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劇団邂逅「その空港の最後のクリスマス」を観て

☆「その空港の最後のクリスマス」伊地知克介作

 23日、尾川代表と演劇集団邂逅の「その空港の最後のクリスマス」観にいきました。若いころは演劇も好きで観に行きましたが、最近は映画ばかりになっていましたので、新鮮でした。
 題名から、空港を舞台ということで、トム・ハンクス主演「ターミナル」(スピルバーグ監督、2004年公開)を思いだしました。演劇の場合、狭い空間でのドラマになり、ダイナミックな映像がない分、人間関係が会話で濃密に描かれており、言葉が映画以上に大切だなあと思いました。
 ストーリーの台詞の中に和歌あり、ユーモアな会話ありと言葉を多角的にいろいろと工夫してあり、台詞の中でも「言葉」は「葉という植物~」という素敵な表現ありました。

 物語の展開は、泥棒のあきらとハンテイング会社のスカウト・メイを軸に、閉鎖される空港の最後のクリスマスの一日を濃密に描いていました。
 みんなで滑走路の招き猫の銅像を動かす作業、成し遂げたさい、とてもとても温かい気持ちになりました。ちょうど、朝、ノーラン監督の「ダンケルク」(2017年公開)で、小さな船の集団がみんなで助けに行くシーンの話を友人としたので、同様に、みんなで誰かのために物事を成すというシーンは感動を呼ぶなあ、と改めて思いました。映像でなく、台詞と動作でそれを成し遂げるのも、感動ものでした。


ラストは出演者全員で



 劇団邂逅は、女性ばかりの出演者で、宝塚さながらでしたが、どの方も台詞が聞き取りやすく、のびのびした感じがしてよかったです。学生時代に観ていた野田秀樹さんや本谷有希子さんの舞台のように、駆けまわったり、早口であったり、といったものでなく(それも身体性で好きですが)、じっくりと言葉が響き渡り、わかりやすい展開で、ラストは温かく安堵した気持ちになりました。音楽もラストでWasted Nights(One Ok Rock)で盛り上げてくれました。(個人的に好きな曲でした)

https://kaikoh.jimdofree.com/

 ちょうど、先週、戸田彬弘監督「市子」を観て、衝撃を受けたばかりだったこともあり、「市子」は演劇を映画にして話題になっており、ついつい近いようで遠い「演劇」と「映画」の違い、見せ方を少し思ってしまいました。映画も良いけど、演劇もその世界広がります。
 観たあと、ほんわかした温かい気持ちがあふれ、素敵なクリスマス前夜の演劇鑑賞になりました。ありがとうございました。

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