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掌編小説 ぼくのにっき

※閲覧注意 死ぬほどくだらなくて低俗。

○月○日
「なあ、男の子もミルク出せるって知ってるか?」
 ぼくは、牛にゅうが大好きです。きゅう食のじかんに牛にゅうをのんでいたら、るりぞうくんがぼくにいいました。
 ぼくはびっくりしました。でもるりぞうくんはものしりなので、るりぞうくんの言うことは本当だろうと思いました。
「うそだと思ったらインターネットでしらべてみろよ」
 と、るりぞうくんが言うので、カワサキ先生に聞いてみました。
「そんなくだらないこと言ってないで早くきゅう食を食べなさい」
 カワサキ先生は、のんでいた牛にゅうでむせてしまったのか、ハンカチではなをおさえて、ごほごほとせきをしながら、ぼくに言いました。
 その日の学校からかえるとちゅうに、るりぞうくんは、
「カワサキ先生は、ぜったいはなから牛にゅうふきだしてたよな」
 と、言ってわらいました。
 ぼくはカワサキ先生が大好きなので、るりぞうくんはひどいことを言うなあ、と思いました。
 
○月○日
 きょうは土よう日です。お父さんとお母さんは、お父さんの会社の人のけっこん式にでかけてしまいました。お母さんはぼくとおにいちゃんにホットドックをつくっておいてくれました。
 るりぞうくんに言われた男の子のミルクのことが気になったので、お父さんのパソコンでけんさくしてみることにしました。
 ちゃんと、男の子のミルクのことがでてきました。フランスのお話がのっているホームページでした。
 女の先生が、男子生徒に、男の子のミルクをいっぱいちょうだいと言っていました。きっと女の先生は男の子のミルクが大すきなんだなあと思いました。肉でできたぼうもすきみたいです。
 ぼくはきていたシャツをめくって、むねのあたりをぎゅうっとしぼりました。ミルクは出てきません。しょうがないので、おひるのホットドックを食べました。肉のぼうって、なんのことだかわからなかったけど、きっとソーセージのことなんだろうと思いました。ホットドックはおいしかったです。カワサキ先生もきっと大すきなんだろうなあと思いました。
 それにしても、どうしたらミルクが出るんだろう。お母さんがかえって来たらきいてみようと思ったけれど、テレビを見ているうちにねむってしまいました。
 
○月○日
 今日は、カワサキ先生のおたんじょう日でした。女子はみんなでお金をあつめてかったプレゼントを先生にあげていました。ぼくもなにかプレゼントしたいなあと思ったので、きゅう食のじかんに先生に牛にゅうをあげました。カワサキ先生は、
「だめよ、牛にゅうはちゃんとのまないと、大きくなれないわよ」
 とぼくに言いました。
 むねからミルクは出せなかったので、ぼくのきゅう食のミルクだって、男の子のミルクじゃないかと思ったからです。女の先生はとにかく男の子のミルクが大すきなのです。
 でも、カワサキ先生に、そう言われて、フランスのお話のホームページに書いてあったことを思い出しました。女の先生は、大きく成長する男の子も大すきです。
「わかったよ、ぼく、ちゃんと牛にゅうをのんで、大きくなるよ」
 ぼくは、牛にゅうをのこさずのみました。カワサキ先生にプレゼントをあげられなくてとてもざんねんです。でも、先生のために、早く大きくなりたいと思いました。来年のカワサキ先生のおたんじょう日には、おこづかいで肉のぼうをかってあげようと思いました。
                             (了)              


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