材たち。食材たちの一期一会ですね。

クリームシチューにしたらソーセージの旨味を感じにくいかしらと心配したのですが、むしろその逆で、ソーセージの美味しさがシチュー全体に広まって、他の味と上手に調和していて大成功でした。

人生初のお料理教室がソーセージづくりとは、また人生を豊かにすることができました。レシピを読む・見るだけでは知りえないコツもたくさん学べましたし、知識をたくさん持つ方に直接質問できる機会も貴重ですよね。参加前と後とでは、ソーセージに対する心持ちもずいぶん変わりましたし、お肉もパックされたものじゃなく、お肉屋さんで直接買ってみたいという気持ちまで湧いてきました。

道具と腸を揃えるのが、やはり初心者にはハードルが高いのですが、中身だけ作って茹でて焼いたら似た味になるかなと思い、また今度、家で挑戦してみようと思っています。次はスパイスも入れてみようかな?楽しみ~!


おまけ1

箸置き猫ちゃん

シチューの写真を撮っていたら、箸置きの猫ちゃんを映り込ませてくる夫。写真には写っていませんが、しっぽの部分にお箸が置けるようになっています。奥にぼやけて見えるのも箸置きで、こちらはダイレクトにお腹~首のあたりに置きます。可愛くてお気に入り。

おまけ2
いつも記事を書き終えてからタイトル画像を選ぶのですが、そのときに日本のソーセージの写真を何枚か見つけて気づきました。日本のソーセージ、小さい……じゃなくて、ドイツのソーセージ、大きくない!?と。すっかり慣れていて気が付きませんでしたが、こちらでは、日本の一般的なソーセージより大きいものが主流です。小さいのもありますが、ニュルンベルガーソーセージくらいしかまだであったことがありません。わたしの作ったソーセージも手のひらいっぱいサイズですから、確かに大きいですね(笑)


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