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わたしの本棚79夜~「高円寺純情商店街」

 2015年に船団東京句会の主催で、高円寺商店街を吟行をしました。さすがに小説の世界からはずいぶんとモダンになりましたが、初めて訪れた高円寺商店街は、和菓子店など、風情あふれる街並みでした。直木賞受賞作であるこの作品、商店街に暮らす人々のあり様を丹念に描き、昭和の香りあふれる人情豊かな物語になっています。2011年の3刷の値段です。解説は秋山駿氏です。

 ☆「高円寺純情商店街」ねじめ正一著 新潮文庫 400円+税

 秋山駿先生の解説が見事で、「作者がどう考えているかは知らないが、ここには、いわば江戸の午下がりの静けさといったものがあるのだ。そして、この静けさが、これらの市井の人びとが描き出す暮らしの背後にただよっているのだ。つまり、その暮らしに「風情」があるのだ。これが懐かしい」

 高円寺北口にある「純情商店街」。小説では、魚屋、呉服屋、金物店などが軒を並べています。削りがつをといえば江州屋と評判をとる乾物屋の一人息子正一の瞳に映った父や母、商店街の人びとの暮らしを温かい視線で描いています。

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