生きる意味があったらいいな
「発達障害だし、引きこもりだし、普通の仕事は無理そう」と思って新卒でフリーランスのライターになった。ライターと言っても、専門知識があるわけでもなく、1本5万で書くわけでもなく、社会の端くれライターと言ったところだけど。
そんな私でも月に20万円ほど稼げている。1ヶ月に10日ほど作業をすれば、月20万円ほど稼げる。あとの日はのんびり読書したり、YouTubeを見たり、空想したり。一言でいうとだらけている。最低限の作業をして、あとはだらけている。
家事や料理は旦那がやってくれるし、必要なものも手配してくれるし、お金には困ってないし、健康にも問題ない。まぁちょっと生理痛が重いくらい。
日々やりたくもない仕事であくせくしてる勤め人が見たら「まじか」「羨ましい」と思うかもしれない。
大学時代の私だってそう思ってた。「夜勤辛い…家で楽な仕事したい…」「教育実習辛い…なんで納得できない意見に従わなきゃいけないんだ…」
あの頃の私が今の私を見たら、「最高じゃん」って羨ましがること間違いなし。
だけど当の本人は、今までにないくらい人生の迷宮にハマっている。「悩みが一つもないのに幸せでもない」という絶望に出会ってしまった。何も困ってないはずなのにモヤモヤするのは絶望なのだ。これは、満ち足りた人間にしか味わえない感覚かもしれない。
時間がない人は「時間さえあれば幸せなのにな」と思える。健康じゃない人は「健康さえあれば他に何も望まない」と感じる。お金のない人は「とにかくお金が欲しい」と願う。
私は欲しいものがない。低い次元でありながら全て満たされている。困ってない。なのに困ってる。一体自分が何に困っているのかさえ分からない。
人間は「楽に生きること」では満足できない。「やりがい」とか「やりたいこと」を探し求めている。夢中になれる時間が必要なのだ。
だけど「本当にやりたいこと」なんてなかなか見つからない。時間やお金のない時に空想した「やりたいこと」は、やってみたら意外とすぐに飽きる。いつでも旅行に行ける状態とか、好きなものを好きなだけ食べるとか、簡単に叶うし大した目標じゃない。
「やりたいこと」のほとんどは、ただ「やってみたかったこと」。
自由な働き方をする人が増えたら、「やりたいと思ってたことは、やってみたかっただけのこと」って気づいてしまう人も増える。そしたら私みたいに絶望する人が増える。きっと増える。1~2年でグッと増えるだろう。
追い討ちをかけるようにAIの時代がやってくるね。もっとやることがなくなるね。
・フリーランス、リモートワーク、パラレルワーク増加
→自由な時間が増える。やりたくないことはやらなくても生きられる。
・AIの発展
→思考停止でできる仕事が無くなる
全体的に、無理して働かなくても大丈夫になる。急にやることが無くなる。暇になる。だけど暇になった時、突然「本当にやりたいこと」が湧いてくるわけじゃない。
自由な時代に取り残される人がたくさんいるはず。
そんな時代に、30年後に、人間が「生きてる意味」を感じながら生きられたらいいな。大丈夫かな。私は大丈夫じゃなさそうだ。
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