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わたしの街のハロウィン風景。ドイツ生活のぼやき - 12

わたしが住む街では、今日10月31日はハロウィンでもあり、宗教改革の日でもあります。

ルター派教会(プロテスタント)が多数派の州では今日が宗教改革の日(Reformationstag)として祝日、カトリックが主流の州では明日11月1日が諸聖人の日(Allerheiligen)で祝日なのです。国の中で祝日が違うって面白いですよね。

宗教改革の日もわたしにとっては興味深いことがたくさんあるので好きなのですが、今回はハロウィンについて書きたいと思います。写真多めです。


美味しいハロウィン【カップケーキ】

数日前にドラッグストア「dm」に行ったら、こんな飾りつけがしてありました。店員さんが手作りしたのだと思います。可愛いですよね。

ドラッグストアの飾りつけ

このドラッグストアで、秋らしいカップケーキの素を発見しました。

パンプキンスパイスカップケーキ
パンプキンカップケーキの作り方

粉とミルクをよく混ぜて、電子レンジかオーブンで温めるだけ。電子レンジなら1分、オーブンだと15分ほどかかります。わたしは待てなかったので、電子レンジで簡単調理。

出来上がりをふたつに分けてお皿に出したのがこちらです。

パンプキンスパイスカップケーキ

ふわふわで優しい味と香りが美味しい!

250円程度で買えるBIO製品。大きさもひとりだと大満足、ふたりだとちょうどよく分けられるので、おすすめです。

パンプキンではないですが、カップケーキ自体はスーパーにも売っていて、そちらはサイズが小さいもので160円(1ユーロ)ほどだったと思います。

スーパーで購入したのがこちらです。Dr.Oetkerというメーカー、よく見かけます。なんと電子レンジで45秒!チョコチップ入りでおやつに最適です。

Dr.Oetkerのチョコチップカップケーキ

割ってみるとこのようにチョコチップがうまく溶けて、食べる前のワクワクも楽しめます。dmのパンプキンスパイスカップケーキよりは小ぶりです。

チョコチップカップケーキの断面

電子レンジでカップケーキを作ると、しばらく電子レンジを開ける度に甘い匂いが漂ってきます。美味しい……。でもお醤油のものを温めるときなど気になるので、そういうときはカップ一杯のお水を温めて、蒸気を発生させて匂いを除去しています。そういう方法であっているのかは知りませんが、上手くいっています。

ハロウィンといえば【ドイツのかぼちゃ】

ハロウィンといえば、かぼちゃのランタン?お~きなかぼちゃをくり抜いて、こわい顔や変な顔を作って楽しむのだそうです。

ドデカかぼちゃ

こういった飾り用のかぼちゃは食べることを目的にしていないのだとか。わたしは食べられないと悲しいので、買ったことがありません。

かぼちゃをくり抜くとき、中身は素手を突っ込んで取り除くのだそうですが、その感触が気持ち悪いんだよねと先日大学の知り合いが言っていました。そういう人向けに、かぼちゃ用のシールが売られていたり、すでに顔が描いてあるかぼちゃが売られていたりと、ドイツでもハロウィンといえばかぼちゃなのだなあと感じます。

ちょっとこわい顔の小カボチャ


自己表現の場【招待制仮装パーティー】

わたしたちは数年前から、パーティー好きな友人が主催する仮装パーティーに招待されているので、毎年この日に仮装するのが恒例となっています。コロナ禍では直接招待された人しか参加できなかったのですが、今年からはさらに友だちを誘ってもいいとのことで、わたしたちの友人も誘って3人で変身して会場に向かいました。貸し切りパーティーです!

わたしが変身したのは、『千と千尋の神隠し』のキャラクター、カオナシです。

踊っていたら他の人の赤いフェイスペイントがついてしまったカオナシ

このマスクは夫が厚紙から手作りしてくれました。ペイントはアクリル絵の具です。目のところに小さな穴をあけて、うっすらですが前も見えます。

汚れる前のカオナシ

もう使うことも少なくなったマスクを使って、耳掛けもを作成。息ができるスペースができるように、顎あてにはスポンジをつけてもらいました。

こうやってみるとこちらの面が仮装用みたい

みんなで撮った写真がこちらです。

左から、フランケンシュタイン(友人)、赤鬼(夫)、カオナシ(わたし)

フランケンシュタインのセットは、パーティーグッズ屋さんで仕入れたのだそうです。顔も緑にペイントして、不気味でかっこよく変身していました。

赤鬼の顔はすべてフェイスペイントペンで塗りました。うっすら見えている牙もペイントペンです。角は厚紙で円錐を作り、アクリル絵の具で塗ったようです。それをカチューシャにつけて完成。

夫は本当に器用な人です。

赤鬼の角。虎をイメージした色。

カオナシ(わたし)は金貨の形をしたチョコレートを「あっ、あっ」と言いながら配りながら踊りました。映画を知らない人もいたようですが、お菓子は人の心を掴むようで、カオナシはすぐに人気者に。

金貨チョコを差し出すカオナシ

赤鬼の完成度も、カオナシのパフォーマンスも良かったようで、多くの方から写真を頼まれて、少し誇らしい気持ちも味わえました。

実はわたしはこういったうるさい場所がそんなに好きではないし、そもそもうるさい場所では声を聞き取りづらい体質なので、会話は基本的に楽しめません。わたしにとって、こういうところではお面をつけて踊って汗を流すのが一番なのです。というわけで、この格好でたくさん踊ってきました。

とはいえ、何人か興味深い人たちにも知り合いました。サーカスのような舞台でジャグリングや音楽を披露するイタリア人や、日本の大手会社で働く3つの国のルーツを持つ人、レゴブロックになりきるフライブルクという街が大好きなドイツ人……。ショーをするイタリア人は、イタリア語以外は話さないので、わたしの中途半端なイタリア語では意思疎通が難しかったので夫の通訳を挟みましたが、とても良い人というのは伝わってきて、今度彼のショーを見に行ってみようという気持ちになりました。

ショーをするイタリア人。手にはヨーヨー。
地下スペースは人でぎっしり

狭い地下のスペースで、酒飲みが多数。煙草を吸う人もいれば、大麻を吸う人も……!大麻はさすがに驚きました。お面をつけていてはさすがに酸素が足りなくなって、ひと汗かいた後は外に出て一休み。

でもドイツでは22時以降は「Ruhezeit」といって、静かに過ごさなくてはならないので、外でお喋りをするのも、外に長い時間出ているのもいけないのだと申し訳なさそうに店長に言われました。ちょっと息を吸わせてくださいなとお願いして、3分だけ外で休憩し、また踊って、そのあとはもう疲れてしまって、帰路に着きました。

帰り道、パーティーで見かけたドイツ人の女の人がうずくまって動けなくなっているのを発見しました。にんじんの格好をして、全身がオレンジ、頭に草をつけていたので、すぐにわかりました。小雨とはいえ気温も下がってきて、何かあったのかと思い声をかけると、どうやら単に酔っ払っただけとのこと。それでもひとりでいるのは心配で、一緒に停留所まで歩くことにしました。

後に救うことになるにんじんの格好の人

かなり飲んでしまったらしく、停留所ではよく分からないことを話し始め、最後には嘔吐してしまいました。3人で協力して彼女を適切な夜間バスに乗せ、わたしたちはまた別の夜間バスを待つことに。「徳を積んだね」と笑い合いながら、ハロウィンパーティー帰りの若者たちで溢れた東京のような満員バスに揺られて帰りました。

あとがき
「ハロウィンパーティーなんてくだらない?」

ある友だちには「ハロウィンパーティーなんかに、そんなお金と時間をかけるなんて」という趣旨のことを言われたことがあるのですが、「今回はどんなふうにみんなを楽しませようか?」と計画する時間も、実際にみんなを驚かせる時間も、本当に貴重で楽しいものなのです。

もちろんお金と時間は無限にあるわけではありませんから、妥協点を見つけなければなりませんが、何事もそうではありませんか?妥協点を探りながら、可能な限りの自己表現をするというのが人生ではないでしょうか。自己表現の方法はいろいろあると思いますが、わたしたちはこの年一回のハロウィンパーティーをいつも心待ちにしています。

また、普段のわたし個人の自己表現の場は、ここ「note」です。書くことで考えを整理したり、思い出を振り返ったり、似た興味や視点を持つ方と交流できたり、居心地が良いと感じています。他の方のnoteを見ていると、文章やイラスト、写真などから、その人の見ている世界を覗き見ることができるようでわくわくします。

ここまで読んでくださったみなさんの自己表現の場はどこですか?その方法はどんなものですか?ひとつひとつの表現の場や方法が尊いものなのだと、わたしは考えています。誰もが安心して生きられる(=表現し続けられる)世界が作れたらいいなと思います。

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