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完全燃焼の重要性 〜子育ても、自分自身も〜

過去を後悔しないために

「これをしたい!」
とか、
「明確じゃないけどこういうことをしたい!」
と思った時、結果はどうあれ満足するまで「やり切った!」と達成感を感じられることって、とっても大事だよな、という話です。

この達成感は人生のどのステージにおいても大切だと思いますが、改めて意識したのは自身に子を授かった時です。

子供ができると、どんな風に子育てをしていったらいいのかを考えると同時に、自ずと自身の幼少期を振り返ったり思い出すことが増えます。
子供時代の自分の答え合わせをしながら、もう一度やり直しをするような感覚がありました。

私自身は、親には不自由なく大事に育てられたと感じています。
ただ少し過保護なところがあって、私がやりたいことが何かを見出して寄り添うというより、娘とはこうあるものという昭和の価値観にはめ込まれて、今でも
「あの時こうだったら」
「もしああしていれば」
というタラレバ妄想に取り憑かれることがあります。

自分がやりたかったけど達成できていないことは、結局達成できるまでずっと自分の中で燻り続けます。

この唯一の解決方法は、
「達成する」
もしくは達成とまでいかなくても
「納得できるまでする」ことです。

子供を持つ親であればほとんどが、ちょっとしたことでも
「この子にとって最適なものを与えてあげたい」
「今できるベストなことをさせてあげたい」
と思うでしょう。

私も、赤ちゃんがお腹の中にいるときには普段聞かないクラシックを聞いてみたり、マタニティヨガに通ったり、イチローの足が早いのは父親が乳児の頃から土踏まずを撫でていたからだと聞けば息子の土踏まずも抱っこしながらこちょこちょ撫でるようにしたりしていました。

胎児期も乳児期もあっという間に過ぎますが、そのときにした方がいいことは全てしてあげたかったし、後から知ってやっておけばよかったと後悔したくなかったので。

親からの愛情が足りないと感じている人は、表面的には取り繕えても親密な人間関係の構築に大きなハードルを感じることが多いと聞きます。

そのことに気づいても、子育てのやり直しは出来ません。

胎児期
乳児期
幼児期
小学校
中学校
高校

と、心と体が変化し成長していく中で、それぞれのステージに子供が求めるもの、やりたいことをしっかり「完全燃焼」させてあげることが、スムーズに次のステージへ登っていけるコツなんじゃないかなと思っています。

中でも人格形成に大きく関わっていく幼児期までの子供への関わりは、親にとって特に大切な時期だと思います。

子どもは成長に従って少しずつ人間関係が広がっていきますが、まだ幼児期の子供は家庭の存在が大きく占めるからです。


佐々木正美先生 

〜子育てで一番大事な時期〜

児童精神科医の佐々木正美先生という方がいらっしゃいます。

残念ながら2017年に亡くなってしまったのですが、この先生が書かれた本はどれも言葉にあたたかさがあって、
「大丈夫だから」
と寄り添ってくれているようで読みながら何度も涙が込み上げてきました。

中でも「こどもへのまなざし」という本は当時の自分に染み入るように入ってきて、いい意味で肩の力が抜けました。

本の中で今でもよく覚えているのが、
「子育ては家を建てることとよく似ている」
ということです。

家を建てる上で何より大切なのは何だと思いますか?
方角?
立地?
素材?

一番大切なのは「土台」だと書かれています。
私はそれは「人間力」だと理解しています。

子供が生まれたばかりの頃は何にもない土地。
それから幼少期までの親の愛情や周りの関わりで土台が作られ、
幼稚園や小中学校で社会性を学びつつ家の骨組みが作られ、
高等教育がさしづめインテリアの豪華さになります。

パッと見建てられた家が豪華でも、土台がしっかりしていないと傾いて住みにくかったり風雨に弱かったりします。

高校や大学受験が子育てのハイライトのようにも思えますが、本当にその子にとって大切なのは幼い時期の土台作りなのだそうです。

世の中がどのように進んでいくのか予測が立てにくくなっている現代は特に、どんな風に世の中が変わっても生き抜いていける「人間力」こそ大事になってくると思います。

例え質素な家でも、新しい学をつければいくらでもインテリアをアップグレードすることはできます。
土台がしっかりしていなければ、大理石のテーブルを入れたくても床が抜けてしまうかもしれません。

強固な土台に必要なのは、自分は愛されているという安心感です。
それがないまま体は成長しても、満たされなかった欲求がなくなることはありません。

幼児期に満たされなかった心の闇が、様々なトラブルなど歪んだ形で思春期以降に問題行動としてあらわれることもあります。

子育てはやり直しがききません。
佐々木先生の本を読んで、
「子供が私を必要としている時はちゃんと向き合おう」
「子育てを、完全燃焼しよう」
と改めて思いました。

私なりの子育て論

〜子供時代にしか出来ないことは子供時代に完全燃焼〜

私は、学校の先生に教えてもらえることは私が教えなくてもいいんじゃなかと思っています。
早くから頑張らなくても、20歳になればほとんどの日本人はひらがなの読み書きや九九はできるものです。

もちろんそれらを早くから覚えるメリットもあると思いますが(小学校に上がって他の子よりうまくスタートダッシュがきれたら自信につながるなど)、それよりたくさんハグをしたり、五感をフルに使って全身で自然を感じて感性豊かな時期を過ごして欲しいと考えていました。

子供が小さい頃は泥遊びが大好きでした。
水を汲んできて泥水を作り、砂場で全身ドロドロになりながら何かを夢中で一生懸命作っています。
来る日も来る日もよく飽きないもんだと思いながら、自分も汚れてもいい服装で付き合っていました。

虫も大好きでした。
ある夏は毎日虫かごと網を持って早朝から蝉捕りをしていました。
アリの行列を飽くことなく見続けていたり、どこに足をかけたら木の上まで登れるのか試行錯誤してみたり、自分より小さな赤ちゃんにおそるおそる接していたり。

毎日あちこちの公園に連れていっては季節のものを探したり外でお弁当を食べたりしていました。

答えが決まっていない経験をたくさんさせてあげたかったんです。

同じことが永遠に繰り返されるように思える毎日でしたが、
「フッ」
と次に切り替わるタイミングがあるんです。
多分息子は、泥遊びも虫捕りも、完全燃焼したんです。

大人になって出てきたやりたいこと、例えば英語を習うとかタンゴレッスンに通うとか。
そういうのは時間の都合をつけて完全燃焼していったらいいと思います。
大人だから泥遊びや虫捕りをしてはいけないなんてことありません。
でも、3〜4歳の子供と同じ気持ちで、なんの屈託もなく夢中になれるわけではないと思います。
子供は抱っこが大好きです。
だから子供が完全燃焼して
「もういい」
とどこかへいくまで、なるべく抱っこしていました。

外に出るのが大好きな幼き日の息子は、家事をしている私に
「ママ、クック」
と言いながら靴を持ってきます。
外に行きたいと伝えているのです。笑
急いで作ったおにぎりと自分のカフェオレをリュックにつめて、早朝から夕方まで公園や児童館のハシゴをして、家はお風呂と夕飯、寝る場所という感じでした。
もしこれが会社だったら、かなりブラックだと思いますが笑

そんな毎日だったので、子供たちはまだ小学生ですが、
「子育ての土台作り」
という観点においては私自身、完全燃焼した自負があります。笑
色々と大変でしたが、「あの時こうしてあげていたら」という後悔が一切ないのは我ながら清々しい限りです。

成長とともに子供の興味関心も移り変わりますが、友達と過ごすことが楽しい今は、友達と安心して遊べる環境を作るように心がけています。

子育てを通じて改めて完全燃焼の大切さを感じています。
完全燃焼は、そのことを思い出さないくらい心残りがない状態。
反対に不完全燃焼のものがあると、ふと心が疲れたときに後悔として思い出されます。

娘が空手をやりたいと言ったことがありました。
どうしてもやりたいと始めましたが、半年して闘うのが痛いからやめたいと泣きます。
自分がやりたいと言ったことを簡単に辞めさせるのは親としてどうなのか、かなり悩みましたが、先生とも話し合い結局辞めました。

娘は空手を完全燃焼したのだと思います。

やってみなければ、後々空手させてくれなかったと恨み節を言われていたかもしれません。
やってみて、自分には合わないとわかったのです。

「始めたら〇〇年は続けないといけない」
というのはどこかから植え付けられた自分の固定概念だったのかもしれません。
子育ては、学ぶことの方が多いですね。


やりたいと思ったら、とりあえずやってみること


好きで長く続くかもしれないし、すぐに飽きるかもしれないけど。

自分の経験や価値観をもとに先回りして、父親から私のやりたいことを反対されたことがあります。
父親なら娘を心配するのは当たり前なので、その時の父を責める気持ちは全くありません。
でも、あの時出来ていたらな、という気持ちはありました。

冒頭で述べた通り、それを解決する方法は「する」こと以外ないとわかっています。笑
昔の自分と同じ形ではなくとも、やりたいことに向けてあれこれ思いを馳せる時間は楽しいので、先延ばしも悪くないかもと思っている今日この頃です。

まとめ

やりたいことがあると、朝が来ないでと思うほど没頭してしまう私。
この記事で伝えたかったことはつまりこれ。

小さなやりたいことも大きなやりたいことも、
体の自由がきくうちに、あれこれとっとと楽しんでいきましょう!



実用性は低いけどお気に入りのバッグ♡


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